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なんでこんな事に!

「はぁ……………」


 私の名はオンリー。

 今、私は大量の屍の上で休んでいる。


「なんで、こんなことになったんだろう……」


 私は友達が欲しかっただけなのに………


 私は産まれた時から一人だった。

 赤ちゃんの頃に孤児院前に捨てられていた私を孤児院のシスターと神父達が拾って育ててくれた。

 首都にある国教の教会附属の孤児院だったから。貧しい思いはしなかった。私は昔から勘違いされて続けられてきた。


 人と関わる事が苦手な私は他の子達と遊ぶ事が出来なかった。

 だけど、なんかぼっちだと思われるのが嫌だった私はいつも書庫で本を読むか礼拝堂で神に祈り続けた。そのおかげで人より賢くなり、神父達大人の受けは良かった。


 それに反比例して、子供からの受けは下がっていった。考えてみたら、他の子達は一切喋る事はなく、神父達の受けの良いことばかりを自然としてしまう人は嫌われるのは当然であった。

 一回イジメのような事があった時をきっかけにシスター達は私を他の子達から遠ざけてより孤立しより能力向上する環境を作るようになった。

 そんな特別扱いを受ける私は完全に同年代の集団から孤立した。


 別に神父達の事を恨んでいない。おかげで師匠とも出会えて強くなれた。

 勉強と礼拝に集中出来たから。知識と回復術が磨かれて、教会最年少で回復術士と神父の免許を所得できた。

 ちなみに、回復術士は薬師と術士に免許が分かれている。それぞれ薬師はポーションなどの薬の製造と処方を許可する免許であり、術士は()()に回復術を使う治療行為の許可する免許である。私はどっちも取った。

 神父の免許は簡単に言うと、聖水製造と貯蔵、そして販売の許可証である。この免許が無くても神父にはなれるが、この免許を持った神父又はシスターがいない教会は聖水の貯蔵すら許されないのである。つまり、アンデットが現れたらその教会しかない街は高確率で壊滅すると言う事である。それなのに、この免許は合格率が毎年1%未満と凄く難しい試験がある。


 それはさておき、私はその後孤児院在籍が許される12歳まで取れるだけの技術と知識を蓄えた。遊ぶ相手がいないから時間はたっぷりあった。

 その後、教会に属し続ける事を薦める神父達の推薦を蹴って、他国の冒険者養成学校に通った。

 その国にも養成学校はあったが、孤児院時代の自分を知らない所で新しく人間関係を一新したかった私は地元から遠い方の隣国に来た。


 だが、学校での私は結局変わらなかった。友達を作る事ができない私はぼっちだと思われるのが嫌で、とにかく、練習場や闘技場で特訓に明け暮れていた。その結果、教官からの評価は闘技場での人気と一緒に上がり続けた。そして、同年代からは闘技場の人気に反比例して嫉妬から下がっていった。中には好印象の人もいたかもしれないが、ひたすら特訓している人に近寄りづらかったのか、話しかける人は教官達と闘技場のスポンサー達だけだった。


 その後、学校を圧倒的な主席で卒業した私はそのまま冒険者や剣闘士になる事はなく、魔法学校に通う事になった。

 養成学校時代の魔力検査で属性がある事が分かった私に校長先生の伝手で首都の名門魔法学校に通うことになった。


 名門魔法学校なら今までとは違う人種の人達が集まるから。もしかしたら友達ができるかもと思い通ったが、結果は変わらなかった。

 平民上がりの私を嫌う貴族共ばかりで、結局友達は出来なかった。それに追い打ちをかけるように試験で貴族と言うだけで調子に乗っている貴族を徹底的にボコったら、一気に溝が深まり、修復不可能になった。同じ平民上がりなのにクラスの人気者だったあの子とは凄い違いである。

 まぁ、試験でその子を完膚なきまでに倒してから差別しない人達からも嫌われたけどね。


「ほんと、なんでこんな事になったんだろう。」


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