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48.ペタロドダンジョン攻略②

23階層。

風景がガラッと変わり、木が多くなった。

さっきまでの草原ではなく、完全に森林だ。


「ここは植物系のモンスターが多い」

ジル師匠の説明中に木がどんどん近づいてくる。


「これはトレントだ。イツキ!」

「はい。火車!」

俺は火車を出して、トレントを焼き払う。


「こういう風に植物系は基本的に火が弱点だ。イツキとオータルを中心に戦闘しろ」

「「「「はい」」」」


俺達は森に入っていく。


▽ ▽ ▽


根っこを脚のように動かして花が向かってくる。

ハングリーフラワーというモンスターだ。


小さいが花びらが歯のようになっている。

近づいて噛みつこうとしてくる。


「火車!」

キー!

ハングリーフラワーも鳴くので、れっきとした生物の様だ。



「おい!こっち手伝ってくれよ」

オータルは身体が植物で出来ているプラントリザードと戦っていた。


リザードのような見た目だが、植物がまとまってリザードの形をしているだけだ。

本体と繋がっている所を燃やせば倒すことができる。


「本体見つけた!」

メアがプラントリザードの本体にモーニングスターを振り降ろす。

本体が潰れると、オータルの目の前にいたリザードは消え去った。


「なんか数は多くないけど、ややこしいモンスターばっかだな」

「そうね」

ミランはサーペントブレードを振り回して、ハングリーフラワーを斬り刻みながら進む。


歩いて行くと、開けた場所に出た。


「あれ?」

俺はジル師匠を見た。

「ああ。これは誰かが戦闘してできた場所だな」

「ですよね」

木は折れ、草木は焦げていた。


「ドロップアイテムも落ちてる」

「もったいないから拾っちゃお」

メアはドロップアイテムを拾っていった。


「だいぶ近くにいるかもな」

「きゃああ!」

メアが叫ぶ。


メアを見ると、脚に蔓が絡まってぶら下がっている。


「キラープラントだ!イツキ!すぐに蔓を燃やせ!」

「え!火車!!」

俺は火車を出して、蔓に向かって放つ。

火の車輪は蔓を切り燃やした。


「あっ!いて!」

ぶら下がってたメアは地面に落ちた。


「ごめん。モンスターって気づかなくて」

「今のはキラープラント。生物を捕まえて死ぬまで養分にする。最終的に死体はダンジョンに吸収される」

「え!」

「メア、アイテムを拾う時も警戒をしろ。仲間が近くにいなかったら大変なことになる」

「はい。すみません」

メアは頭を下げた。


「キラープラントは捕まえた生物を棲み処に隠す。だからもし捕まったときはすぐに蔓を切って逃げろ。棲み処は本体や捕まえた場所から離れた場所だから見つけにくいんだ」

「「「「わかりました」」」」

気を付けなきゃいけないのは戦闘に強いモンスターだけじゃないみたいだ。


俺達はキラープラント警戒しながら進んだ。



24階層への階段を見つけた。

ここに来るまで、何個も戦闘した形跡があった。


「この先に冒険者がいる可能性が高い。人族だった場合、面倒な事が起こるかのせいがあるからできるだけ関わらないように行こう」

「もし人族が絡んできたら俺が対応します」

「イツキ、すまないが頼んだ」

俺達は気を引き締めて階段を上った。


24階層も森林エリアだ。


「ここにはキラープラントの上位種のキラーライププラントがいる。さっき言ったように、捕まったらめんどくさいから気を付けろ」

「「「「はい!」」」

俺達は森林を進む。


トレントやハングリーフラワーを倒しながら進んでいると、目の前に剣や防具が落ちていた。

「これは皇国兵士のだな」

「そうなんですか?」

「ああ。これを見てみろ」

ジル師匠が持っている剣を見ると、紋章のようなものが付いていた。


「これはゼネバース皇国の国章だ。たぶん宿に泊まってたやつだろ」

「ということは勇者も近くに?」

「うーん。可能性は高い」

俺達は剣と防具を広い、森の奥へと入っていく。


進んでいくとモンスターと出会わなくなった。

「全然襲われなくなったね」

「そうね」

俺達はこの状況を不思議に思った。


「ここはキラーライププラントの棲み処だな…」

「棲み処?」

ジル師匠は指を差した。


指差す方向には大きな蕾のようなものが吊るされていた。

「あの中に養分になる生き物が入っている」

「え!」

「捕まると死ぬまであの中だ。ここにいると俺達も襲われる可能性がある。急ぐぞ」

「「「「はい」」」」


俺達は蕾を避けて進もうとすると、蕾が動いた。

そして蕾は開き、中からヌメヌメした何かが出てきた。


「え?」

「これは」

出てきたのは人だった。

正確に言うと人だったものだ。


表面はヌメヌメなのに、姿はミイラのようになっている。

養分を吸われたのだろう。

蕾から出てきたミイラは見覚えのある防具を付けていた。


「こいつも皇国の兵士だな……」

「……ですよね。さっきと同じ防具」

「ということは勇者も?」

「わからない。勇者召喚されたものは、何らかの特出したエクストラスキルを得ると聞いている。ダンジョンに挑戦するぐらいだからキラーライププラントにやられるとは思えないが……」


考え事をしていたジル師匠が急に視界からいなくなった。


「くそ!」

ジル師匠の声がする方向を見ると、倒れているジル師匠の脚に蔓が巻き付いていた。


「キラーライププラントだ。全員警戒しながらこの場を離れるぞ。こいつと戦うのはめんどくさい」

蔓を切って走り出すジル師匠を、俺達は追っかけた。


蔓が至る所から襲ってくる。

「火車!」

「火車!」

俺とオータルは蔓を燃やしながら進む。


「階段が見えたぞ!あそこに入れば攻撃はされない!」

ジル師匠は叫んだ。


俺達は急いで階段を上る。

すると蔓は追ってくるのをやめた。


「危なかった」

「すまない。俺が気を付けろと言っていたのに」

ジル師匠は頭を下げた。


「大丈夫です。あの状況だったら誰が捕まっててもおかしくなかったです」

「そうです。逆にジルさんでよかったみたいなところあるし」

ジル師匠の素早い判断で難を逃れたと言えるだろう。


「俺も気合を入れ直す。皇国や勇者関係のことで色々考えてしまっていた」

「とりあえず進みますか?」

「そうしよう」


俺達は25階層に向かった。



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