41.ペタロドダンジョン挑戦③
8階層も遺跡エリアだ。
「この階層はゴブリンとスケルトンがいる。それよりも気を付けなくてはいけないのは罠だ」
「罠?」
「ああ。ちょっとついてこい」
俺達はジル師匠に付いて行く。
すると宝箱があった。
「あれはミミックですか?」
「わからん。ただあの宝箱に近づこうとすると発動する罠がある」
そう言いながらジル師匠はしゃがんだ。
「この地面を見てみろ。この石だけ周りと色が若干違うだろ」
地面の石タイルの色が1か所だけ違った。
「これを踏むと矢が飛んでくる。みんなしゃがんでおけ」
俺達がしゃがむと、ジル師匠がタイルを押す。
シュッ!
俺達の頭上を矢が通過した。
「うお!」
わかっていたのにオータルは驚いていた。
「このダンジョンはこの階以外には罠はない。ダンジョンによっては罠だらけの所もあるから覚えておいて損はない」
「罠にはどうやって気付くんですか?」
「経験か、罠に気付くスキルだな」
「なるほど」
罠はさすがに対応できないな。
「じゃあ罠も確認したから、宝箱を空けちゃいますよ」
オータルは宝箱に近づき、開けようとした。
グギャアア!
宝箱は大きな口を開けて、オータルに襲い掛かってきた。
これはミミックだ。
「うお!まじかよ」
噛まれそうになるオータル。
「何やってるのよ!」
ミランがサーペントブレードを振り、ミミックを斬りつけた。
グギャア!
ミミックの身体からは血が出ている。
宝箱から血が出ているのは違和感しかなかった。
「オータル!すぐに離れて!」
メアは鈍化薬をミミックに当てる。
「すまんな2人共」
オータルはミミックから距離を取る。
「やってくれたな」
オータルは何度も突進をするがなかなか倒せない。
ミミックの防御力が思ったより高い。
俺は筆剣を構えて、ミミックを斬りつける。
ギャ!
物を斬っている感触じゃない。
どちらかというと肉を切っている感触だった。
ミミックは2つになって消滅した。
するとミミックが居た場所に大量の硬貨と魔石が出てきた。
「当たりだな」
「ミミックのドロップアイテムですか」
「ああ。ミミックのドロップアイテムはゴミと当たりと大当たりがあるって、冒険者の中では言われている」
「これは当たり?」
「そうだな。大当たりだとマジックアイテムが出るって聞いたことがある」
「よっしゃー!」
オータルは喜んでいた。
俺達はドロップアイテムを回収し、9階層へ向かう。
途中に毒ガスが出る罠や、落とし穴になる罠などをジル師匠に教えてもらった。
▽ ▽ ▽
9階層。
変わらず遺跡エリアだ。
しかし何か雰囲気が重い気がする。
「ここはゴブリン・オーク・スケルトン・リビングソードが出てくる。今までの階層よりも圧倒的にモンスターの数が違うから気を付けろ」
「「「「はい」」」」
俺達は武器を構えて進んだ。
「旋風!」
旋風はスケルトンの群れは崩す。
「オータル!」
「おう!連突」
オータルはスケルトンに連続で突進する。
「メア!そこのオーク達動けないから、倒しちゃって!」
「わかった!」
オークはミランの『麻痺爪』で動けなくなっているところを、メアのモーニングスターで頭を潰されていく。
ギャギャギャ!
ゴブリンの群れが俺に向かってくる。
俺は筆剣を上段に構える。
「よし!」
筆剣を振ると3匹のゴブリンが切断される。
そのまま横に筆剣を振りきり、残りのゴブリンも切断した。
ジル師匠は暇そうに片手でリビングソードの攻撃を防いでいる。
本当に余裕なんだろう。
俺達は少しずつ進みながら、大量のモンスターを倒していった。
▽ ▽ ▽
1時間ほど進み、階段を上ると大きな扉がある部屋に到着した。
「お疲れ。これがボス部屋への扉だ。この部屋には階段と同じくモンスターは来ない。だから少し休憩をして、ボスに挑もう」
「「「はい」」」
「装備の確認やポーションの確認も忘れるなよ」
「「「「はい!」」」」
俺達は座り込んで休憩をした。
「結構きついけど訓練になるね」
「そうだな。俺はたくさん戦えて楽しいぞ」
オータルは笑顔で言った。
「私も楽しい。もっと強くなりたい」
「そうね。硬いモンスターだと、私とイツキが使い物にならないのが悔しい」
「ははは。そうだね。俺とミランは硬いモンスターだと全然だからね」
色んなモンスターと戦うことで課題も見えてきた。
「イツキ!」
「はい!」
「このボス戦ではシラユキとゴウキは使うな」
「え?」
「めんどくさい敵ではないから、お前達の力だけで倒してみろ」
「わかりました。ちなみにモンスターは何ですか?」
「ミノタウロスだ」
ミノタウロスは知っている。
人型のウシ。
元の世界でも漫画とかで見た。
「ちょっと戦い方を考えてみます」
「うん。それがいい」
俺はミノタウロス戦の戦い方を考えた。
▽ ▽ ▽
俺達はボス部屋の扉を開ける。
部屋の中央にはオータルよりも大きなミノタウロスが居た。
手には斧を持っている。
「みんな作戦通りに」
「「うん」」
「おう!」
返事をするとオータルが突っ込んでいった。
「オータル!早いよ!」
メアが急いで鈍化薬をミノタウロスに当てる。
ミノタウロスは俺達に気付き、メアに向かって走り出した。
ブロオオオオオオオ!
走り出したミノタウロスをオータルは突進して止める。
「あぶねー間に合った」
オータルはミノタウロスの攻撃を避けながら何度も殴る。
鈍化薬のおかげで攻撃は全然当たらない。
俺はその間に魔物図鑑にミノタウロスの絵を描き上げた。
「弱点は鼻と関節か。オータル!殴るなら鼻を狙え」
俺はオータルに声をかける。
「鼻?」
オータルの飛び上がり、ミノタウロスの鼻に頭突きした。
ブオオオオオオ!!
ミノタウロスが痛みでよろめいた。
「ミラン」
「うん!」
俺達は俊足薬を飲み、ミノタウロスに向かって行く。
俺はミノタウロスの右膝裏を斬りつけ、ミランは左膝裏を斬りつけた。
ブアアアア!
ミノタウロスは叫ぶ。
でたらめに斧を振り回すが、動きが遅いから簡単に避けれる。
俺は正面に回り、ミランは背後に回る。
そして剣をミノタウロスの体に突き刺す。
ゴブロオオオオオオオ!
ミノタウロスは叫びながら倒れ、死体は消えた。
残ったのは大きな斧だけだった。
ゴゴゴゴゴゴ!
部屋が大きく揺れる。
「え?え?」
「大丈夫だ」
ジル師匠は落ち着いている。
揺れが収まると台座に乗った水晶が現れ、部屋の奥の扉が開いた。
「これが?」
「そうだ。この水晶に触れると1階層に戻れる」
「なるほど」
「いい作戦だった。今日は宿に帰ろう」
「「「「はい」」」」
俺達は水晶に触れた。




