表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/46

39.ペタロドダンジョン挑戦①

俺達は早朝に家を出た。


ジル師匠はダンジョンに向かいながら話す。

「朝は比較的冒険者が少ない。だから6階層まで日中より楽に行ける」

「なるほど」

「それでも少しいるから、6階層まではモンスターは無視するぞ」

「「「はい」」」

俺達はジル師匠に付いて行く。


ダンジョンに近づいてきた。

俺達と同じようにダンジョンへ向かう人がちらほらいる。


「俺達のように朝を狙う人もいるんですね」

「そうだな。日中の1階層は地獄だからな」

ジル師匠は顔を引きつらせて言った。


ダンジョンの入り口に到着した。


「じゃあ行くぞ」

「「「はい!」」」

塔の入り口に入って、俺は違和感に気付いた。


外から見えるよりも中が広い。

倍とかそんなレベルじゃない。

5倍以上広くなっている。

さすが異世界だ。


「少し早歩きで行く。ついてこい」

俺達はジル師匠を追いかける。


1階層には見える範囲で10人以上の冒険者が居る。

モンスターはゴブリンやスライムで数はさほど多くない。


ジル師匠に付いて行くと階段に到着した。


「各階層にはこのような階段が必ずある。階段にはモンスターがなぜか来れない。だから休むときは階段の踊り場を使うといい」

「「「「わかりました!」」」」

俺達は階段を上がり、2階層に行く。


階段を上がると小さな部屋に出た。

隣の部屋に行くための扉枠が3つあった。


「ここは少し迷路のようになっている。時々宝箱があるが無視でいい。いいアイテムが出る場合もあるが、大体ミミックという宝箱に擬態しているモンスターだ」

「ミミック!」

聞いたことのあるモンスターだ。


「もし通り道にミミックがいたら戦ってみるか?」

「はい。戦いたいです」

「少し身体を動かしたいな」

「私も少し戦ってみたいです」

「私も!」

みんなのやる気は十分なようだ。


ジル師匠は次々と部屋を移動していく。

モンスターには全く出会わない。


「この階層はミミックしかいないんですか?」

「そんなことない。この階層は最短の道を行けばモンスターに会わないんだ」

「なるほど。師匠は道を覚えてるんですか?」

「いや。昨日のうちに冒険者ギルドに行って地図をもらってきた。ダンジョンに挑戦する上で情報は重要だ。もし他のダンジョンに挑戦するときは、そこを意識しておけ」

ジル師匠は夕食後に情報取集をしていたみたいだ。


ジル師匠に付いて行き、扉枠を潜ると宝箱が置いてあった。


「あれはミミックですか?」

「わからん。近づいてみないと判別は付かないんだ」

ミミックの擬態は師匠でもわからないみたいだ。


「俺達で戦ってみてもいいですか?」

「いいぞ」


俺達は武器を構えた。

「メア!鈍化薬を宝箱に当てて」

「はい!」


メアは鈍化薬投げた。

旋風で勢いが増し、鈍化薬は宝箱にぶつかって割れた。


「あれ?」

「珍しいな。あれは本物の宝箱だな」

「「「「ええ!」」」」

俺達は目当てのミミックではなく、宝箱を引き当てたようだ。


俺は近づいて、宝箱を空けた。

中にはガチガチに装飾が付いている腕輪が2つ入っていた。


「これは?」

「『鑑定』を取得している者が居ないから、ダンジョンから出たら冒険者ギルドで見てもらおう」

「わかりました」

俺は腕輪を宝箱から取り出すと、宝箱は消えた。

腕輪をメアに渡し、メアはマジックバッグにしまった。


俺達は再びダンジョンを進んだ。


▽ ▽ ▽


3階層に到着した。

景色は一変した。


完全に洞窟だ。

2階層までは大きな建物の中だったのに、階段を上がると洞窟になっていた。


「わあ!凄いねー」

メアは目を輝かせている。

「そうね。なんかワクワクするわ」

ミランもテンションが上がっているようだ。


ジル師匠は温かい目で2人を見ていた。


「そろそろ進んでいいか?」

「「は、はい!」」

2人は焦ったように返事をした。


「ダンジョンの地形で洞窟は結構ある。注意点は狭いことだ。長い武器が使えないし連携も取りにくい。それに薄暗いから奇襲されやすい」

ジル師匠はそう言いながら、ランタンを俺達に配った。


「このランタンはマジックアイテムだ。こういうアイテムが必要かどうかも、冒険者ギルドで聞くことができる」

「情報ってことですね」

「そうだ」

ジル師匠は嬉しそうに頷いた。


洞窟を進んでいると、広い空間に出た。

するとボロボロの格好をした冒険者とすれ違った。


「あれは10階層まで行かずに引き返した冒険者だ」

「どういうことです?」

「このダンジョンは10階層ごとにボスモンスターが居る。そいつを倒すと水晶が現れる。それに触れるとダンジョンの1階層まで転送されるんだ」

「えー。すごい」

さすが異世界だ。


「さっきのやつらは10階層まで行けなかったのだろう」

「ボスを倒せないと歩いて帰らないといけないってことか」

「そうだな。今日は10階層のボスまで行くからな」

「「「「え!」」」」

ジル師匠の顔は嬉しそうな表情をしていた。


▽ ▽ ▽


4階層は3階層と変わらない洞窟エリアだった。

俺達はサクサク進んだ。

モンスターと全く接敵しなかった。

2階層と同じく、道を間違えた先にモンスターが居るらしい。


4階層の階段を上がる。

5階層は洞窟エリアではあったが、ものすごく広い空間だった。


「ここはモンスターが多い。近づいてくるやつは倒しながら進むぞ」

俺達は武器を構えて、ジル師匠を追いかけた。


走っていると、目の前を何かが横切った。

「うわ!」

俺はびっくりして声を出してしまった。


「気を付けろ。ロックバットだ。強くないがうっとおしいぞ」

俺達はロックバットを払いのけながら進んだ。


ロックバットを斬りつけると何かが落ちた。


「師匠!何かが落ちたんですが」

「ドロップアイテムだ。ダンジョンはモンスターが死体にならず、アイテムになる。拾うのは6階以降でいい」

「わかりました」

ドロップアイテムは気になったが、師匠に従って進んだ。


後方で小さな明かりが見えた。

他の冒険者もやってきたみたいだ。


「師匠」

「ああ。大丈夫だ。あの距離なら合流したとしても5階層を抜けた後だ」

さすが師匠だ。

後方の冒険者に気付いてた。


前方がほんのり明るくなっている。

「階段の明かりだ。もう着くぞ」

「「「「はい!」」」」


俺達は近づいてくるゴブリンやロックバットを倒しながら進んだ。


▽ ▽ ▽


6階層に到着した。


また景色が変わった。

1階層や2階層のような建物の内部のような造りをしている。


「ここからは積極的にモンスターと戦うからな」

「「「「はい!」」」」

「この階層の注意点はオークの群れとスカイスネークという飛ぶモンスターだ。落ち着いて戦えば問題なく倒せるからがんばれ」


俺達は武器を構えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ