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36.ゴウキ

3人と夕食を食べ、俺はゴウキの召喚絵巻を色付けすることにした。


召喚絵巻を開き、色付けを始めた。

「服は黒ベースのままで、雷を激しくさせて…」

俺は集中して色付け作業を進めた。


「よし。こんな感じかな」

迅雷が降り注ぐ中で立っている鬼を書き上げた。


描き終わると目の前にウィンドウが現れた。

[召喚絵巻(剛鬼)のレベルが上がりました]


「やっぱり予想通りだ。レベル4に上がったら色付けができるようになって、色付けが終わればレベル5になるんだ」

俺は召喚絵巻を取り出して、ゴウキを召喚した。


「ぎょいー」

出てきたのは子供の姿のゴウキだった。


「色が入ってシラユキと同じようにリアルになったな」

「ぎょい―」

ゴウキは俺の膝に上ろうとしていた。


「ゴウキもその姿がよかったのかな?大きくなれたりする?」

「ぎょいー」


ゴウキは返事をすると身体はみるみる大きくなり、180cmほどになった。

「おお。俺より大きいな。仮面って外せるの」

「御意!」

ゴウキは2本角の鬼の仮面を外した。


「うわー。美少年すぎる」

俺の目の前には1本角のイケメン君が居た。

「幼さも残ってるこの感じ、元の世界だったら刺さるところには刺さるな」


恥ずかしいのかゴウキは顔が赤くなっていた。


「ごめんね。仮面付けていいよ」

「御意」

ゴウキは仮面をつけ、身体が小さくなっていった。



▽ ▽ ▽



翌日、俺達は街の外に来ていた。


「今日はゴウキの力を見るのと、メアが『旋風』に慣れるのが目的だから、オータルとミランにはサポートをお願いしたい」

「わかったわ」

「任せろ!」

「ありがとう」

俺達はモンスターを探しに山の中を進んでいった。


少し歩くとゴブリンが4匹いた。


ゴウキを召喚しようとしたらメアが口を開いた。

「イツキ、ちょっと試したいことあるんだけどいい?」

「え?いいけど」


メアは鈍化薬を掴み、腕をゴブリンに向けた。

すると手のひらから旋風出てきて、鈍化薬が勢いよくゴブリンに飛んで行った。

「できた!」

メアは喜んでいるが、鈍化薬はゴブリンの手前に落ちて破裂した。


「もうちょっと練習が必要そうだね」

「そうだね。威力もある程度は調整できるみたいだから、頑張るね」

メアに笑顔を向けられ、思春期の俺は死んだ。


鈍化薬が割れたことで、ゴブリン達がこっちに向かってきた。

メアは旋風を使ってゴブリンを1匹吹き飛ばすが、落下ダメージしかなさそうだ。


俺は筆モードの筆剣を構えた。

「旋風!」

俺の旋風もゴブリンを1匹吹き飛ばすが、攻撃力はほとんどなかった。

「陣形を崩すくらいしか使えないか」


ギャア!

俺とメアは近づいてきたゴブリン2匹を倒す。


「イツキ、もう1個試したいんだけど」

「いいよ。気を付けてね」

「うん」

メアは両手を地面に向けた。


旋風が現れ、メアの身体は宙に浮いた。

「ねー。私飛んでるよ」

「メア、両手使ってたらどうやって攻撃するの?」

「あっ!」

メアは静かに着地した。


「移動とかには使えそうだけど、攻撃には向いてないかもね」

「う、うん」

悔しいのか恥ずかしいのか、何とも言えない表情をしていた。


「あとはゴウキにやらせてもいい?」

「うん」

メアに了解を取り、俺はゴウキを召喚した。


「御意!」

大人バージョンのゴウキが現れた。


「ゴウキ、魔法であのゴブリン達を倒してくれ」

「御意!」


ゴウキは金棒を掲げた。

すると4本の雷の槍が出てきた。

「御意!」

金棒を振ると、ゴブリンに向かって雷の槍が飛んで行った。


グギャアアア!

ゴブリンは叫びながら絶命した。



ゴウキは最後のゴブリンの元へ走って向かった。

ゴブリンはゴウキから逃げようとするが、ゴウキの方が早かった。


「御意!」

ゴウキは金棒でゴブリンを宙へ打ち上げた。

すると宙に浮いているゴブリンに雷が落ちた。

地面に落ちるゴブリンは元の姿がわからないくらい黒焦げになっていた。


「どうだ?なんか掴めた?」

「うーん。まだかな」

「私も魔法使ってみたいわ」

「イツキがいつかミランの装備にも筆魔法を付けてくれるよ」

「期待して待ってないとね」

ミランとメアは魔法について話していた。


オータルは俺の元へやってきた。

「シラユキとゴウキが居れば、遠距離でも戦えそうだな」

「そうだね。俺達は近距離と中距離ばっかりだから助かったよ」

「メアも練習すれば、遠い味方のフォローもできそうだしな」

「戦い方が増えそうだね」


天啓の導きの今後の戦い方が広がった気がした。


▽ ▽ ▽


今日も4人で夕食を食べていた。


「明後日出発か」

「そうだね」

「今回は馬車を使わないから、雨とか用の装備って必要だよね?」

俺はみんなに問いかけた。


「大丈夫だ。今回もばあさんにマジックバックを借りるし、冒険者ギルドで雨具とか使えそうなものは借りる予定だ」

「そうなんだ。よかったー」

「食事も大口喰らいに準備してもらってるし、簡単な調理器具も持ってく予定だ」

オータルはこういうところは意外としっかりしている。


「ダンジョンって初めてだから緊張する」

「そうね。狭かったら私のサーペントブレードも使えないし」

メアとミランは不安そうだ。


「ダンジョンって狭いの?」

「聞いた話だと洞窟だったり草原だったり雪山だったりするらしいよ」

やっぱりダンジョンは異世界っぽさが凄いようだ。


「ゲン爺に人数分の短剣を用意してもらっておくか?」

「そうだね。何かしら使えるだろうし、お願いできる?」

「任せろ!」

オータルはいつも通り食事を頬張りながら答えた。


「あー変化茶も多めに持って行かないと」

「ペタロドは人族もいるからいらないんじゃない?」

「今後も天啓の導きとして活動するためには獣人の姿の方がいいと思う」

「今日帰ったら、お母さんに在庫全部もらってくるね」

「うん。ありがと」


初のダンジョンに不安も残りつつ、自分達ができる範囲を明日中に終わらせることに決めた。




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