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27.レムチャ襲撃①

俺は目の前のモンスター達に筆剣を振るうが、クマのモンスターは身体が大きくてフォレストウルフのように一刀両断できない。


「くそ!体が硬い。それに攻撃力が高い」

その様子を見た兵士が叫んだ。

「フォースアームグリズリーは攻撃強いが動きが遅い。翻弄して倒せ」

「わかりました!」


俺はフォースアームグリズリーの攻撃を筆剣で弾く。

「うっ!重っ」

隙ができた瞬間に後ろに回り込み背中を斬りつける。

グワアアア!


ダメージは入ってるようだが致命傷にまでは到らない。

「なかなかしんどいな」


俺は膝裏を斬りつける。

グワアアア!

フォースアームグリズリーは膝をつく。

「これならいけるか?」


俺は膝をついたフォースアームグリズリーの首を切断した。

「よし。動きを封じればいける」


俺は収納の書に死体を入れ、次のモンスターの元へ向かった。


▽ ▽ ▽


討伐は順調に進んでいて、モンスターも残り十数体になった。


「みんなは大丈夫か?」

俺はモンスターの攻撃をいなしながら、みんなの様子を見た。


メア達は3人で戦っていた。

鈍化薬で動きが鈍くなったニードルグリズリーの背中の針をメアとミランが折り、

オータルがピンボールのようにモンスター達に突進を繰り返していた。


ゴウキはシラユキに乗って移動し、空を飛んでいるトリのモンスターに魔法を当てている。

地面に落ちてきたトリモンスター達は冒険者兵士達がとどめを刺していた。


「大丈夫そうだな」


グワロロロロロ!!

大きな雄たけびが聞こえてきた。


その雄たけびを聞いた兵士が叫んだ。

「またあいつだ!あいつが来たぞ」

雄たけびに怯んでいる冒険者もいる。


俺は兵士に問いかけた。

「今の雄たけびは?」

青ざめた顔の兵士は答えた。

「城壁を破壊した混合種のモンスターだ。城壁を壊したら帰っていったのに……なんで」


ズン!ズン!

地響きが鳴り響く。


兵士の一人が指を差して叫んだ。

「来たぞ!!!」


兵士が指差す方向には城壁と同じくらいの高さのモンスターが居た。

「まじかよ……」

そのモンスターは6本の腕のクマで、背中には大量の針が付いていた。

他にも2回りほど小さいモンスターが5体いた。


「あれが城壁を壊したモンスター?」

「ああ」

兵士は怯えていた。

俺も圧を感じた。


俺は素早く魔物図鑑にモンスターの絵を描いた。

「あのでかいのはスパイダーグリズリーキング。周りにいるのがスパイダーグリズリーか」


グワオオオオオ!

スパイダーグリズリーキングが叫んだ。

するとスパイダーグリズリー達が街に向かって走り出した。


「メア、オータル、ミラン!こっちを手伝ってくれ!」

俺は叫んだ。


「え!?」

「なんだよあれ……」

「大きすぎ……」

3人はスパイダーグリズリーキングを見て驚いていた。


「あいつが城壁を壊したらしい。俺があのでかいのと戦うから、その他のやつを頼む」

「「「わ、わかった」」」


俺達はスパイダーグリズリーキングに向かっていった。


▽ ▽ ▽


私はすぐにメアからもらった俊足薬を飲み、サーペントブレードを構えた。


目の前にいるモンスターは今まで戦ったどのモンスター大きい。

そして多分強い。

「まずはその危なっかしい針を折らせてもらうわね!」


私はサーペントブレードに魔力を込め、スパイダーグリズリーを攻撃した。

サーペントブレードの刃は分裂して針に向かっていった。

しかし当たる直前に針が身体の中に引っ込んでしまった。

「収納できるのね。ならそのままでいてほしいんだけど!」


私はそのままスパイダグリズリーを身体を何度も斬りつける。

「さっきのやつより硬いわね!」

何度も何度も斬りつけるが、全然ダメージが入っていないようだ。


スパイダーグリズリーはサーペントブレイドの刃を掴み、ものすごい勢いで引っ張った。

「え?」

私はスパイダーグリズリーの目の前まで引っ張られた。


スパイダーグリズリーは飛んでくる私に拳を当て、地面に叩きつけた。

地面に叩きつけられた衝撃で一瞬気絶しかけた。


「ぐっ!なかなか効くね。だけど私の爪も効くでしょ?」


スパイダーグリズリーの拳は裂けて血が出ていた。

私は殴られる瞬間、『岩爪』を拳にぶつけていた。


「だけど捨て身の攻撃しか効かないのは困ったわね」


私は立ち上がり、サーペントブレードを構えた。


▽ ▽ ▽


「オラ!オラ!オラ!オラ!さすがにあのカメの獣人よりは硬いな」

俺はスパイダーグリズリーを殴り続けていた。


「突進が全く効いてなかったのはさすがにへこむな」

開戦してすぐに突進してみたが、まったくビクともしなかった。

「メアの鈍化薬で動きが鈍くなっている間に倒さないとダメだな」

俺はひたすらスパイダーグリズリーを殴り続けていた。


グラアアアアア!

「ぐっ…」


別のスパイダーグリズリーが突っ込んできて、俺は吹き飛ばされた。

「まじか。2体同時に相手しないとダメなのか。まあミランとメアが相手するよりはいいか」


俺は周りを見渡した。

兵士と冒険者は残党で手一杯。

シラユキとゴウキは飛んでるモンスターを対処している。


そしてスパイダーグリズリーの数は5体。

「ってことはお前の相手も俺がしなくちゃいけないようだな」


グラアアアアア!

スパイダーグリズリーがもう1体目の前に現れた。


「まあこういう開けた場所だと複数相手の方やりやすいからいいんだけどな。跳突!」

俺はスパイダーグリズリー達に突っ込んでいった。


▽ ▽ ▽


私は目の前のスパイダーグリズリーに鈍化薬を投げ続け、俊足薬と隠密薬を飲んだ。

後ろに回り込んで、モーニングスターで攻撃するけど全然効いてない。


私はいったん距離をとった。

「ダメだ。私の攻撃じゃ倒せない」


倒す方法を色々考えたが、私1人じゃ絶対に無理だ。

「私にはこのモンスターが他に行かないようにすることしかできない」


自分の力の無さが悔しい。

だけど私にできることを全力でやるしかない。

私は鈍化薬を投げ続けた。


ジュシャ!


鈍化薬を当て続けていたスパイダーグリズリーの首がなぜか切断された。

「え?」

私は驚いてあたりを見渡すと、スパイダーグリズリーの死体の横に猫人族の男性が立っていた。



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