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ドッペル

ドッペル




 運命だったと思う。

名前が同じで、顔も、近くから見なければそれなりに似ている。


まったくの他人だけど、計画には必要な気がした。

道を歩くあいつを、きっと周りは私だと思うだろう。

そして、知らない誰かの写真に真面目に喜ぶのだ。

似ている誰か。

虚像でもなんでもいい。そんなものに踊らされているだなんて、面白いな。

わざわざもっともらしく目立ちたがったり、名前を出そうとしている時点で、それが偽物だってわかるはずなのに。


 誰一人、疑わなかったらそれはそれで笑えるじゃないか。

こんなもので騙せるだなんて、きみらはバカにされているんだよって教えてあげたいけれど、黙っておこっと。


 わざわざ名乗りたがる時点で変だし、自らさすがに、そんなにわかりやすいヘマなんてしない。周りをばかにしすぎなのが残念だけれど、私はニセモノを見守る。


「ふふっ」


 屋上から見下ろした地面には、のんきそうなダミーが歩いてる。

食べかけていたおにぎりをいっきに食べ終えて、お茶を飲んでから、私は小さく言った。


「頑張ってね、引き付け役」

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