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親友の思い

 21話、未冬視点です。


 皆さんはじめまして。

 私はあかつき未冬みふゆ。ちょっと人見知りの激しいだけの、ごく平凡な女子高生です。


「おーい、ふゆー?聞こえてるかー?おーい?」


 さて、こんな平凡な私は今、とても悩んでいることがあります。

 そう、それは1ヶ月後に迫った中間試験がマズイとかそんなことではありません。今朝冷蔵庫に入ってた食材が卵2個と中途半端に一袋だけ残ったお徳用ハムしか残ってなくて今夜の献立g──


「おいふゆ!」

「ぅぇ!?あ?ん?ユウヤ!?ど、どうしたのさ急に大きな声なんか出して…」

「いやいやいや、俺さっきからずっと話し掛けてたんだけど?嘘だろ?」


 えっと…あ、そうそう。私は今、この目で頭を抱えている朴念仁(ユウヤ)について悩んでいるのです。


「あはは…ごめんごめん」

「はぁ…ったくふゆはいつもいつも──はぁ…」


 見せつけるように2回も溜息をついたこの男子高校生(朴念仁)の名前は井口(いぐち)優陽(ゆうや)。私の幼馴染の1人にして、同じく幼馴染であり親友である真田美優(ミユちゃん)の想い人なのだ!

 …まぁ、当の本人はミユちゃんからの好意なんて全く気付いてない、腹立たしい程の鈍感男なのです。


「…で、どうしたの?何か言ってたんでしょ?」

「おま、マジで全部聞いてなかったのかよ…はぁ、えっとな?その、今日の放課後一緒に帰らないか?」

「え?なんでいきなり?いつも一緒に帰ってるじゃん」


 何故か視線をそらしながら、そんなことを言うユウヤ。

 そういえば、最近のユウヤはこんな感じで意味不明なことを言うことが多くなった気がする。頭でも打ったのかな…?


「いや、それはその…」

「?」

「なんでもない、忘れてくれ…」

「そう?」

「あぁ…」


 何処かはっきりしないユウヤを他所に、私はそのまま机に突っ伏す。

 ホームルームまでもうちょっとあったはずだし、ちょっと仮眠しよ…


 …そういえば、今日は卵の特売だったはずだし、あとでミユちゃんとユウヤに手伝ってもらお。



ーーー



「──と、言うわけで、今から皆さんにはこの封筒に入ったクジを引いてもらいます!」


 寝ぼけた目を擦っていると、何やらクラス全体がざわついてる…

 時間的にまだホームルームだし、何かあったのかな…?


 私がぼーっと椅子に座っていると、後ろから肩をたたかれた。


「未冬?大丈夫?」

「んー?ユミちゃん?」

「はいはい、あたしはユミじゃないですよーっと。…そんなことよりほら、席替えだよ。未冬も寝ぼけてないで並ばないと」


 私に声をかけた彼女こそ、私の唯一無二の親友にして幼馴染のミユちゃん。私とは幼稚園からの仲なのだ!…まぁ、最初の関わりは名前の響きが似てるって理由だった気がするけど。


 ミユちゃんに引きずられるようにして、私達はいつの間にかできた列の最後尾に並ぶ。

 既にクジを引いた人達は、黒板とクジを見比べると、喜んだり絶望したりしていた。


「うーん…あたしは2列目の一番うしろね。未冬は何処だった?」


 ミユちゃんの声に促されて、私もクジを確認する。

 35番35番っと…


「あ、私窓際のうしろから3番目だ」

「窓際かぁ…また離れちゃったね」

「だねー」


 ミユちゃんとそんな会話をかわして、先生の合図と共に私達は荷物を持って新しい席につく。


 この席あったかい…


 えっと、ミユちゃんはあそこの席で、ユウヤは何処の席に…


「暁さん暁さん」

「ぅ?」

「席、お隣だね?」


 不意に声がして振り返ると、隣の席からニッコリと笑みを浮かべるおっぱ─矢部雫(ヤベちゃん)がこっちを向いていた。


 どうやらヤベちゃんが私のお隣さんらしい。


「こちらこそ、よろしくおねがいします」

「あはは…なんで敬語なのさ」

「それは…なんとなく?」

「ふふっ…なにそれ」


 返しがおかしかったのか、口を抑えて笑うヤベちゃん。

 そういえばGW初日で連絡先を交換して以来、ヤベちゃんはちょくちょく連絡くれたっけ?悪い人…ではなさそうなんだけど。


 私は、そんな思考を誤魔化すように苦笑をすると、再び教室内へと視線を戻す。

 ユウヤユウヤっと…あ、いた!前に私が座ってた場所(廊下側一番前)じゃん!


「暁さん、何見てるの?」


 突然そう言って、ヤベちゃんは私の視線の先を見るように乗り出す。


「あっ、へー…?暁さんってそういう?」

「ぇ?な、なに…?」


 心なしか悔しそうなヤベちゃんのそんな声。

 振り返った彼女は、私の瞳をジッと見つめると、何か思いついたように口を開けた。


「ねぇ暁さん…」

「ん?」

「暁さんってさ…もしかして、井口君と付き合ってたりするの?」

「ぇ?」


 彼女の突然の台詞に、私は素っ頓狂な声を上げる。


 私とユウヤが付き合ってる?意味がわからない…


「何を言ってるの?私とユウヤが付き合ってるわけないじゃん。ただの幼馴染よ幼馴染!」

「ぇ、でも…」

「そもそもユウヤ、好きな人いるらしいしねー…どうしてそんな話になるのさ」

「あ、いやー…あはは…そっか、井口君と暁さん付き合ってないんだ…」

「もちろん!」


 私はミユちゃんを応援してるしね!と、心の中で付け足しておく。

 ユウヤと仲がいい自信はあるけど、生憎私は秋過(しゅうか)一筋だからね。そもそも私のタイプじゃないから、例えこの世界が滅んでもユウヤと付き合うなんてありえないし。

 



 このとき、そんなどうでもいいことに気を取られていた私は、「まだチャンスはある」と小さくガッツポーズをしたヤベちゃんに気付かなかったのです。

 ──そう、彼女がミユちゃんにとっての障害の一つとなりうるということに…

美優→優陽(幼馴染、好き)

美優→未冬(親友、恋敵)

美優→西条(友達)


優陽→未冬(幼馴染、好き)

優陽→美優(ただの幼馴染)

優陽→矢部(委員会の仲間)


未冬→秋過(実弟)

未冬→美優(親友)

未冬→優陽(ただの幼馴染)

未冬→矢部(話せるクラスメイト)

未冬→柳沢※(同じ委員会の人)


矢部→優陽(クラスメイト、好き)

矢部→未冬(友達?、恋敵)


西条→美優(友達)


※柳沢は11話で登場した未冬と話していた男子生徒

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