2年生の不安
ということで第2話です。
女性口調勉強中…
「未冬ー!もう行くよー!」
『あぁッ⁉︎待っててよユミちゃん‼︎』
「はぁ…あと1分だけね」
『ありがとー‼︎』
通常登校1日目。
あたしはいつものように未冬の家に行くとインターホンをならしていた。
インターホン越しの未冬の声はうわずっていて、今日のテンションが異様に高いことをあたしに伝えてきた。
「ユミちゃんおはよー…ってあれ?」
「毎回毎回懲りないね…呼びに来るたびに毎回やられてたら嫌でも回避の仕方覚えるっての」
「ムム…それは盲点だっt…痛ァ‼︎」
「さっさといくよ」
いつものように玄関を開けるなり抱きつこうと飛びかかってくる未冬をスルリとかわしたあたしは未冬の頭に軽くチョップしてやった。
「今日のユミちゃん、なんか怖い…」
「いつも通りだっての…てかあたしはユミじゃないから」
「あ、いつものミユちゃんに戻った」
「あんたねぇ…」
あたしはそこまで言いかけると、そこで言葉を止めた。
今日の未冬はいつもに増しておかしいと思う。長い間一緒にいるから断定できる。絶対何かあったな…深夜に。
あたしがそんなことを考えていると、開けっ放しの玄関からこっちを覗き込むように1人の男の子が顔を出していた。
「お姉ちゃん、お弁当どこに置いたの?夏去姉が探してるよ」
「えー?いつものとこに置いたと思うんだけど?」
「夏去姉ー!いつもの場所だって」
男の子は未冬とそんな会話をすると、そう叫びながら家の中へ戻っていった。
「あー!秋ちゃんに抱きつくの忘れてた‼︎」
「ちょっと!あたし達今から学校行くんだよ⁉︎そんなことしてる暇ないよ⁉︎」
「離してミユちゃん‼︎私の秋ちゃん成分が足りてないぃぃぃ」
「うるさいこのブラコン‼︎近所迷惑になるでしょ⁉︎」
「ぅ…」
全く未冬は…
男の子の名前は暁秋過。未冬の弟であたし達より5つ下の小6だ。けっこうシスコン。
家の中から聞こえた声の主、暁夏去は中3で最近見かけてない。声だけはよく聞くんだけどね。
あたしは未冬を引きずり出すように家の敷地内から出ると、小さく溜息をついた。
毎日のようにやってるやりとりだけど、いい加減やめてくれないかなぁ…朝から疲れる。
「よし、じゃあ学校に行こう‼︎」
「相変わらず切り替え早いね未冬…毎回この茶番に付き合わされるあたしの身にもなってよ…」
「あはは!ごめんごめん」
「それと、優陽呼びに行かないと」
「じゃあユウヤ拾って学校に行きますか‼︎」
「拾うって…言い方…」
未冬とあたしはそれからしばらく歩くと、家の前に立っていた優陽と合流して学校へと向かった。
2人は幼馴染だけど家が向かいとかそんなことはない。学校から遠い順にあたし、未冬、優陽といった感じで微妙に離れてる。まぁ歩いてすぐの距離だけど。
登校中、優陽がずっと未冬にデレデレしてたのは気のせいじゃないハズ…気のせいならよかったのに。
ーーー
学校についたあたし達は、担任の自己紹介が終わるといよいよそれぞれの自己紹介が回ってきた。
出席番号順のせいで優陽と未冬がすぐそばの席なのがなんかムカつく…
「はいじゃあまずは暁から」
「えっ?あ、はい…しゅ、出席番号1番、暁未冬です…よ、よろしくお願いします…」
あ、そうだった…未冬ってけっこう重度の人見知りだったっけ…
いつもの未冬らしくなくて一瞬誰だかわからなかったわ。仕方ないとはいえ忘れてたあたしも大概だけどさ。
未冬のそんな態度は何故かクラスの男子には受けたのかものすごい熱視線が未冬を襲っていた。今回ばかりは同情するよ未冬…
「はい次の人ー」
「あ、はい」
そんなやりづらい雰囲気を担任が察したのか、未冬に助け船を出すように次の人…優陽を呼んだ。
未冬は逃げるように席に戻ると、顔を隠すように突っ伏していた。
「えー…出席番号2番、井口優陽です。これから1年よろしくお願いします」
優陽の当たり障りのない挨拶。男女問わず視線を集めるその姿に、あたしはどうしようもない不安を感じた。
大丈夫だよね?これ以上恋敵増えないよね?未冬でさえ強敵のにこれ以上増えたら…
あたしはそこまで考えると、それ以上思考するのを放棄した。嫌な妄想しそうで怖かったし。
「はい次ー」
「18番、西条最萌です」
あたしが考え事をしているとあっという間に時間は過ぎていたみたいで、あたしが気付いた時にはもう前の席に座っていた女子が自己紹介を終えていた。
「次ー」
担任の気の抜けるような声。
あたしは前の人と入れ替わるように教卓前に立つと、ふと『ゆーやのむっつりすけべ』とでかでかと書かれたスケッチブックを見せる未冬の姿が目に入った。
何書いてんのよ未冬…
そんなニヤニヤしている未冬を見たあたしは緊張していたのも忘れると、吹き出しそうになる口元をどうにか抑えて前へと顔を向き直した。
「えっと…19番、真田美優です。よろしくお願いします」
未冬のおかげかすんなりと自己紹介を終えたあたしは次の人と入れ替わるようにその場を離れると、自分の席へと戻った。
なんであんなこと書いたのかあとで未冬に聞いてみよう…
あたしは楽しそうにしている優陽と未冬の姿を見て、湧き上がってくる黒い感情を紛らわすようにそう考えた。
上手に書けたかな?
所々おかしい箇所もあると思いますが、あれば教えていただけたら幸いです。