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男の想い(2)

 遅くなりました、18話です。


 今回も優陽視点です。

 5月のはじめ。

 世間一般的にはゴールデンウィークと呼ばれている今日、俺はふゆ達に誘われて市内にあるとあるショッピングモールへとやってきていた。


 まさかふゆから誘ってくるとは思わなかったが…「美優と3人で」って言ってるあたり、美優が根回ししてくれたんだろう。…ホント、美優が協力者でよかった。


 …にしても、市内で有名なデートスポットなだけあってここは人が多い。まぁ、人数に関しては連休なのが後押ししてるとも思うけど。

 賑わう周囲を見渡しながら、謎のオブジェの前に立った俺はそっと腕時計を見る。…そろそろ9時半、約束の30分前になりそうだ。


「…流石に45分前は早く来すぎたか?…いや、でも…もし遅れて待たせたりなんて…」


 いや…あいつらは俺の幼馴染だ。俺の行動パターンも知ってるはずだし、ちょっと待たせたりしても笑って済ませてくれるだろう。


 俺は、嫌な妄想を振り払うように首を振ると、オブジェに反射する自分を見ながら身だしなみを整える。

 大丈夫…だよな…?


「あれ?井口君、ここで何してるの…?」

「ぇ?」


 不意に後ろからかけられたそんな声。

 俺が素っ頓狂な声を上げながら振り返ると、そこにはでっかいおっぱ──じゃなかった、同じ学級委員の矢部さんが可愛らしいワンピース姿でこちらを覗き込んでいた。


「いや、俺はちょっと待ち合わせで…矢部さんこそ、なんでこんなところに?」

「わたしはその…ちょっとした買い物といいますか…」


 手を前で絡めながら、もじもじと身体を揺する矢部さん。

 去年から思っていたが、この胸部はそれ以上か…?ふゆも結構あるが…にしても、腕のせいで強調されたそれ(・・)は相変わらずかなりデカい…


「…っ」


 矢部さんのちょっとした息遣いを前に、俺はハッとなって、凝視していた視線をそっと逸らす。

 大丈夫、気付かれてない…よな…?

 …いや、この大きさだし男なら誰だって目がいっちゃうのは仕方ないはずだ。うん。


 閑話休題。

 さっきの吐息はともかく、普段あんなにしっかりしている矢部さんが妙に言い淀んでる…珍しい。


「…ま、無理に言わなくてもいいよ。別に知らなきゃいけないってわけじゃないしね」

「ぁ…はい、そう言ってくれると助かります…」


 俺の言葉選びは間違っていなかったのか、あからさまにホッとした様子の矢部さん。

 一瞬残念がってたようにも見えたけど、流れ的にもきっと俺の妄想だろう。


 …そういや、矢部さんとこうやって話すのは何気に初めてじゃないか?

 去年の文化祭のときから交流はあったとはいえ、プライベートのみで話したことはなかったはずだ。


「井口君?」

「えっ?ぁ、何…?」

「いやその…そんなに見つめられると、すこし恥ずかしいといいますか…」

「ご、ごめん」

「ぁ…」


 矢部さんに指摘され、再び目を逸らす。

 いや、今度は別に胸を見てたわけではないんだが…なんというか、言われるとたしかに恥ずかしいな…


 しばらく流れる、気まずい沈黙。

 付き合いたての初々しいカップルみたいな、そんな感じ。…いや、俺は誰とも付き合ったことなんてないんだけど。


「あの、井口君」

「ん…?」


 沈黙に耐えかねたのか、不意に口を開く矢部さん。

 俺が視線を戻すと、彼女は何処か困った様子でチラチラとこちらを見る。


 …もしかして、顔に何かついてたのか?…いや、さっき確認したときは特に変なものはなかったはずたんだが…


「もしかして、待ち合わせしてるのってあの2人です…?」

「ぇ?」


 そんなことを考えるのも束の間、確認するように言葉を続けた矢部さん。

 そんな彼女に促されるように視線を動かすと、そこには可愛らしい私服を身に纏ったふゆと美優が、唖然とした様子で立ち尽くしていた。

 いつからいないと錯覚していた?


 矢部雫の反応、実は優陽の妄想ではなかったり…

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