連休前の、朝
遅くなりました、17話です。
短いけどどうかご容赦を…
優陽に二つ返事してから早2週間。
特にデートをするでもなく、あたしも優陽も未冬も、何一つ進展することなく時間だけが過ぎていた。
あの日送った件のメッセージは、優陽のヘタレっぷりもあって実行までには至れていない。
…まぁ、確かにあたしが逆の立場だったら似たようなことすると思うけど。
「ユミちゃんおはよー!」
あたしの思考を遮るように、玄関口から勢いよく飛び出す未冬。
目の下に隈ができてるあたり、この娘は相変わらず徹夜をしていたっぽい。
「おはよう未冬。あと、何回も言うけどあたしはミユだからね」
「わかってるわかってるって!──それよりさ!今日のガチャの話なんだけど…」
未冬の何気ない話をスルーしながら、高校へと向かうあたし達。
優陽は今日、学級委員の仕事で早出らしいし、何気に未冬と2人での登校は久しぶりかもしれない…
「ミユちゃん?おーい」
「──えっ…あ、何!?」
「いや、なんかぼーっとしてたから…大丈夫?」
「あ、うん…大丈夫大丈夫」
あたしの顔を覗き込みながら、目の前で手を振る未冬。
まぁ、どうせ優陽もいないし、今ぐらい何も考えなくていっか…
巡らせていた思考を放棄して、鬱陶しい未冬の手をそっと退ける。
きっとなるようになるはずだよね…?
「それでね、ミユちゃん」
「うん」
「明日から始まるGWイベントで登場する新キャラがさ、私の好みに──」
「ちょっと待って」
「ん?」
「未冬今、ゴールデンウィークって言った…?」
「ぇ?だって明日からゴールデンウィークでしょ?」
何を言っているのとでも言いたげな表情で、足を止めて首を傾げる未冬。
確かに明日は祝日だと思ってたけど、そういえばもう4月も終わる…完全に失念してた…
しばらく流れた沈黙の時間。
無言のまま、しばらくあたしを見つめていた未冬は、何を思ったのか成程と言うように口角を上げると、あたしの両肩をガシッと掴んできた。
「み、未冬…?」
「大丈夫だよミユちゃん!この大型連休…この私がなんとしてでもミユちゃんとユウヤとのデートを実現させてあげるから!」
「あ、うん…でも──」
「大船に乗ったつもりで待っててよ!」
「あっ…」
あたしの言葉なんて聞く間もなく、言うだけ言ってその場を離れる未冬。
…昔から変わらないとはいえ、なんだろう…この嫌な胸騒ぎは…
あたしは、そんな不安を振り払うように首を振ると、先を走る未冬を追いかけるようにそっと地面を踏み込んだ。




