男の想い
15話、デス。
優陽視点デス。
「ただいま…」
ガチャリと玄関の鍵を開け、誰もいない自分の家へと足を踏み入れる。
玄関に靴を脱ぎ捨て、鞄を放り出してリビングのソファーへとダイブした俺は、クッションへと顔を埋める。
「我ながら、酷い顔をしてそうだな…」
高校2年生の俺──井口優陽は今、今年史上最高にニヤけている。
理由は単純で、幼馴染であり俺の想いびとでもある暁未冬に対する恋路を、同じく幼馴染である真田美優が協力すると言ってくれたからだ。
鈍感なふゆを相手に、この事実は俺の精神的期待値を上げるのには十分すぎる。
きっと美優が今のこの顔を見たら、気持ち悪いと即答するに違いないが…まぁ、ふゆとの様々なシチュエーションを想像したせいで、上がった口角は意識しても戻らない。
「いやぁ〜…やってみて正解だったわぁ〜…」
変なテンションのまま、クッションを抱えて一人呟く。
誰かに見られたら確実に変なやつ扱いされそうだが、どうせこの家には今、俺しかいないからな。
何処か浮ついた気分のまま、鞄に入れてあった1冊の単行本を取り出す。
『俺と幼馴染』…
最近話題になりつつあるラノベで、男主人公と2人の幼馴染の恋愛模様によって展開される、いわゆる幼馴染モノのラブコメ。
元々は未冬の部屋に置いてあったから共通の話題を、と思って買っただけなんだよな…
意外にも面白くて、今ではとっくに一ファンなんだけど。
まぁ、そんな話、今はどうでもいいんだ。うん。
幼馴染との、恋愛。
俺が今、こんな気分になっているのはこの本の影響かもしれない。
ぼんやりと浮ついた頭で考えながら、そっと本を床に置く。
「美優が協力してくれるのは、嬉しい誤算だったかな…」
先程までの帰路を思い出しながら、現実を噛みしめるようにそう呟く。
本の台詞を引用したおかげで、なんとか言えたようなものだったし。
俺がそんなことを考えていると、不意にポケットに入ったスマホが振動する。
「ん…美優からか…」
これから、ふゆと仲の良い美優がサポートしてくれるというのは、正直とても心強い。
スマホに表示された、『これからどうする?』という美優のメッセージを前に、俺は再び口角を釣り上げた。
男視点ってこんな書きづらかったっけ…
読みづらかったらごめんなさい…




