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あるタクシー会社の日常  作者: そよ風 馨
10/20

空しい気持ちになる時

 この会社では、世界的に広がっている伝染性の病気に対して、休業するのかと思っていたが、

全然その気配がない。

 所長は、乗務員に言う。「うちは、休みません。よそが休んだら、出勤すると、うちのタクシーに乗る人が増えるから、少しでも儲かるでしょう。」

 私はそれを聞いて、うすら寒いものを感じたのだが・・・

 もちろん、タクシーの乗務員は年齢が高い人が多いので、自主的に休む人が半数以上になっている。

 昼間ならまだ夜よりはお客様が多いとのことで、夜担当の乗務員が、昼の2時や3時に出勤している。

 休む人は、まず自分の有給休暇を使っているが、有給休暇を使い切ると、収入は無くなる。

 完全競争社会というと聞こえはいいが、働かなければ収入が無いということだ。

 しかも、その収入だって固定給ではないのだから難しい。


 例えば、事故で休んだら、労災か保険対応かだが、どちらもそんなに長くは支払ってくれない。

 支払われなくなったら、収入はゼロになる。

 年金が確実に支払われる高齢者ならともかく、それでなければ、副業必須なのではないだろうか。

 もっとも、どちらが副業かは疑問だ。


 会社は、高齢者が事故を起こさずに勤務している間は黙っているが、事故を起こすと退職を勧める。

 また、最低賃金を割って会社から補填してもらっていると、ころあいを見計らって、会社から

退職か嘱託者になるかの選択を迫られる。

  運転免許証の点数が無くなると、タクシー乗務員の仕事は終了する。

 運転免許証あっての仕事だからだ。

 私にとっては、まるで運転ゲームを見ているような、なんともいえない空しい気持ちになる。


 もちろん、退職は自主退職であって、会社が退職勧奨をしたことは認めようとしない。

 会社に迷惑をかけるような行為をした者でも同様なのだ。自主退職にして、解雇には絶対にしない。

 退職勧奨できる立場の者~社長、常務取締役、所長~にとっては、会社都合退職者を出したことがない

というのが、自慢なのだ。

 しかし、実際には、会社都合でたくさんの乗務員や事務担当者が退職させられている。

 タクシー会社の内側がどこもが同じであるはずがないので、これは、好ましくない会社の例の一つだ。


 タクシー会社に就職することを考える皆さんは、よく考えて、良い会社を選んでください。

 



 

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