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私が好きなのは妹の彼氏でロリコンのアイツ!  作者: 月宮流夏
春と暑さが暴れた一学期
10/21

10話 稲垣拓斗の生徒会相談

残念な男1号と2号が活躍します。そして最後には……

「はい。先輩ならこの大学も進学できると思います」


「う〜ん…告白の仕方ねぇ…俺は()()()()方だからなぁ」


「成績が伸びない? さっさと勉強しろ」


「ある人にサンドバックにされる…? 俺の友達にもそうゆう奴いるけど…なに? サンドバックにされるの流行りなの?」


 黙々と質問に答える拓斗。


 日時は、莉音が非合法的なやり口で『生徒会相談』をサボった次の日。生徒会室だ。


 拓斗は相談者に真摯に寄り添いながら相談を受けている。


 ガチの相談をし、泣き出す者もいる。それを見て「うわぁ…」と少なからず思うのだが、決して表情には出さない。

 そして優しくハンカチを差し出してしまう。そして次の日にはその子は拓斗信者に。拓斗にとっては善意なのに負の連鎖が起こる。


 相談に来る生徒の半分は女子生徒だ。そして、大半ではなく、全員が目をハートにして相談を受ける。勿論拓斗にメロメロでだ。


「あの…どうしました?」


「いや、大丈夫です! ちょっと見とれてただけだから!」


「あの…大丈夫ですか?」


「ハァー! 私心配されてるぅ!」


 とたまにヤバい奴もいる。拓斗が心配すると、身を捩りながら興奮するという末期症状を見せびらかしている。


「(流石に引くぞ…)」


 笑顔を保ちつつ、内心で毒を吐く拓斗。そりゃあそうなるだろう。


「あい。時間でぇ〜す」


 今日、本来は莉音の役目である仕事を代わりに楓が行っている。

 莉音は完全にサボりだ。困っていたところ、楓に相談したら快く引き受けてくれた。「対応役じゃないならなんでもござれ」と。


「すいません〜! 五分間休憩です! 待ってください」


「「「ハーイ!」」」


「(…拓斗信者)」


 廊下にビシッと一列に並んだ女子達を見ながら楓はそう思う。そしてソファーで一息ついている拓人に話しかける。


「何あの教徒…人達。怖ぇんやが」


「おい。初めなんて言った?」


「…なんも言ってないっすよ〜」


 思わず本心が出て、必死に隠す楓。バカなので拓斗には筒抜けだが、拓斗の優しさから許してくれる。


「…俺にもなんでこんなに女子が来るか分かんないよ。風紀委員として仕事を果たせてないな」


「……ホントだよ! 何やってんだよ! テンプレの『風紀委員が風紀乱してる』とかいらんわ! まだ女ながらわかるけど! お前男だろ!」


 拓斗のモテ発言に、青春ラブコメのテンプレ嫌いな楓が激昴する。


「何言ってんだ…じゃあ女だったらいいのかよ。性転換するか?」


「いや、女でもダメだよ。何言ってんだ」


「お前が何言ってんだ!」


 結局「風紀委員が風紀乱すな」とだけ言って楓は廊下に戻る。


 なんだかんだ文句言いながらしっかり仕事はやってくれる楓。ドアを閉める前の余計な「いいな…羨ましいな…」という一言がなかったらただの優しいやつなのだが、そこは残念男。バカキャラのテンプレを突き抜ける。


「はぁ…アイツもバカだよなぁ」


 拓斗は誰も居ない部屋で楓への気持ちをボソッと呟く。


「? なんか言ったか?」


「?! い、言ってない! …今の聞こえんの?」


「うん。俺耳だけは良いんだよね」


「…やっぱ残念男だよお前は」


 「そこは俺がボソッと呟くシーンだろ」と思う拓斗。

 頭に『?』が浮かんでいる楓は流石と言ったところだ。


―――――――――――――――――――――――


「次でラストな」


「おっけー」


 楓から連絡が来る。

 休憩から約一時間。一人十分なので単純計算で六人以上は応対している。これまでのを考えると二十人以上は居るので、一高校生にしては相当だ。


 約三時間弱続いた相談も次でラスト。最後の最後に気を抜かないように、気を引き締める。


 すると、ドアが開いた。だが、そこから顔を出したのは相談者ではなく、楓だった。


「? どうした?」


「いやっ……ホントにやるんですか? 分かりました…」


 とドアの後ろで誰かと話している。その光景が拓斗にはいまいち理解出来ない。


「楓? どうした?」


「いやっ。危ない先輩がァァァ?! ちょ押さないで! ドアが壊れる! いやっ! 備品を壊してでもココを守るのが俺の役ぐがっ!」


 異変を感じとった拓斗が楓に駆け寄る。すると、楓は謎な言葉を言いながら誰かを通さないようにしていた。


 拓斗がドアの近くに寄ると、ちょうどそのタイミングで楓が拓斗に飛んできた。


「?! ……痛てぇ…何が」


「ふ〜ん…まあまあイケメンだねぇ…」


『?!』


 吹き飛ばされ、楓と床にサンドイッチ状態になっている拓斗の耳に聞き覚えの無い女の人の声がする。


 視線だけで声の主を探すと、その女性は自ら、拓斗の視界に入り込んできた。


「さあ! 君はどんなSMプレイが好き?!」


「…は?」


「やっちまった…」


 その女性から出た意味不明な言葉に、拓斗は困惑し、楓は後悔している。「なんでだよぉ! 最後なのにぃ!」と楓が内心叫んでいるのは誰にも伝わらない。

次回はもっとヤバくなる予定です。

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