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むす☆こん!〜お母さん勇者は養子のエルフが愛しくていろいろヤバい④

 ルカ君と旅行の約束をした、翌日。


「じゃあ行ってくるね。ツアラも頑張ってね」


「うむ。天使とのカフェデート、せいぜい楽しむんじゃの」


「デ、デート……」


 ツアラと竜樹は一人と一匹でいつものように戦闘訓練、私は天使ちゃんと二人で街のカフェに行くために、私たちは別行動をすることになった。



◇◇◇◇



 どよっ。


「えへへ♪」


「……天使ちゃん」


「はい、なんでしょう」


 私の言葉に、天使ちゃんは幸せオーラ全開のまま反応する。


「周りの目、気にならない?」


「……周りの目ですか?はて、何のことでしょう?」


「(天使ちゃん、とぼけてるのかな?)」


 今、私たちは教会から伸びる旧市街の大通りを歩いているのだけれど、例によって住民の注目を集めている。でも今日は、ひときわ目立ってしまっている。


 理由は簡単、天使ちゃんが私の腕にしがみついて、頭を私の肩にもたれかけさせながら歩いているのだ。加えて天使ちゃんの幸せそうなえへえへ顔。傍目から見れば、というか実際そうなのだけれど、私たちは恋人同士にしか見えないだろう。


 周囲の視線に敏感な天使ちゃんが、かつては街の人たちの好奇の視線に耐え切れず、恥ずかしがって私の後ろに隠れてしまうことが多々あったあの天使ちゃんが、そのことに気づかないはずがない。


 天使ちゃんのあまりの変わりように、ふと、昨日の言葉を思い出す。


『ユーノさん、モテるんですから気を付けてくださいね。いらぬ誤解を招くことは、しないでくださいね!』


 ……もしかして、これ以上「いらぬ誤解」が起きないよう、街の人たちにしっかりアピールするために、わざとしているのでは……


 もしそうなら、天使ちゃんの作戦は成功したと言っていいだろう。


「やっぱり、賢者様の百合は営業なんかじゃなかったのね」

「それにしても、大方の予想通り、本命は黒髪の女の子でしたか」

「傷心の金髪の子、今ならチャンスかな!」

「やめときなって。賢者様を忘れさせてあげることなんて、私たちにはとても……」


 なんて声が聞こえてくる。


「(ツアラにまで被害が……知らない間に傷心させちゃったし……)」

「えへへ」


 天使ちゃんとの関係が始まってから、ツアラには本当に苦労をかけてしまっている。なんてお詫びしたらいいかな……


 それにしても、天使ちゃんの満足そうな表情。「計算通り」って、顔に書いてある気がするんだけど。天使ちゃん、街中でこんな大胆な事までするなんて。これも成長って言っていいんだろうか……


 そんな状況に耐えながら街のカフェに向かっていると、前に見知った人影が。


「ユ、ユーノちゃん!?もしかして……もしかするの!?」


 アリーナに見つかってしまった。



◇◇◇◇



「そういうわけで、ハンバーガーの一件の後、天使ちゃんとそんな関係になっちゃった」


「!!!」


 偶然出会ったアリーナと一緒に、目的のカフェで一息。アリーナから、どっちから歩み寄ったのか、きっかけは何か、最初に意識した瞬間はいつか、どこが好きなのか、二人でどこまでしたのか、とか、根掘り葉掘りの質問攻めに合ってそろそろ恥ずかしくなってきた私は、いても立ってもいられず話題を変えることにした。


「そういえば再来週、エリアさん達とエルフの里のお祭りに行くんだ、一泊二日、みんな一緒で」


 私の言葉にアリーナは目を見開いて、ばんっと机を叩いて、身を乗り出してくる。


「ユーノちゃん、それって……!!」


 あれ、おかしいな。普通の旅行の話題を振ったはずなのに、アリーナったらまだ「乙女モード」の顔をしている。げふんげふんと、わざとらしく咳をして、ちょっと落ち着いたらしいアリーナは続ける。


「何を……」


「うん?」


「何を着ていくつもりなの?」


 服の話?


「何って、いつも通りだけど」


 普段、私達は動きやすいゆったりしたブラウスとスカートの上に、私は黒いローブ、天使ちゃんは白いローブ。魔法戦士のツアラは、クエストの報酬で手に入れた、絹より軽く鋼鉄よりも強固なナレティヴィウム魔鉱の剣と防具を着用している。戦乙女として剣は手放さないだろうけど、冒険に出るわけじゃないからツアラの防具はいらないとして、いつもこの格好で行くつもりなのだけれど。


「ユーノちゃん……」


 はぁっ、とため息をついて、アリーナは言った。


「わかってるの?!これは、お泊りデートなのよ!?」


 お、お泊りデート?


「お、お泊りデート!」


 天使ちゃん、何か物凄い衝撃を受けたようだった。そしてアリーナは興奮した様子でさらにまくし立てる。


「わかってるの?初めての、お泊りデート!前々から思ってたの!ユーノちゃん、ちょっとファッションに疎いところがあって、でもそれもユーノちゃんの魅力なんだけど、それでもやっぱり、初めてのお泊りデート、かわいいいいい服を、着ていくべきじゃないかしら!天使ちゃんだって、ユーノちゃんのかわいい姿、見たいわよね!?」


 んふー、と鼻息を荒くして、私の親友は天使ちゃんに迫る。


「た、確かに!!盲点でした!!」


 天使ちゃん、アリーナからいらない何かを学んでしまいそう。


「いや、デートっていうより団体の家族旅行、しかもペット有りなんだけど……」

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