表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/26

その5

その5




『フラッコね。からすの!』


お前の名前はなんだ?


『え?』


名前を教えられたら、名前を名乗るのが鳥のしきたりだ。


フラッコはバカなキカイが名前を教えてくれるのを待ちましたが……キカイはなかなか教えてくれません。


もしかして、とフラッコは気づきます。


お前は、自分の名前も分からないのか?


『な、なまえぐらい、わかるし!?……わ、わたしは、『じどうはんばいき』!!えーのろくのびーじゅうろくのさん!!』


なんだか長くてめんどうです。


エーコでいいか?


『なに、それ?』


あだ名だよ。えーのなんたらだから、エーコ。お前の名前は長くて、めんどうだし。あと、名前っぽくないからな。


だから、お前はエーコだ。それでいいか?


エーコは、ピカピカと電球を光らせていますね。きっと、よろこんでいるんですよ。


来るはずもない人間のお客さんを待ちつづけて、二十年以上です。虫よりかしこい相手と話せて、うれしいんでしょう。


『うん!わたし、エーコよ!!』


なんだか、とても喜んでもらえていますね。フラッコは、すこしとくいげになります。


エーコのあしもとにピョンと飛び降りると、ニヤリと笑顔を見せましたよ。


『なんで、わらってるの?』


さあな?エーコが楽しそうだからだろう。


『そうなの?わたしがたのしそうだと、フラッコはたのしいの??』


ああ、そうだな。


だって、友だちだからな!


エーコは初めての友だちに喜んでいるようでした。


『いつも、おきゃくさまばかりだったから、おともだちは、はじめてだわ!』


そうかい。えいがかんってのは、ともだちが少ないのか。


『そうじゃないわよ。みんなで、たのしいえいがをみるところよ!』


どんなもんなんだろう。見てみたくないか?


『そういわれると、みたいわね。あそこのなかで、やっていたのだけれど。みたことないのよ』


じゃあ、ちょっとえいがってのを、見つけて連れてきてやるよ!


フラッコはカラスの足でピョンピョンあるいて、その大きなドアの前にやってきます。


くちばしを使って、そのドアをゆっくりと開いていきましたよ!


そこには、たくさんのイスがならんでいるじゃないですか。なんだか、不思議な場所でした。


フラッコは羽ばたいて、『えいがかん』のなかを飛んでみます。何ありません。どこに、エイガはあるのでしょうか?




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ