その15
その15
フラッコと映画ネズミたちは、エーコのところに戻ります。
エーコは、映画ネズミたちを見つけると、ビビビビビ!とうるさい音で叫んだんですよ。
おい、うるさいぞ、エーコ?
『ね、ね、ね、ねずみだわ!?ふえいせいよ、ちょこれーとが、だめになっちゃう!』
大丈夫だよ。少しぐらいなら痛んだほうが、おいしいもんだぜ?
『ひとのこどもたちは、たべられないのよ。それじゃあ、えいがにきても、おかしをたべさせてあげられないわ』
『えいがかんなのに。おかしもないなんて、さみしいわよ!』
フラッコはえいがかんのことを、よく分かりません。ですが、楽しい場所で、チョコレートを食べられることの幸せは理解できます。
それって、サイコーのことですもんね!
だから、エーコの言葉には反論できなくなります。
映画ネズミは、エーコに近づくと、ペコリと頭をさげました。
……エーコさん、たしかに、その通りです。映画館なのに、チョコレートが食べられないなんて、それでは、子供たちがガッカリしてしまいますよね。
『そ、そうよ。だから、だめよ』
はい。私たちも、どこか、他をあたります。すみませんでした。先祖が、あなたのチョコレートを盗もうとしたことも、あやまらせてください。
すみませんでした。
エーコは映画ネズミたちを見ていると、居心地が悪いようです。デキの悪いえーあいは、難しいことを考えるのは苦手です。
でも、わかっています。映画ネズミたちとな、仲良くしてはダメだと、えーあいには書いてあることぐらい。




