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その10

大昔に、失われたら、もう見れないのかよ。

フラッコのくちばしからもれた言葉に、映画ネズミたちは、だまりこくってしまうだけです。

それが、なんだか、フラッコにはゆるせないのです！

だって。

それはそうでしょう。フラッコだって、探しているのですから！世界が滅びる前にしかなかった、青い空。

それを探して、ずっと旅しているのですから！！

みとめられるわけがありません！！

昔になくなったからって、あきらめるな！！オレだって、青い空を見たくて、探して、ずーっと、旅をしているんだぞ！！

見たことないから？ずっと昔に、消えちまったから！？

そんなことぐらいで、あきらめるなよ！！

フラッコの叫びが、終わってしまった歌のように、暗い闇のなかで消えていきました。映画ネズミは、首をよこにふりました。

……でも、見たことも、ないのです。私たちは、ここを探しつくしましたが、映画は、もうありません……。

でも。

フラッコは、映画ネズミたちをにらみながら、くちばしをゆらすのです。

でも、お前たちは、教えてもらっているじゃないか。えいがのことを。

そ、そうですが……。

ないのなら、この世にないのなら、お前たちで作ればいいじゃないか！！