表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/26

その1

カラスのフラッコ  『じどうはんばいき』のエーコと映画ネズミ!




今日も滅びた世界は、灰色で。


とても静かなものですが。


カラスのフラッコはあわただしく、黒いつばさを羽ばたかせています!


死の灰が降る、永遠の冬の世界でも、この子はいつでも元気なんですよ!


だって。


カラスは、滅びた世界の空の王さまなんですから!


今日も、見てみたい青い空を探して、北の空を飛んでいるんです!




その1




ある朝、フラッコは大きな音で目を覚まします。


どんがらどんがら!


ああ、また灰色の空があばれていますね。


世界が滅びてからというもの、いつもいつも空はおこっているのです。


このあとはどしゃぶりになるぞ。賢いフラッコは、そう考えました。


はやく、どこか大きな穴にもぐるべきですね。


雨に打たれてしまうと、じまんの黒い風切り羽根が、ぬれてしまいますもの。


フラッコはまだちいさな男の子のカラスなので、あんまりお風呂が好きじゃありません!


折れて曲がった鉄塔から飛び立って、『ぼうくうごう』を探します。


フラッコのするどくて、ぬけめのないカラスの目が、その『ぼうくうごう』をみつけましたよ!


それは、カラスをいじめていた人間たちが、自分たち同士で大きなケンカをするときに、みんなで隠れる巣穴です。


でも、今では人間なんて、あまりいませんから、フラッコはかってに自分の巣穴にしてしまえるのでした。


これで、雨に打たれることはないぞ。


フラッコは、ニヤリと笑います。ひとしごとを終えたカラスは、カッコよく笑うものだからです。


さて。


フラッコは男の子。朝起きたばかりで、また眠るなんてこと、とてもじゃないけどできません!



フラッコはその『ぼうくうごう』を探検してみることにしました。


美味しい死体は見つからないでしょうけれども、なんだかユカイな人間たちのオモチャでもないかなあ、とワクワクしてのことです。



冒険心に導かれて、フラッコはその黒いあしで、ピョンピョコピョンとスキップしながら、大きな穴のおくへと進みました。


『しんにゅうしゃ、はっけん!たちいりがきんしされたくいきです!ただちにガガガピー』


あはは!とフラッコは笑います。こわれかけたキカイが、なんだかフラッコにケンカを売っていたようですが。


強いカラスのくちばしで、こなごなにしてやることも必要ではありませんでした!


敵はもう、最初っから、こわれているようですからね。


フラッコはスキップしながら、『ぼうくうごう』のおくに進みました。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ