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66話 違うんです!誤解なんです!!

ご意見・ご感想をお待ちしています。

 

「………………」


「パパ、パパ?どうしたの?」


「………………」


「ね、ねえ、ねえパパ?ど、どうしたの?なんだか、タケシみたいな顔になってるけど?」


「………………」


「ねえ、ねえ?………………パパ?」


「………………び………」


「へっ?へっ?何だって?」


「な………………び………」


「な……び?パパ、パパ……聞こえないよぅ?もっと、ハッキリ………」


「……な、な、な、な、生首どぅわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「えっ?!ちょ………パパ、パパ!!あの………ちょっと………」


「く、く、首だぁぁ!?首があるぅぅ!!き、金髪の外人さんの首だぁぁぁ!!な、なんだ!殺人か!?猟奇殺人か!!だ、だれか警察を………いや、探偵………駄目だ!FBIを呼んできてくれぇぇぇぇ!!!」


「パパ!パパ!ちょっと落ち着いて!!」


「あらあら?どうしたの大声を出して?台所まで響いてるわよ?」


「マ、ママ!ママ!パパが………パパが狂ちゅったよぉぉぉ………」


「あらあら?大変ね?タケシ………お父さんを触手で縛ちゃいなさい」


「えっ?」


「ワガッダ………ゾレェ」


「は、早く捜査を呼んで、警察をしなければ!!あぁ………し、しかし確か現場は荒らさないようにするのが………って触手がぁ!ちょ………止め……アッーーーー……」


「パパァァ?!?」



 ◇◇◇◇◇



「ーーーと言う訳で、これは人形……正確にはゴーレムっていう僕が作った擬似生命体の一種なんだよ?だから人間の生首なんかじゃないんだ」


「あ……うん……分かった。つまりは人間そっくりなロボット……アンドロイド?みたいなものか………理解したよ。うん」


  リリちゃんの持ってきた袋の中のものを見て人間の生首と勘違いし、恥ずかしながら錯乱してしまった私であるが、タケシによる触手束縛と、リリちゃんによる指導により何とか平常心に戻ることができた………。


  タケシ……容赦無かったな………。それを指示した妻も………。今は二人?で買い物に『ニコ超!!』に行ったが………。


  夫を触手でM字開脚に拘束した後、なに食わぬ顔をして買い物に行くとは………我が妻ながら恐ろしい………。


  しかし……まだ、正直混乱しているよ?だって、どう見ても目の前の人形の首……それが本物の人間のものにしか見えない程に生々しいんだもの?肌とか髪とか……多分、毛穴まで再現してるんじゃないか?目を凝らして見ても金髪の美女の生首にしか見えないぞ?


  ただ、耳が金属っぽい針みたいになっているのと、切断……といより千切れた首元から、肉や骨ではなく、金属の骨格や配線?らしきものが出ていて、それが作り物であることを物語っているが………。


  これが本当に作り物で動くのだとすれば、とんでもない技術力だぞ?技術大国である筈の日本の作ったロボットなんかとは比べものにならないぞ?


「あんどろいど………?まぁ、まぁ、それは良く分からないけど、理解はしてくれたようならいいよ」


  いや……理解はしたが、受け止めきれてはいないんだよ………本当。


  と、いうより………。


「それで……もしかしてというか、何というか……。その……ゴーレム?を……直すのを手伝って欲しいということかい?」


  というより、このゴーレムだかを私の前に持ってきた時点で、最早確実にそうなんだろうが、一応は確認しておこう………。


「うん、うん。そうだよ!」


  良い笑顔でそう言うリリちゃん。


  やっぱりそうか……。そうなのか………。


  これを直すのか………。









  いや!無理だろ?!


  どう考えても無理だろ!?私のちょっとした工作的技術力でどうにかなるような代物ではないだろう!!なんだゴーレムって!?そんな未知のものを一体どうしろというんだ?!


  そんなファンタジー世界で門番をしてそうな奴を直せる筈がないだろ!!


  ここは仕方ないが……丁重に断った方がいいな………。下手に手を出したら余計に壊しそうだからな………。


「いや……あの、リリちゃん?これを直すっていうけど……。ちょっとこれは私の手には負えないというか………」


「えっ?えっ?無理かい、パパ?」


  そんなウルウルした目で見ないでくれ……。


  手伝えないのは申し訳ないが、これは本当に私の工作でどうにもできないからな。


「あぁ……ごめんよ……。とてもじゃないが私に、このゴーレムってやつの修理はできそうにないな………余りにも複雑というか、未知というか………」


「うーん、うーん……そうかい?手伝ってもらえればよかったんだけど……。それじゃあ仕方がないよね………」


  何とか納得してくれたか………。手伝えるみたいな事を言っておいて、無理でしたというのは申し訳なかったが、まぁ、今回は仕方がないだろう………。


  こんなもの業者………いや、業者でも無理だな………。異世界のテクノロジーなんて、どうしようもないだろう?


「じゃあ、じゃあ、ここで直してもいい?パパに教えながら直すから!そうすれば、次に壊れた時に手伝えるでしょう?」


  おぅ……リリちゃん……。諦めていなかったか………。一緒に直したいという気持ちは嬉しいが、見ただけで覚えられる程の頭はないんだが………。


  ま、まぁ……教えてくれるなら断る理由もないし、別にいいだろう。


「あぁ、別に構わないよ。ただ、夕飯前には片付けられるようにしてくれよ?」


「うん、うん。分かった!それじゃあ直ぐにやっちゃうね!パパはそこで見ててね?」


  そう言ってリリちゃんは、黒い袋の中から胴体やら千切れた手足を出して並べはじめた。


  うーむ……。しかし、こうやって見ると見事にバラバラだな………。


  生首……いや、頭パーツ?からして、元は人間大の女性型のものだったんだろうが、あちらこちらがバラバラに分解してしまっている。胴体部には軍服?のようなものを着ているが、その服の上からでも分かる程にへこんでいたりしている。


  まるでトラックにでも轢かれたような有り様だ。一体どうしたらこうなるんだ?

 

「リリちゃん………これは大分酷い状態だね。どうしたらこんな状態になるんだい?といより、このゴーレム?は何に使っていたんだい?」


「うんうん?この娘かい?この娘はエル=ムーといって、僕の右腕的役割をしてくれてたゴーレムなんだ。主に戦闘や警護、情報収集やなんかをしてくれる便利な娘なのさ!ただ、ある戦闘で想定以上のダメージを負っちゃってこんな状態になっちゃたのさ」


  更にいつの間にか持ってきていた工具箱らしきものから道具やなんかを出しながら、リリちゃんは苦笑する。


「はぁ……見た所……首元から見えてる金属の骨格からして頑丈そうなんだが、そんなゴーレムをこんなにグチャグチャのバラバラにしてしまうなんて……。一体どんな奴と戦えばこうなるんだい?よっぽど乱暴かつ狂暴な奴だろ?ゴリラか何かかい?」


「麗香お姉ちゃん」


「良く見たら壊し方も綺麗だな。きっと華麗な技で壊したに違いない」


「パパ、パパ…一気に意見を変えたね……気持ちは分かるけど………」


「ハハハ………」


  まさか、自分の娘がゴーレムをぶっ壊した張本人とはな………。あの娘は一体何をやっているんだ………。


「いや……まぁ……リリちゃん……何と言うか………すまんね………」


「別に別に気にしないで。元々、僕がけしかけたんだから。その……魔王様に内緒でここに来た時に、足止めとして………ね」


「あぁ……そういう………」


  あの時か、魔王君の話ではリリちゃんがこっちに来た時、私達を心配する麗香の様子は鬼気迫るものがあり、凄まじく荒れに荒れて壁や床に当たり散らしていたらしいからな………。


  そんな時に足止め用の者がいれば………そいつがどうなるかは想像もつくだろう。


  まぁ、親としては、娘がそこまで心配してくれるのは嬉しいがね。


  やり過ぎだが………。


「まぁ、まぁ、それでバラバラになっちゃってね………。それで直そうとは思ってたんだけど、ここ暫くは色々と忙しくてね」


  色々と?あぁ、あれか。


「あぁ、魔王君の事とか………後、小学校だろう?」


「うん、うん」


  そう、彼女は先週からやっと小学校に通い始めたのだ。最初はリリちゃんを……魔族の娘を人間の小学校に行かせるのに不安はあったが、特に学校からは連絡はないので問題は無いのだろう。


「ところで……学校はどうだい?もう慣れたのかい?」


  エル=ムー?だったかの首の中を、ハンダのようなものでパチパチと弄っているリリちゃんに、学校の近況を聞いてみる。


  もう友達とか、できたのだろうか?


「うんうん?学校かい?大丈夫だよ。都合の悪いことは洗脳魔法で記憶の改竄をしているから」


「よし。明日から学校で魔法禁止だ」


  とんでもない事をしていた。


  なんだ洗脳魔法って?あれか?魔王君が持ってきていた光る棒。あれと同じ様なものか?


  あれで都合悪い記憶を改竄していたって何をしていたんだ?!聞くのが非常に怖いぞ!!


「えー!えー!魔法禁止?」


  拗ねたような口振りで反論しつつも、手元では無駄の無い動きで、しっかりと修理を続けるリリちゃん。


  この娘職人だわ。


「あぁ。魔法が便利だし、向こうの世界では普通だろうが、こちらの世界では普通ではないし、どんな影響があるか分からないから余程で無い限り使用は控えてくれ」


  そう、ホイホイ魔法を使われて記憶改竄なんかされたら堪ったものじゃないからな。


「うーん、うーん………パパがそう言うなら分かったよ。今後、魔法は控えるよ」


「よし。おりこうだ」


  そう言ってわしわしとリリちゃんの頭を撫でてやると、リリちゃんは気持ちよさそうな顔をしてくれる。うんうん、可愛いものだ。

 

  実際は年上だが。


「それじゃあ、それじゃあ、やたらと下半身にボディータッチしてくる男の体育教師には、今後どう対処すればいいの?」


「よし。その先生には攻撃魔法も使っていいぞ!」


「わーい!わーい!パパのそんな一部に容赦ないとこ大好きー!」


「ハッハッハッ!当然だ!幼女趣味の変態死すべしだよ!ハッハッハッ!」


「わぁー!わぁー!パパは変態には鬼畜になるねー!」


  当然だ。まぁ、自分でもそういう奴に過剰に反応し過ぎとは思うが、昔に色々あったからね。仕方あるまい。


  そんなこんな話してる間も、リリちゃんの手は止まらず、やがて弄っていた首を持って色んな角度から見始めた。


「さてさて……こうして……よし!話してる間に、首のジョイント部は終わったし、思考魔術回路は幸い無事だったし、次は胴体だけど……。パパ、悪いけど胴体の服を脱がしてくれないかな?」


「えっ………服を?」


  突然にリリちゃんからそう指示されて困惑してしまう。

 

  だってそうだろ?人形とは言え、女の型をしたものから服を脱がすなど、端から見れば変態以外にないだろ?まして、それが五十代のオッサンならば尚更だ。


「えっと………リリちゃん?どうしても服を脱がさなきゃ………駄目?」


「うんうん。当たり前だよ?服を脱がさなきゃ修理もできないだろ?」


「ですよねー………」


  当然か……故障箇所を見るのに邪魔なものをどかすのは必然………。


  奥の物を、取るのに手前のものを退かすの然り。


  上の荷物を取ってから、下の荷物を取るの然り。


  掃除をするので、邪魔な寝転がる親父を退かすの然り。(体験談)


  故障した箇所を見る為には仕方のないことだろう………だが………。


  だが……やはり、いい歳こいたオッサンが、等身大の女性の人形の服を脱がせるのは、些か難度が高くないか?例え、それが家の中でも、きついだろ?精神的に……画的にも…。


  これは………リリちゃんにやってもらった方がいいだろ?


「そ、それじゃあ、リリちゃんがこれの服を脱がせて………」


「じゃあ、じゃあ、パパ!服は任せたよ?僕は忘れた工具を上から取ってくるよ」


「てっ………あれ?」


  リリちゃんは持っていた首をテーブルの上に置き、トトトと足音を立てて、小走りで二階へと上がって行ってしまった。


  ………リリちゃんに頼もうとした矢先に行ってしまうとは………。うーむ、どうすべき?リリちゃんが来るまで待つか?しかし、リリちゃんは私に頼んで行ったのだし………。


  ………仕方ない。やろう。


  幸い、妻も筍も買い物中だし、骨夫とギンコも二階の部屋のパソコンで何かやっていて、見ている者は誰もいないしな。


「えっと……と、取り敢えずボタンを外せばいいのかな?」


  この一昔前のドイツ軍の制服みたいな軍服だが、どこから脱がせばいいんだ?ボタン……いや、ベルトか?ベルトからか?……よし、ベルトは外せたな……。次はボタンを……。


  って………。


「………これ……必然的に胸に触ることになるぞ?」


  そう、ちょっと大きめの装飾が成されたボタンが、一例に並んでいるのだが、その一番上のボタンが、中々に、豊かな双丘の頂点にあるのだ。


「これ触るのは流石に……い、いや!こ、これは人形だ!無機物なんだ!触っても、別に問題無い!下手に意識するから戸惑うんだ。意識してやる姿こそ、それこそ変態じゃないか?よし、大丈夫……これは人形……これは人形………人形……だから、どうしようと大丈夫だ!」


  と、自己暗示をしながら、意を決してボタンを取ろうと胸に手を伸ばし……。


『ポヨン』



「………………………」




  柔らかかった。それこそ、人間と同じ位の感触の柔らかさが手に伝わってくる。


「柔い………」


  えっ?何これ?凄い柔らかいぞ?えっ?これ本当に人形?おかしいだろこの再現率?戦闘用の人形に必要か、この柔らかさ?それこそ、昔の妻と………………。



「いかん、いかん!何を考えてるんだ!えぇい!無心だ無心!とっと脱がしてやればいいんだ!そうすれば後はどうとでもなる!」


  危なく思考がピンクに走る所だったが、寸前で戻ることができた………。よし……これは人形だ!!人形なんだ!!何も疚しくない!!ただ、人形の服を脱がせばいいんだ!


「よっ……くぬ……あれ?」


  何とか冷静に戻ったつもりだったが、いざボタン外しに挑むと、これが中々に外れない。


  くっ……まだ僅かに動揺しているのか?


  そのボタンを外す振動で、手元がプニプニするが気にしない。気にしないったら気にしない。


「あれ?くっ………この!何で……外れない?」


「それは・戦闘中に・服が・脱げないように・ボタンが・固定式に・なってる・からデス。一度・ボタンを・摘まみながら・反時計回りに・回してクダサイ。そうすれば・ロックが・解け・マス」


「反時計回り?どれどれ………おっ?!取れたぞ、取れた!!他のも同じかな?」


「肯定・シマス。以下の・ボタンも・同様の・手順で・外せ・マス」


「そうか、そうか!いやぁ、助言助か……」



  ………あれ?私は誰と話しているんだ?


  妻とタケシはいない。リリちゃんはまだ二階。骨夫達は……話せない。じゃあ、誰が?


  恐る恐ると声のした方向へと向くと、そこには誰もいないかった………否。


  正確にはいる。人ではないが。そこにはテーブルの上に………乗った生首………。


  先程まで、リリちゃんが弄っていた人形の首が鎮座していた。


「………あれ?もしかして………?」


  まさかと思い、中腰に立ち上がり、少しテーブルに寄ってその首を見ると………。





  ジロリと瞳が動き、ジト目でこちらを見てきた。


「ひっ!?ひぃぃぃ!?」


  年甲斐もなく、悲鳴を上げて尻餅をついてしまう。


「なっ?えっ?!はれ?な、何で首……?」


「質問に・返答・シマス。現在・首より・上のみを・起動状態に・移行され・頭脳回路・が・覚醒状態・となり・このような・頭のみの・形で・起動と・なり・マシタ」


「は……はぁ、ご、ご丁寧に……どうも?」


  つ、つまりは頭だけで動いて………ってリリちゃんか?!リリちゃんが起動させていたのか?!そ、それを言ってくれ!!


「それでは・此方も・質問を・したいのデスガ・よろしい・デショウカ?」


  頭だけで動く人形……確かエル=ムー?は、全く感情……(あるかどうか分からんが)を感じさせない顔で、淡々と語ってきて。


「し、質問?あ、あぁ……いいが?」


「先ずは・第一に・先程から・見て・イマシタガ・何故・人間の・男性が・ワタシの・服を・脱がそうと・している・の・デスカ?」


「ブゥゥゥゥゥ!?」


  やはりその質問か!!って見ていた?見ていたっていつから?!


「えっ?見ていた?い、いつから!?」


「ワタシが・質問・していたの・デスガ。一時・保留・して・返答・シマス。対象が・『だから、どうしようと大丈夫!』と・言って・いた・辺りから・起動・しました」


「とんでもない所から見ていた!!」


  大分最初から記録してやがった!私の声を録音して、そこだけ大きく流すなよ!


「その後も・『柔い………』や・『脱がしてやればいい!』・『どうとでもなる!』と言った・発言も・記録・して・イマス」


「変な所だけ記録してないか!?」


  なんで部分なんだ?知らずに聞いたら強姦魔の発言だぞ!!


「まだ・色々と・機能に・不十分な・点が・あります・ノデ」


「じゃあ、最初から記録しないでくれ……」


「それでは・此方の・質問の・続き・デス。何故・服を・脱がそうと・して・いたの・ですか?性的な・目的で・脱がして・いたの・デスカ?」


「ちっがぁぁぁぁぁぁう!!」


  な、何を言っているんだ、こいつは!!!性的って!?とんでもない誤解が発生しとる?!


『ガチャ、ただいまぁ』


「しかし・動けない・体の・服を・脱がす・行動は・多くは・性的な・欲求を・満たす・ものと………」


『トテトテ』


「違うからね!?そんなんじゃないからね?ちゃんと訳が………」


「しかし・『柔い………』・『だから、どうしようと大丈夫!』・『脱がしてやればいいんだ!』・『後はどうとでもなる!』・と発言を………」


『トテトテ』


「変な所だけ私の声で大音量で流すな!!違うから………これは!!」


  何故か、私の声の部分だけが主張するように大きくなっている。なんの嫌がらせだ?!


「それに・現在進行形で・私の・体が・蹂躙・されて・イマス」


「へっ?」


  何を言ってるんだ?そう思った瞬間……。


『フニ』


 

  ………フニ?意図せず力を込めた左手に、柔らかな感触が伝わってくる………。


  なんかこう………母性の塊的な?


  いや……手だけじゃない……。座っている尻からも伝わるし、右手からはもっと違う感触が………。


  恐る恐ると自分の座っている位置を見ると。






  エル=ムーの、胴体の腹部………。そこに驚いて尻餅をついた拍子に乗っていました。




  そして、左手は母性の塊に……。


  右手は、女性の神秘の部分に………。


 


「………………………」



  これ………端から見たら、ヤバい光景なのでは?


「いや………あの……これは……違………」


「質問事項の・変更を・願い・マス」


  今の状況を否定しようとしたら、突然にエル=ムーがそう言ってきた。


  質問の変更?今の緊急案件以外で、またぞろ一体何を聞きたいんだ?


「これは・最優先・かつ・緊急・で・回答を・願い・マス」


「最優先?緊急?な、なんだい?」


  一体なんなんだ?早く弁明させてくれないだろうか?………って、彼女は何処を見ているんだ?さっきまでは私の方を見ていた筈が、なんか少し上の……私の背後を見て………。


  彼女の視線を追うように、私もその方向へと視線を移動させた。


  そこには………。



「その・部屋の・入り口に・立っている・婦人は・何者・デスカ?戦闘能力値・急上昇中・戦闘値・魔王級・まだ・上昇・測定不明・測定不明・測定不明・危険・危険・キケーー」





















「あらあら?帰ってきてみれば何かしら?柔らかい?、どうとでもなる?脱がせればいい?女の子を連れ込んで随分とお楽しみねぇ………ア・ナ・タ?」







  そこには般若の如き表情で佇む、我が妻がいた………………。


 


 

 



  「ちょ!つ、都合が悪い所だけ聞い………ギャブ………アバシィィィィ?!」

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