43話 増えた居候
仕事の都合で更新が遅れてしまいまい、すみませんでした。
ふぅ…‥…今日も疲れたな。
取引先との話も順調に纏まりそうだし、後は細かい所を話し合うだけだな。
私は今日の仕事の事を考えながら、家への帰り道を歩いていた。
しかし、今日のあの神社の狐…‥…可愛かったが…‥何というか神秘的な雰囲気がある狐だったなぁ。
何かこう…‥…普通の狐とは違うものを感じたが…‥……だが何処かで感じたことのある雰囲気があったな…‥……。
はて?どこだったか?
おっと?そんな事を考えていたら家に着いていたな。
「ただいまー帰ったぞ」
帰宅の挨拶をして玄関で靴を脱いでいると、流しから妻がパタパタと小走りで出迎えにやってきた。
「おかえりなさい。今、お夕飯の準備をしてますから先にお風呂に入ちゃって下さいな」
「あぁ、そうするよ」
持っていた鞄を妻へと預けながら、チラッと妻の横を見れば『やっと帰ってきたか?』といった顔?で出迎えるパジャマ姿の骨夫がいた。
骨夫が着ているデフォルメされた骨が描かれたグレーのパジャマは、私や他の家族のものではなく、骨夫が自分で買ったものだ。
骨夫は少し前から、買ったはいいが使う機会が少なく放置されていた私のパソコンを使って株を始めたようなのだ。
少し前までは必ず私の視界内にいたのだが、最近は姿が見えない時があり、ついに私の幻覚症状が完治したのかと喜んでいたのだが、家に帰ったら普通に食卓に座っていたので驚きとともに落ち込んだものだ…‥……。
おっと、話がずれたな。
それで、どうやら骨夫は姿の見えない時は、家のパソコンで株をやっていたらしく、それで儲けたお金で欲しいものを買っているようなのだ。
株の事は詳しく知らないが、そこそこ儲けているらしく、定期的に私の名義で様々な荷物が届くのだ。
最初に荷物を受け取った時は、とうとうボケて知らないうちに注文でもしてしまったのかと不安になったが、骨夫が横から荷物を取り上げてきた事で全てを察した。
ついでに最初の荷物の中身は茶碗と食器類だった。今では普通に棚に私達のものと一緒に並んでいるが、妻は少し食器が増えた?程度にしか考えていないらしい。
尚、妻はこれらの荷物が送られてきても貯金が減っていないことから、私が懸賞かなんかをやっていると勘違いしているらしく…‥。
「今度は何か甘いものが食べたいわ」
と、注文を頂いてしまって、どうしたものかと思った数日後には、ケーキの詰め合わせが届いていた。
「まぁまぁ!お父さんは運がいいわね!」
と、ご満悦にケーキを持って流しへと移動していく妻の横で、骨夫が私に向かって『気にするなよ!』といった感じで親指を立ててきた。
無駄にカッコいいのが悔しかった。
まぁ、という訳で本格的に我が家に居を構え始めた骨夫であるが、私が帰らなければ食事が始まらないないので、律儀にこうやって出迎えて待っているのだ。
正直、人骨に出迎えられるのはどうかと思うが…‥……もう慣れた。
というかコイツ…‥パジャマを着ているって事は、先に風呂入りやがったな?
まぁ、いいが…‥………‥…ってアレ?
なんか骨夫が口を開いて、こう…‥……ポカーンって感じの驚いた?ような間抜けな顔をしているな?
なんだ?なんか目線が私の足元に…‥……。
「うおっ?!」
骨夫の視線を追って自分の足元を見てみると、そこにいた『者』に驚き声を上げてしまった。
『コンッ!』
なんと神社で見た銀色の狐が、我が家の玄関にいつの間にか入ってきていて、私の足元に座っていたのだ。
「な、いつの間に?」
「お父さん?」
妻が驚いた様な声で私を呼んでくるが、狐が家に入ってくれば誰でも驚くだろう。
コイツ…‥…いつの間についてきてたんだ?
餌をやって味を占めたのか?まさか、会社にまで付いて来てたとかないよな?
いや、今はそれよりも…‥……。
「いや、母さん!直ぐに追い出すから!昼に餌をやったんだが、まさか付いて来るとは思ってなく…‥……」
「何も『無い所』を見て何を騒いでいるんですか?」
「えっ?」
はっ?妻は今、何と言った?『何も無い』?
「それに…‥…追い出す?とか餌?何を言っているんですか?」
「えっ?いや…‥…この狐…‥……」
「狐?何処に狐がいるんですか?」
私が足元にいる狐を指差すが、妻はまるで何も見えていないかのような態度をとってくる。
「えっ…‥…見えて…‥……ない?」
「何を言ってるんですか?きっと疲れて幻覚でも見えてるんですよ。お風呂に入ってゆっくりしてきて下さいな」
妻はそう言うと、渡した鞄を持って二階へと消えていった。
「幻覚…‥……?」
私にしか見えていない?
まさか…‥……この狐は骨夫と同類?そういえば、狐に感じた雰囲気…‥……何処かで感じたことがあると思ったが…‥……そうか骨夫だ!骨夫と同じ雰囲気を感じたんだ。
この狐は…‥……ってウオッ!!
再び狐の方を見ると、何故か狐と骨夫が睨み合っていた。
『…‥………‥……』
『コン』
なんかバチバチって昭和の漫画みたいに火花が飛び散りそうな勢いで睨みあってるんだが…‥……えっ?何?知り合いかなんかですか?骨と狐の知り合いってなんだよ?共通点ないよね?
私の疑問を他所に、なおも玄関で睨み会う骨と狐。
…‥……これ、別に無視して風呂入ってきていいよね?私は関係ないし。何よりこいつら、私が見てる白昼夢みたいなものだしな。
私はソロリソロリと睨み会う骨夫と狐の横を通り抜けて、風呂へと向かうことにした。
◇◇◇
「はぁ…‥…いい湯だった…‥……」
やはり風呂はいいものだ…‥……。体の疲れだけではなく、心まで癒してくれる。特に今日みたいに外回りで歩き回った日などは特に格別だ。温かいお湯で固まった筋肉がほぐされていく感覚が堪らないのだ。
さて…‥……後は、この火照った体をビールで冷してもらいましょう。
特に、今日は楽しみもあるからな。
何かって?決まっているだろう!先日、妻がご機嫌の時に手に入れたビール…‥……『ドラゴン生一番』だ!!
いつも飲んでいる発泡酒ではない!正真正銘のビールだ!!しかも、普通のビールよりも200円お高い高級ビールだ!!これでウキウキしないわけがあるまい!!安月給のサラリーマンがこれを飲めるのは最高の誉れなのだ!しかも、それが二本だ!麗香がハルン君の迷惑料と1本買ってくれていたのだ!それと妻のを合わせて2本!!
良い娘を持ったものだ…‥……。
さぁ!今日は朝からドラゴンで悩まされたが、ドラゴンを飲んで憂さを晴らさせてもらおうか!!
ウキウキと胸を高鳴らせながらリビングへと向かうと…‥……。
『…‥………‥……』
『コォ…‥……ン』
いましたよ。骨夫と狐が。
リビングにある新調したテーブルの私が座る席の左右に骨夫と狐が向かい合わせに座っていました。
最早当然のように座る骨夫と、テーブルの上にある唐揚げを見ながら尻尾を振る狐。
先ほどまでは一触即発な雰囲気で睨み合っていたというのに、夕飯を前にして一時休戦したらしく、今か今かと食事を待っていた。
「お父さんどうしたの?まるで豆鉄砲をくらったチンパンジーみたい顔をしてますけど?ご飯が冷えちゃうので席についてくださいな」
「あ、あぁ…‥……」
骨夫と狐に気をとられ過ぎて呆然としてしまったらしい。妻に促されるままに、自分の茶碗が置かれている席へとつく。
あれ?何気に妻に毒づかれたような?
…‥…‥……まぁ気にしないでおこう。
「はい、ご飯とお味噌汁ですよ」
「あぁ、ありがとう」
席についた私へと、妻がご飯と味噌汁を出してくれた。目の前に出された、湯気が立ち上る炊きたてご飯と味噌汁の匂いに食欲が刺激される。
視界の端では骨夫が自分の茶碗に山盛りでご飯をよそっているのが見えたが…‥……今更気にしても仕方あるまい。
というより、骨の体の何処に食べ物が入るのだろうか?そして、骨に食事の必要があるのだろうか?謎である…‥……。
後、狐が唐揚げを頬張り始めた。
既に3個程をたいらげて、4個目へと口を伸ばし…‥……て食べようとしたが、骨夫に箸で鼻先を叩かれて止められた。
狐が鼻先を前足で擦りながら、恨みがましそうに骨夫を睨んでいる。
骨夫なりに居候としての気を使ってくれたのだろうか?…‥……いや、違うな。自分の皿に唐揚げをキープし始めたあたり取り分が無くなるのを恐れたクチだな…‥……。
おい、狐。お前も張り合って唐揚げを強奪するな!
なんだこの絵面は?骨と狐が唐揚げを取り合うって?何の妖怪大戦だ?
「それじゃあいただきましょうか…‥…何か唐揚げが減ってませんか?お父さん…‥…先に食べちゃった?」
自分の分のご飯と味噌汁を持って席へとついた妻が、明らかに量が減った唐揚げの皿を見て私を疑ってきた。
まぁ、妻には骨夫と狐が見えていないから疑うのは当然であるが…‥……。
「いや、私は…「別にいいんですよ。むしろ最近はお父さんが食欲があるから、料理の作り甲斐があって嬉しいわぁ!唐揚げは、まだまだあるから一杯食べて下さいな!」…うん、はい」
一応否定しようとしたが、妻的には喜ばしい状況だったらしい。追加の唐揚げを取りにキッチンへと向かっていったな。
まぁ、妻のメンタル的にプラスになるならば別に構わないか…‥……って明らかに2人で食べるには多すぎる量を持ってきたぞ!!
何かの昔話のご飯並みに盛ってきたぞ!?
えっ?骨夫と狐は見えてないよね?なのにこの量?どれだけ私が食べると思っているんだ?そんなに食べたら血糖値がまた上がってしまうよ!!両脇では、骨夫と狐が狂喜してるし!!
「じゃあ食べましょうか。いただきます」
と、席について食べ始める妻。
「い…‥いただきます」
ま、まぁ、いいか…‥…どうせ、骨夫と狐が食べるだろうし、私も続いて食事をすることにしよう。
まずは唐揚げを…‥……ムグムグ…‥…これは美味いな…‥……やっぱり妻の料理は最高だな。
「美味いな…‥」
「ありがとうございます」
私が述べた感想に、妻が嬉しそうに笑った顔を見せてくる。
くぅ…‥……惚れ直してしまう…‥……。
「でも…‥…やっぱり二人だけの 食事は少し寂しいわね…‥……」
昨夜の賑やかな食卓を思い出しているのか、妻が寂しげに呟きだした。
「そうだな…‥……」
と同意はしてみたものの、私的には両脇で唐揚げ争奪戦を繰り広げる骨夫と狐が見えているので寂しくわない…‥……というか、寧ろ騒がしくて仕方がない。
てっ!ちゃっかり骨夫が片手にビールが注がれたコップを持ちながら晩酌をしている!
よく見たら狐もいつの間にか皿に注いだ金色の何かを舐めているな?どうやって準備したんだ?そして、それは何だ?
いや…‥まぁいいか…‥……どうせ骨夫がお取り寄せした何かだろうな…‥……。
それよりも骨夫達の衝撃で忘れていたが、私もビールがあったのだった。
「あら?お父さん、どうしたの」
「ビールを取ってくるよ」
ビールを取りに行くべく、立ち上がって流しにある冷蔵庫へと向かう。
「フンフフ~ン♪」
柄にもなく、鼻歌を鳴らしながら流しへとたどり着き、目的の入った冷蔵庫の扉を開いた。
「さーて!待たせたねビールちゃ…‥…ん?」
しかし、そこに…‥……あるべき場所にはビールが無かった。
「あれ?あれれ?ビールは何処に?」
おかしい…‥……昨晩までは確かに此処にビールがあることは確認している。まさか妻が?いや…‥……妻はビールは飲まない派だ。それではビールは何処に…‥……ってまさか!?
嫌な予感というか、確信を持ってリビングへと急ぎ戻る。
「母さん!私の『ドラゴン生一番』を知らないかい?!」
慌てて、妻へとビールの在りかを確認すると。
「ビールですか?それならもう飲んでたんじゃありませんか?ホラ、缶がそこに転がってますよ?」
妻にそう言われ、恐る恐る妻が指差した場所を見ると…‥……。
「わ、私の…‥……ビールが…‥……」
顔を赤く染めた骨夫と狐の横…‥……私から見た死角に、無残に放り捨てられた『ドラゴン生一番』の空き缶があったのだ。
こ…‥……こいつら…‥……やりやがった…‥……。
骨夫もそうだが、突然の来訪者である狐まで私のビールを…‥……。
許さん。許さん。許さん。ゆるさん。ユルサン。ユルサン。ユル、ユル、ユル、ユル
「許さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!?」
「ちょ、お父さん!どうしたんですか?」
「離してくれ!私は…‥……その骨と狐を成敗しなければならないんだぁ!!」
「骨と狐ってなんですか?落ち着いてください!」
「これがぁ落ち着いてられるかぁ!あっ!骨夫!ビール片手に逃げるな!この狐も、唐揚げくわえて逃げるな!!待てぇぇぇ!!」
「お父さん!しっかりしてください!気をしっかり持ってぇ!!」
その日の晩は、妻に手刀で当て身をくらうまで私は荒れに荒れた。骨夫と狐を追い回して家中を走り回って妻に止められた。気がついた後に、妻が何処に電話をしていたので何を話しているのかと聞き耳を立てたら綾香に『お父さん、疲れて幻覚を見てるみたい』と真剣な顔で相談をしていた。
妻から見れば、何も無いものを追いかけ回している奇行をしている旦那にしか見えないので当然だろう…‥……。
その夜は色々な意味で、枕を濡らしてしまったのだった。
これが、我が家に新たな居候が加わった日の最悪な初日であった。
豊穣稲荷 ウカノミタマノカミ
Lv:999
称号:【豊穣神】【稲荷ノ神】【恵ム者】
【大地ノ守護者】【生命ノ護リ手】【銀狐】
【魔ヲ払ウ者】【開運者】【五穀ノ皇】
HP:$*+%#!&@*
MP:@&$+#%!
攻撃力【物理】:$+#%
防御力【物理】:#%@&
攻撃力【魔法】:&@$%
防御力【魔法】:@$%&
素早さ:%&:%
知識:$@&♪#
運勢:$@&♪%&♪
装備:【五穀のしめ縄】【豊穣の神衣】
【天上下駄】【天慰の羽衣】【運天の勾玉】
【大地の勾玉】【魂命の勾玉】




