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21話 転移門

いつも読んで頂きありがとうございます!

やっと、転移門編のクライマックスです!

意外とハルンが濃いキャラになってしまいますた!

「それでは転移門を設置しますので、暫くお待ちください」


  そう言われて、私と妻は現在元・私の書斎の部屋の外で荷物を片付けながら作業が終わるのを待っていた。


  尚、その荷物というのは、私の書斎にあった家具一式だ。

 

  私が退職を見据えて、『髭男爵』のアンティーク家具に似たものを、近所にある家具専門店『ゆとり』でコツコツと仕入れたアンティーク調の数々の一品(殆どが1万円以下)である。


  しかし、魔法陣だかを床に描くのに、邪魔だという理由で通路へと追い出されてしまったのだ。


「お父さん、取り敢えずその小さいテーブルやら本棚は今の所使い道がないから、外の物置小屋にしまってきてね」


「あぁ……」


  外の物置小屋……通称『処分小屋』……。


  一時的に置いておくという名目だが、此処に置かれたが最後……翌週には、中の物は整理好きな妻の手によって仕分けされ、良くてリサイクルショップて売られるか、ご近所の欲しい方へと渡されて、悪ければ即ゴミ処理場行きである。


  ついでに言えば、以前リカム君が置いていってしまったデカイ剣は、一時的に物置小屋へと置かれた後、気付けば無くなっていた。


  あの剣はどうしたのかと妻に聞けば……。


「リサイクルショップに持っていったら、結構いい値段で売れたわ」


  と、何処からツッコンめばいいのか分からない返答をされてしまった。


  なので、あえて何も言わないのが正解と思い、それ以後は剣については何も聞いてはいない。


  だが、流石に売値が気になったので、それだけ聞いた所、3万7000円と高いのか安いのか良く分からない値段だったという。


  まぁ……つまり何が言いたいのかと言えば、私のカグコレ(家具コレクション)は、来週にはリサイクルショップの売り場に並んでいるだろうということだ。


  逆らいたい所だが、以前語った通り我が家のインテリアや物の処分の決定権は妻達にあるので無言で従うしかないのだ。


  さらば……我がカグコレ(家具コレクション)達よ……良い人に買われるんだよ……。


「お父さん。ボーとしてないで、テキパキ動いてください、まだまだあるんですから」


「あぁ……」


  掠れるような返事をしつつ、一度も使うことがなかったアンティークのイス(3980円)を手に、階段を降りていくのだった。



 ◇◇◇


「お待たせしました、転移門の設置が終わりました」


  調度廊下の整理が終わり居間で休んでいた頃、ハルン君が設置終わりを知らせに来た。


「あらあらご苦労様!はい、お茶をどうぞ」


「これは……申し訳ありません」


  妻はハルン君にお茶を差し出し、そのお茶を受け取ったハルン君は礼を言った後に恐る恐る啜り始めた。


「それで……ハルンさん、そのテンイモンというのは、もう使えるのかしら?」


「いえ、後は仕上げに魔力を込めながら呪文を詠唱し、魔法陣を発動させれば使えるようになります」


  どうやら後は仕上げをすれば終わりらしい、詳しい事は分からないが、要は設置したエアコンに後は電気を流して作動確認をするという事だろうか?


「あら?そうなの?何を言っているのか、さっぱり分かりませんが、引き続きお願いしますね」


  妻はもう話を完全に流していた。


  まぁ、昔から分からない事は『不思議な力』とか『凄い技術』の一言で 片付けるか、『分からない』で終わらせてしまうからな。


「あっ……はい、分かりました……それではこれから術式を始めますが……その際に少々お力をお貸し願いのですが……」


「うん?別に構わないが……私達が手伝えることなんかあるのかい?」


  自慢じゃないが家のテレビの設置だって業者任せの私が、魔法陣やらの設置を手伝えるとは思えないんだがな。


「はい。お力を……と申しましても、ただ転移門の通行登録の為に、魔法陣にお二人の力の波長を覚えさせたいのです」


「波長?登録?良く分からないが……一体何をすればいいんだい?」


「特に何もする必要はありません。

  ただ、私が呪文を唱えている間、魔法陣の中にいてもらえれば登録が完了します」


「それだけかい?」


「はい、それだけです」


  魔法陣の中にいるだけで良いなら別に構わないか。


「それだけでいいなら、早速始めましょう?

  早く麗香に会いたいですから」


  スッと妻が立ち上がり、早く始めようとハルン君を促し始めた。


  妻もなんだかんだで麗香を心配しているから、頻繁に会えるようになるのが嬉しいのだろう。


「はい、分かりました。それでは早速始めましょう」


  ハルン君も立ち上がり、颯爽と二階へと向かい歩きだしたので、私と妻もハルン君へと続き二階へと向かい歩き出した。


  元・書斎だった部屋に着くと、そこには床一面に書かれた奇っ怪な円状の紋様が描かれていた。


  恐らくこれが魔法陣だろう。


「此れが『転位陣』になります。お二人にはこの中に入って……」


「まぁまぁ……床一面にゴチャゴチャと……ハルンさん……誰も落書きは許可していないわよ」


  いやいや妻よ……『魔法陣』と言っていたから何かしら描くってことだろう?一体何をするために家具を運び出したと思っているんだい?


「あの……これは……」


  思いっきり困惑しているハルン君。


  ここは、助け船を出そうか。


「母さん……これが転移門とかいうものらしい、これが無ければ麗香に会えないぞ?」


「あら?そうだったの?ごめんなさいね、てっきり扉みたいなものを設置するものだと思っていましたから」


「は、はぁ……」


  妻よ……君はあれか……もう完全に新しい家電を設置する程度に考えていたのかい?やはり、話を完全に流していたな、


  しかし、よくよく考えれば、異世界と行き来できるものを設置するのだから我々が想像できるものではないのは確かか……。


「そ、それでは……これより術式を開始します、お二人は陣の真ん中に立って下さい」


  私と妻は、ハルン君に促されるままに魔法陣の真ん中へと移動した。


「それでは……心の準備はよろしいですか?」


「私は大丈夫だ」


「私もです」


  正直、初めての魔法に……いや……以前に魔王君に背中を流すのに使われたな……危なく皮膚自体を流しかけたやつ……あれ以来だから正直不安だが……。


「それでは……始めます……。

『響け、届け、我が声よ。時を越え、壁を越え、天を越え、我が祈りを捧げん。

  我が祈り届きたけば、我が思いに従い……』」


  目の前でハルン君が何やら呪文?を唱え始めた。


  すると、魔法陣が淡く光始めた。


  ほぅ……これが魔法ってやつの発動か……。


  呪文とやらの内容は全く理解できないが、何やら神秘的な光景だな……何というか……ロマンチックな雰囲気だな。


「お父さん……」


「なんだい?」


  妻が何だか不思議そうな顔でその光景を見ていた。


  妻も私と同じく、この光景に何か思う所があるのだろうか。


「ハルンさん……1人でブツブツ語りだしたけど大丈夫かしら?人には言えない、心に何か暗い闇でも抱えているんじゃないかしら?」


  思う所が私とは大分違ったらしい。


  いや、確かに一見したら1人で呟いている痛い人間……いや、悪魔だが、本人は至って真面目に仕事をこなしているので、そこは触れないであげよう。


「取り敢えず……黙って見ていよう」


「政治家さんのお仕事を手伝っていると、色々と溜まるものがあるのかしら?魔王さんにカウセリングを受けるように言ってもらった方がいいんじゃないかしら……」


  そんな魔王君の職場の精神状況を心配する妻を他所に、目の前では魔法陣の輝きが強くなっていく。


  そして、一際光が強く輝きだした時……。


『いざ、此処に門を開かん!!第9階位魔法【異界門】!!』


  ハルン君の詠唱と共に、陣が赤く光だした。


「これは……凄いな……」


  その光景に感嘆の声しか出てこない。


「まぁ……窓から光が漏れて、ご近所さんに迷惑をかけないかしら?」


  妻は相変わらずブレなかった。


  やがて光は収まり部屋は元の静かなものへと戻っていった。


「ふぅ……ケンゾウ様、アキコ様……転移門の設置終了致しました」


  ハルン君がやり遂げた顔をしながら、陣の設置終了を伝えてくる。


「お疲れ様……それで……もう、その転移門っていうのは使用できるのかい?」


「はい。既に、向こうには陣の設置はしていますので、後は魔力を流し込めばいつでも転位が可能で……」


  と、ハルン君が陣の説明をしている途中で、転位陣が今度は青く輝きだした。


「は、ハルン君?これは……?」


「これは?!向こうからの干渉?ケンゾウ様!向こうから此方へと何者かが来ます!!

  恐らくは……!!」


  ハルン君の言葉が言い終わるかという所で、青い光が一気に強くなり、やがて収束していった。


  そして、光が止んだそこには……。


「ヤッホー!パパ!ママ!ただいまー!!」


「義父上、義母上!久方である、魔王ゲルクルシュ=アッシュノート=ルルシフェル此処に推参せり!!」


  背後に複数の者達を従えた、魔王君と麗香が現れていた。

【異世界における魔法の説明・その1】

魔王達が住まう世界においては、当たり前のように魔法が存在します。

しかし、1つに魔法と言っても様々なものがあり、その威力や性質・極める難易度により第1~第10までの【位階】という序列により区分けされ、習得する目安やその凄まじさを表す危険度として示されています。

今回は、その【位階】の序列ごとの説明を、炎魔法を例えにさせて頂きます。


【第1位階】……お遊戯レベル

例:プチ=ファイヤー

【第2位階】……生活魔法レベル

例:ファイヤー

【第3位階】……対人戦闘レベル

例:ファイヤー=ボール

【第4位階】……対多数戦闘レベル

例:ファイヤー=ストーム

【第5位階】……対軍レベル

例:ファイヤー=テンペスト

【第6位階】……対攻城レベル

例:ボルケーノ=カノン

【第7位階】……なんか、もう凄い。

例:豪炎龍招来

【第8位階】……もの凄い!!

例:業火灰塵

【第9位階】……説明するのがしんどい……。

例:炎死

【第10位階】……ハイハイ、あんたが神です。

例:神炎世界


と、いうことになります。

ついでに、一般の兵士で大体は【第3位階】くらいで、多少の強者で【第4位階】か【第5位階】クラスです。


今後の展開の目安にどうぞ。

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