ハガキ2枚目と3枚目
適当に区切ってます。なので量も適当です。
~~コマーシャル~~
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「では、次のハガキに行きますねぇー」
「相変わらず切り替えが早い女だな」
「苦労という言葉を知らないからな、切り替えに1秒とかからないさ」
ゲシドガゴシ!
「なんでおれだけなんだよっ!」
「や~ん。愛情の違いじゃない」
「殺意ある目でいっても説得力ないわッ!」
「えーと、〇〇都〇〇区ペンネームファン1号さんからのハガキです。うん? もしかしてこの人、いつもぼくたちの撮影現場にきたりしてるアイドルオタクの人じゃなかったっけ?」
「うん、そーだよ」
「でも、なんでその人がおれたちの番組になんかハガキ出すんだ? おれたちアイドルじゃないだろうに」
「まあ、いいから続き読んで」
「ん、ああ。なぜ美雲ちゃんはモデルだけしてるんだ。君ならスターになれる。そこら辺のアイドルに負ける子じゃない。直ぐにデビューするべきだ、っていってるが?」
「将之助と晶はアイドルになりたい?」
「おれは嫌だ。モデルすら耐え難いのに」
「ぼくも嫌だ。目立つことはしたくない」
「じゃあ、あたしもしない。ということでファン1号さん。あたしたちばすたぁ~ズはこのまま活動しますので諦めてください」
「なにも美雲がやりたいならやればいいだろうが。おれたちに構うなよ」
「ううん。2人がやらないのならあたしもやらない。だって1人でやってもおもしろくないもん」
「じゃあ、なんでラジオのことは黙ってたんだよ? おれはこんなことしたくなかったぞ」
「だって、引き受けてくれたら米と野菜がついてくるっていうんだもん、蹴るなんてもったいないじゃないの」
「……つまり、おれたちは米と野菜で売られたのか……?」
「安いんだな、ぼくたちって」
「いいじゃないのよ。うちの台所はいつも火の車なのよ。17人も食べさせなくちゃならないのよ、率のいい仕事するのは当然でしょう!」
「……………」
「それより次のハガキに行くよ。〇〇県〇〇市ペンネーム将之助くんのハニーさんからです。美雲ちゃんは占い師だといってますが、どういった系統の占いなのですか? できればぼくを占ってください。この恋を続けていいのでしょうか。それとも諦めたほうがいいのでしょうか。どうすればいいのでしょうか占ってください。ハイハイ、美雲ちゃんにお任せあれ。なんでも占っちゃうよ~」
「ケッ! インチキ占いなんて信じるなんて頭おかしいんじゃなあか? って、おれのハニーってどーゆーことだよッ!」
「世の中いろいろあるんだろう。自分でなんとかすれば」
「ちょっと! これは解決番組なのよ、そこで突き放してどうするのよ! ウソでもいいからうまいこといってファンを増やさなくちゃダメでしょうが!」
「いや、お前がダメだろう」
「言葉のあやってもんでしょうが! 人が未来を知りたいのは当然の欲望よ。いいことなら喜ばして、悪いことなら忠告してあげるのが占い師としての使命よ。あたしはあたしの才能を世間に役立てたいだけよっ!」
「おおっ、美雲がマジなこといってるぞ」
「感動するなよ、そんなことで」
「なにいってる。傍若無人がまともなこといってんだぞ、ここで感動しなければ一生感動しないぞ!」
「……あたしをどーゆー目で見てたんだ、お前は……」
「迷惑でわがままで傍若無人な女───」
スパーン!
「───ってーなッ! なにしやがるッ!?」
「……どこからハリセンなんて出したんだ……」
「ふっふっふっ。こんなこともあろうかと用意してたのさ。どうだ、恐れ入ったか」
「用意してんじゃねーよ! 大馬鹿者がッ! 没収だ、没収! よこしやがれっ!」
「あーん! あたしのよこたくんになにするのよっ!」
「ハリセンになんて名前つけてやがる! ってか、なんだよよこたくんって? 悪趣味なヤツだな」
「悪趣味とはなによ! かわいい名前じゃないのよ!」
「・・・お前の感性を1度いいから見せてくれよ・・・」
「や~ん。しょうちゃんのえっち」
「……………」
「……それより占いするのかしないのかはっきりさろよ」
「あ、ハイハイ。今、占いますからね~。むにゃむにゃム~」
「……おれは、そのむにゃむにゃム~がなんの役に立つのか知りたいよ……」
「インチキなんだからなんでもいいだろう」
「ハイ、出ました。将之助くんのハニーさん。恋愛は自由です。好きなら好きを貫いてください。でも、世間の目が気になったり不安だったりしたら止めておいたほうがいいですね。あなたの恋は波乱に満ちています。必ず立ち塞がる人が現れます。勇気と覚悟、貫く意志がなければ不幸は確実ですよ」
「聞いているこっちにはさっぱりわからんな」
「そんなものさ、人生相談なんて」
「まあ、将之助くんのハニーさん。少なくてもあたしは応援するよ。あたし的にはそのカップリングはアリだと思うもの」
「……おれは胃が痛い人生だよ……」
「ガンバレ」
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