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『いい人すぎる男、異世界で15歳に若返ったので今度こそ自分のために生きます ~なのに村の守護者になってしまいました~』  作者: たま


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第2話 村に着いて最初の仕事

いつも読んでいただきありがとうございます。

他にも作品がありますので読んでもらえたら嬉しいです。

第2話 村に着いて最初の仕事


草原を歩くユウマの視界に、村の小さな集落が見えてきた。

木の屋根、小道、そしてところどころに置かれた小さな畑――一見のどかだが、近づくにつれ荒れ具合が目立つ。


「……なるほど、村は思ったより大変そうだな」


畑には雑草が伸び、作物はところどころ枯れている。水路は土で詰まり、泥の道に水たまりが溜まっている。

小屋の屋根もあちこち破れ、風で揺れている。


「ここを少し整えるだけで、村の生活は格段に変わるはずだ」


ユウマは手にした生活魔法EXの力を確認する。水魔法、土魔法、農業魔法、収納魔法――これらを使えば、村全体をスローライフの理想郷に変えることも夢ではない。


まずは畑から。土魔法をかけると、固く乾いた土が柔らかく湿り、作物の根が深く張れるようになる。

「これで水や栄養も十分届くはず」


続いて農業魔法。作物の芽が一気に成長し、緑の葉が力強く空を目指す。

村人たちが遠くから驚きの声を上げる。


「なんだ……?!」

「誰だ、あの人は……?」


小さな子供が目を丸くし、母親は手を止めてこちらを見つめる。

ユウマは手を挙げて、にっこりと微笑んだ。

「ユウマだ。少しだけ手伝わせてもらうよ」



最初は戸惑っていた村人たちも、ユウマの指示で水路の詰まりを解消し、土を整え、作物の手入れを行う。

わずか数時間で、畑は見違えるほど美しくなり、芽吹いた作物は太陽の光を浴びて輝いていた。


「す、すごい……!」

村長も驚きと感謝を込めて頭を下げる。

「……あなた、本当に魔法が使えるのですか?」


ユウマは少し照れくさそうに肩をすくめる。

「まあ、ちょっとした生活魔法だよ」


その後も村人たちの協力を得て、道の水たまりや泥も整備。

収納魔法で道具や種を整理し、倉庫もすっきり。

小屋の破れた屋根も、土魔法と少しの木材で補修完了。


「……これで村の生活もずいぶん楽になるな」


村人たちは口々に感謝の言葉を述べる。

「ありがとうございます! 本当に、ありがとうございます!」

「あなたのおかげで、こんなに暮らしやすくなるなんて……」


犬耳少女ミリアも満面の笑みで駆け寄る。

「ユウマさん、本当にすごいです! 私たちも手伝います!」


ユウマはほほ笑み、力を抜いた声で言った。

「ありがとう。じゃあ、これから少しずつ、この村を便利にしていこう」



日が傾き始める頃、ユウマは村の広場で一息つく。

ふと遠くを見やると、小川が小さくせき止められ、滝のように流れている。

「……温泉も作れるな」


水魔法を試すと、地面から温かい湯気が立ち上る。

ユウマは指を振ると、簡易的な湯船が姿を現し、村人たちは歓声を上げた。


「わあ、温泉だ! 本当に温かい!」

「これで疲れも取れる!」


村は一気に活気づく。

ユウマは心の中でつぶやいた。

「これが、スローライフ……ってやつか」


その夜、ユウマは小屋の窓から星空を眺めた。

ブラック企業で消耗していた日々とは全く違う世界。

ここでの生活が、これからの自分の人生の中心になる――そんな予感がした。


しかし、遠く森の奥からは、まだ見ぬ魔物の気配があった。

スローライフの影で、守るべき日々が始まろうとしていた。


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