第1話 社畜25歳、異世界で若返る
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第1話 社畜25歳、異世界で若返る
ユウマ、25歳。ブラック企業に勤める普通のサラリーマン――いや、普通ではない。いや、むしろ“都合のいい人間”だった。
断れない性格。残業は当然のように押し付けられ、同僚の仕事も手伝わされ、上司の無茶な命令も笑顔で「大丈夫です」と言う。
その日も終電はとっくに終わっていた。
オフィスの蛍光灯がぼんやりと揺れる中、残された書類の山を眺める。
「……今日も終わらないな」
横で同僚が書類を押し付けてきた。
「悪い、ちょっと手伝ってくれ」
またか、とため息をつく。断れない自分が嫌だと思う。
机の上のコーヒーを一口飲む。苦い。
そして、ふと空を見上げた瞬間、目の前が白く光りだした。
「……え?」
足元に奇妙な光の円。まるでゲームの魔法陣のような模様が浮かぶ。
次の瞬間、世界が弾けた。
⸻
気がつくと、青空の下。草原の真ん中に立っていた。
遠くには山、森の匂い。手を見ると――15歳の顔。
「若返ってる……?」
視界の端に、浮かぶステータス画面。
【ユウマ】
年齢:15
職業:異世界転移者
スキル
•生活魔法 EX
•収納魔法 EX
•鑑定 S
水魔法で温泉を作り、土魔法で家を建て、農業魔法で作物を三倍速で育てられる――ゲームのチート画面のようだ。
「……スローライフできるんじゃないか?」
森の方から悲鳴が聞こえた。
「助けてー!」
犬耳の少女が狼に追われている。
ユウマは魔法のステータスを思い出した。
「土!」
地面が盛り上がり、狼の足を拘束する。
「ギャウ!」
石を投げると狼は気絶した。
少女は息を切らせながら頭を下げる。
「ありがとうございます! ミリアです!」
ユウマは笑った。
「ユウマだ。……スローライフ、始めようか」
⸻
村に向かう途中、荒れた畑を目にする。
「この村、色々大変そうだな……」
魔法で土を柔らかくし、水路を作り、作物を三倍速で育てる。
村人たちは目を丸くした。
「な、なんですって!?」
ユウマは少し照れながらも、作業を続ける。
「スローライフって、こういうことか」
夕方、村の広場で休むユウマ。
温泉を掘る魔法を試すと、湯気が立ち、村人全員が歓声を上げた。
「天国です!」ミリアが叫ぶ。
夜、星空の下でユウマは考える。
「ブラック企業の毎日より、こっちの生活の方がよっぽど幸せだ……」
しかし、その時、森の奥から魔物の気配がした。
スローライフのはずが――村を守る日々は、すでに始まっていたのだ。
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