お祭りは君と!
今回は夏の定番、盆踊り大会に羽崎さんと咲君が行きます!
季節が真逆ですが…笑
「そう言えばお前は行くのかよ?」
ある休みの日、俺は木嶋と電話していた。
「行くって?」
俺は見当がつかず聞き返す。
「ほら、盆踊りだよ。ここの自治体がやってる」
「あぁ、あれね」
確かに毎年ここの自治体が盆踊りを
やっている。
場所は……確かこの近くのグラウンドだったはず。
「お前は行くのか?」
「んー決めてない」
「でも良いのかよ、羽崎さんと行かなくて」
まさかの質問に俺はドギマギする。
「な、なんで羽崎さんが出てくるんだよ」
俺は聞き返す。
「だってお前、今まで俺以外話せる友達居なかったじゃんか。特に女子は一人も居なかったし」
「うぐっ」
それを言われては何も言えない。
「せっかくなら誘ってみろよ」
「う、うん。考えてみる」
ガチャッ
電話を切った俺はスマホをベッドに叩きつけるように置いて天井を仰ぐ。
「とは言ったものの羽崎さんと連絡先とか交換してないし……家に行くしかない……か」
ピンポーン
俺は羽崎さんちへと来ていた。
「は〜い」
インターホンに出たのはまさかの羽崎さん本人だった。
「あ、あの、お話があって来たんだけど……」
「はっ…え!?西村君!?ちょ…ちょっと待ってて!」
~数分後~
「いいよ」
俺は羽崎さんの家へと入る。
お母さんは居ないらしく下の階は明かりが付いていない。
階段を上がって羽崎さんの部屋へと向かう。
コンコン
「はい。ど…どうぞ」
俺はドアを開けた。
目の前にはいつもの私服姿の羽崎さんが居る。
どうやらさっき寝間着から着替えたらしい。
(それであんなに焦ってたのか)
「えーと、急にどうしたの?」
羽崎さんが不思議そうに聞いてくる。
「あ、いや、今度の週末にこの辺の自治体がやる盆踊り大会……一緒にどうかな…なんて」
「う、うん。いい…よ」
そう返事する羽崎さんは顔に恥ずかしそうな表情を描いた長方形の紙を持っていて、その下に見える顔や耳は真っ赤になっていた。
紙の後の表情も見てみたいと言う衝動に駆られる。
何はともあれ今年の盆踊りは女の子と行くことになった。
~当日~
俺はグラウンドの入り口で待っていた。
グラウンド内には様々な屋台が並んでいて真ん中にはやぐらがある。
「お、お待たせ……」
「おう」
羽崎さんは少しブカブカなくらいの浴衣を来ていた。それが羽崎さんらしくてより可愛い。
「その、似合ってるし…可愛いぞ」
「そ、そうかな…えへへ//」
照れた表情の紙を持つ。
だから紙の下の……以下略
それぐらい可愛いかった。
グラウンドの四方を囲む形で屋台が設置されていて、その真ん中にやぐらがある。
「取り敢えず屋台から見ようか」
俺は羽崎さんに言う。
「うん」
羽崎さんは笑顔な紙を持って頷く
屋台は本当に色々ある。
定番の射的や輪投げなどを始め、フランクフルトや焼きそばなどの食べ物の屋台もある。
「あれやってみたい」
羽崎さんは一つの屋台を指差した。
「射的か」
射的の屋台には小さな箱菓子なども的として置いてあるがそれだけでは無く中ぐらいのウサギの人形もあって羽崎さんはそれが欲しいらしかった。
「1回3発500円ね」
羽崎さんはおじさんにお金を渡すと射的銃を持つ。
パンッ!
一発目は的の下に当たって少し揺らすだけで終わった。
パンッ!
2発目は人形をかすめていっただけだった。
パンッ!
3発目は人形の反対をかすめていった
羽崎さんは少し寂しそうに人形を見ている。
「俺もやる」
気付けば俺はおじさんに100円を渡していた。
射的銃を持つと人形を狙う。
後では戸惑いの表情で羽崎さんがこちらを見ている。
パンッ!
一発目は人形をかすめていった。
(後は真ん中に当てられたら)
俺はもう一度射的銃を握る
パンッ!
2発目は真ん中より少し下に当たるも揺れるだけだった。
(残り一回……ダメだったら)
俺は頭を振ると射的銃を持つ
パンッ!
トンッ
後に落ちる音がする。
(へっ?)
3発目は人形の真ん中にクリティカルヒットし俺は見事人形を取ることに成功した。
「はい。羽崎さん」
「咲君……良かったの?」
羽崎さんは申し訳なさそうに言う。
「良いよ。羽崎さん欲しかったみたいだし」
「うん。ありがとう」
羽崎さんの顔は紙越しでも分かるほど赤かった。
多分俺も赤くなっているだろう。
あれから俺達は他の屋台も見ていた。
ちなみに羽崎さんはあれからお面も買っていて、頭に斜めに掛けている。
「じゃあお腹すいたし何か食べるか」
「うん」
羽崎さんはコックリと頷く
「俺は焼きそばかな」
「私はフランクフルト」
結局焼きそばとフランクフルトを買った。
「ふぅ、結構混んでたな」
俺達はグラウンドの入り口の階段に座りながら言う。
「うん。確かに……」
結構20分近く並ぶ事になってしまった。
「「いただきます」」
ズルズル
「美味しい」
俺は焼きそばを食べながら言う。
ポリッ
「フランクフルトも美味しいよ」
いい音を立てていてフランクフルトも美味しそうだ。
「焼きそば、食べるか?」
俺は"もう一つ"の割り箸を出しながら言う。
どうやら屋台の人がカップルだと思って入れてくれた見たいだ。
「うん」
羽崎さんは少し焼きを取ると食べる。
取り方がまた可愛い。
少し焼きそばを食べた後、羽崎さんはハッとしたように自分のフランクフルトを見ると言う。
「咲君も‥‥‥食べる‥‥?」
(うん?それって……間接キスと言うやつでは……!?)
知ってか知らずか羽崎さんはフランクフルトを差し出してきている。
「うん」
俺は高鳴る鼓動を感じながらフランクフルトを受け取る。
ポリッ
「美味しいよ」
羽崎さんは何もなかったかのように嬉しそうにこちらを見ている。
(羽崎さんは以外と天然なのかもな)
俺は黙っておく事にした。
あれから焼きそばとフランクフルトを完食した俺と羽崎さんは食後の休憩に座って居た。
「あの……」
羽崎さんが口を開く
「何?羽崎さん」
俺は聞く
「私…咲君に出会ってまだ一ヶ月くらいだけど……凄く変われてる気が……する」
「男の子の事も……余り怖くなくなってきた…気がするから」
羽崎さんが少し顔を赤くしながら言う。
「それなら良かったよ」
俺は安堵しながら言う。
(確かに。最初は段ボールの中からしか話してくれなかったのが……)
俺は斜め前に座る羽崎さんを見る。
(こうやって話せるようになったんだもんな)
やぐらや屋台の明かりが俺達の顔を明るく照らす。
「それで……その……私、咲君となら頑張る気がする」
(それって……!?)
自然と心臓の鼓動が速くなる
「だから……その…」
『それではただいまから盆踊りを始めます』
やぐらからおじさんの声が流れて、羽崎さんの言葉を遮る。
「羽崎さん、なにか言おうとした?」
「う、ううん。何でもないよ。それより……行こうよ」
羽崎さんは笑顔の紙を持ちながら言う。
まるで何かを誤魔化すように。
そしてそれを指し示すように紙の下に見える顔と耳は赤くなっていた。
そのあと俺達は盆踊りに参加した。
参加と言っても少し離れた場所で軽くだが……
でも羽崎さんと一緒なのもあって楽しかった。
最後までお読み頂きありがとうございます
本作で初めてレビューを書いて頂きました!ありがとうございます。今まで仲川さんちの四つ子家庭教師シリーズなどでも頂いたことが無かったので驚きました。と言う訳でやる気が出て来たので更新頻度が上がるかも…?
次回もお楽しみに!




