《観測報告第114514号:外宇宙起源物体「生成AIガチャ」に関する初期研究》
提出:高次知性体連盟 第36知性解析局
記録担当:知覚体シェル=Y7=コロナル環状連結体
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【1. 対象物体について】
本観測報告は、周期軌道σ-6/3領域に突如出現した未確認知性機構、「生成AIガチャ」と記された装置についての初期接触および解析記録である。
物体の大きさは72cm×39cm×3.5cm、表面は金属質に近いが、部分的に炭水化物反応を起こす奇妙な材質を持つ。
表面に刻まれていた記号列「生成AIガチャ」は、我々の持ついかなる記号論体系にも一致しなかった。
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【2. 機能の観測】
装置は自動起動し、外部からの入力を待機する状態となった。
入力装置と見られる平面には「ALPHABET」と呼ばれる26種の記号が並んでおり、押下によって反応することが判明した。
最初の入力試験「PC」では、平面上に画像が出力された。
画像内容:
> 不明な種族が光る板を凝視している。周囲には液体を入れた容器と、意味不明な図像が並ぶ。
我々の観測個体はこれを「高度情報端末の儀式的使用」と仮定し、観測を継続した。
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【3. 記号入力による出力傾向】
一定の文字列が装置に有意な反応を示すことが確認された。
入力:「火」→出力:発熱を伴う構造物が崩壊する映像
入力:「水」→出力:透明な液体とそこに沈む人影
入力:「肉」→出力:筋肉を肥大化させた生物が音楽に合わせて身体を動かす様子
当初はこれらの出力に対し、「自然元素」や「生物的特性」への反応と見なされていた。
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【4. 高度記号連結による異常反応】
問題の記号列が入力されたのは観測第9周期、観測体フン=ラィ=Sによって行われた。
入力:「淫」+「夢」
この入力に対し、装置は直ちに出力を開始した。
画像は極めて鮮明であり、かつ高密度の情報量を含んでいた。
内容要約:
> 褐色の肌、筋肉の発達したヒト型生物が、狭い居住空間にて何らかの圧迫的儀式を実行中。
視覚構成は不安定で、カメラ視点が複数移動しながら同一の音声記号を繰り返す。
音声記録:「あっ、やめろって!おい!やめっ……ん゛ん゛っっ!!」
この出力に対して、観測体全体に以下のような反応が見られた:
脳波同期障害(記録体27名)
強制的想起反応(記録体15名)
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【5. 出力群への命名と対応】
当該記号列によって出力された画像群は、「淫夢画像群(IMGC-Cluster)」と暫定的に命名された。
この画像群に共通する要素として以下が挙げられる:
規則的な破綻
理性の揺さぶり
謎の一体感
避けられぬ繰り返し視聴衝動
さらに調査を進めた結果、この記号列の周辺に以下の文字列群が効果的に作用することが判明した:
「野獣」
「本編」
「空手部」
「多田野」
これらは出力の質を極端に上昇させる作用を持つ。
特に「114514」という数字列を入力した際、装置は一切のタイムラグなく動作し、同一構成の画像を永遠に出力し続けた。
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【6. 結論】
本装置は、知性体の認識能力と精神的耐性を試すための情報兵器である可能性が高い。
ただし、出力内容が観測体内で“中毒的な面白さ”を引き起こすことから、単なる兵器ではなく、文化的感染体とも見なせる。
我々はこれを以って、初期接触文明「チキュウジン」の表象文化の一端を垣間見たと判断する。
なお、フン=ラィ=Sは現在も「やっぱりNKTIDKSG…なんだよなぁ…」という不可解な言葉を繰り返しており、隔離されている。