そして、新たな邂逅
「こいつには、指一本触れさせないから。」
そう言い放った少年の顔は、横から見て格好よかった。
少女は、そう思った。
三人と二人は向かい合って動こうとしない。
マッシュの両手が不意に光りだす。
それを気に、少年は足に力をこめる。
─ドンッ
爆音を残して、少年は弾丸になる。
マッシュに肉薄し拳を一息に五発打ち込む。
「ゴッア!!」
五発の拳をもろに受けガードできなかったマッシュは地面に崩れ落ちる。
まず。一人。
少年は、次の目標─オルテガに目を向ける。
が、攻撃態勢には入れない。
オルテガが、少年の周りに手から発生させた火の玉を打ち込み、煙幕を張ったからだ。
「どこだ!?」
少年が探す。
煙を切り裂いて、後ろからオルテガが迫る。少年が気がつくがわずかに─
─遅い!!
オルテガは、拳に力を籠めて振りぬこうとして、
少年はそれをガードすべく体勢に入ろうとして、
「伏せて!!」
男の場所に相応しくないキーの高い声に阻害される。
ただ、一つ。
少年が伏せ、オルテガが動けなかったこと以外は。
少女は、右手に力をこめ指を鳴らした。
パチン!!
乾いた、音が鳴り。
──キュボ!!
光の矢のような物が、オルテガを射抜く。
「ガ!?」
何があったのか判らない。といった表情でオルテガは、地に沈んだ。
──ありえない。
二人が地に沈むのを見ながら、ガイアはつぶやいた。
─こんなはずがない。俺たちは、そこまで強いわけでもないが、まさか素人達にココまでコケにされるはずが無い。
少年が、攻めて来る。
ガイアは、それを器用にかわしながら考える。
─まさか、この二人は!?
しかし、その後の思考は繋がらなかった。少女の光矢を諸に喰らった。
今だ。
少年は、そう思い左手に力を籠め思い切り打ち抜く。
強烈なボディーブローが決まり、ガイアは崩れる。
─終わった。
少年は、力を抜く。
と、次の瞬間
ゾクッ
なんともいえない恐怖に襲われる。
「こんな、こんな筈がないッ!!」
もとは、ガイアだった。眼鏡キャラが壊れている。
ガイアの周りに、強い風が吹きすさぶ。
少年の本能が語りかける。
逃げろ
しかし、できない。
足が、動かない。
「調子に乗るなよ!!」
ガイアが叫び、声にならない咆哮を挙げようとしたとき。
「あら~、ココにロウじゃないの~。」
またも、そぐわない声が響く。
その声のほうを見ると、そこには牛がいた。
なんというか、全体的に。牛だった。
小さめの耳、ちょこんとした角、細い尻尾。
そして、これでもかと存在感を示す。
胸。
「あ?あんた誰?」
ガイアが聞く。
「ん~、フェレスて言ったら、君たちでもわかる~?」
間延びした独特な言い方でその女は答えた。
「んな!?フェレスだと!?」
目を覚ました、マッシュが目をむく。
「わかった~?この子達は~私のともだちなの~。もしこの子達に~手を出したら~…どうなるか、わかるよね?」
最後のほうは、凄みがあった。
「わ、判った。ボスには俺たちが言っておく。す、すまなかった。」
そうマッシュは、言い置いてオルテガとガイアを引きずりながら立ち去った。
その気になれば、前書きの部分で全部収まりそうジャン。
そう思ってやまない、う~やんです。
とりあえず、新キャラを出すくだりで、この話を止めて、GWなので、勉強セナいかんかなと思いまして。
次回更新は、かなり先になり長いか短いかは、その時期にも寄りますが、お付き合いしてくだされば幸いです。
では、また今度の機会に。。