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関所

箱職人の旅は続きます。

今回は不具合の発生している箱が対象です。

古の昔、神は様々な種族を作られた。

また、それぞれの種族に祝福を与えられ。

それぞれの種族は与えらえた特性により、その繁栄を約束された。

ただし、人間を除き。

最初の人間は神に願った。

神の叡智の箱を模した小箱を作る許しを。

情け深い神はそれを許したもうた。


ただ、神の誤算は人間が小箱を人の数よりも多く作り、また、身の回りの道具として

使い他の種族より繁栄し、20000年もの間、箱を使い続ける事だった。


1999X年世界は滅亡するという予言の書(コバヤシ著)が世界中を賑わせた。

愚か者は予言に踊らされ刹那的に日々を過ごし、

少し賢き者達はその姿をあざ笑った。

賢き者達は口少なく、目を見合わせた。

世界の一握りの者達だけが現実と向き合い青くなっていた。


ある日、大聖堂にあらゆる宗派の箱職人が集められた。


/*********************************************************/


うららかな青空の下、一行は荷台でうたた寝していた。

旅は順調に見えた。

馬車が三叉路で寂しげな道へと進もうとする。


おいおい、道が違うんじゃないか?

俺達はこの先の関所に用があるんだよ。

モンキーポッドは御者に声をかけた。


おいおい、勘違いするなよ。

俺は追いはぎや山賊の手先じゃあねえぞ。

御者はあらぬ疑いをかけられて少し怒り気味で答えた。


いいか、関所は今通行止めなんだよ。

なんでも落雷のせいで関所の箱が壊れたそうで、大回りするんだよ。

こういうと御者は申し訳なさそうに答えた。


元々、馬車の通り道なので物のついでに乗せてもらってるので

強くは言えない。

謝礼は出すから寄ってくれないか

できるだけ下手にでてこういった。


御者は急に馬車を止めた。

あんたここで降りてくれよ。


ちょっとどうしたの?トラブル?

フォーセが長い髪をかき上げながら聞いてきた。

そのたわわな胸の谷間から箱職人の証である札がはみ出していた。


なんだ、あんたら箱職人なのか?

こいつは悪かったよ。

落雷で壊れた関所の箱を治しにいくんだな。

御者は勝手に誤解して納得して、馬車の向きをかえると

関所に向かった。

あそこの関所が使えないと遠回りになって本当に困ってたんだよ。

御者は頭を掻きながら言った。


関所の手前で皆馬車から降りた。


悪いが先を急ぐんでここまでで勘弁してくれ。

そう言い残すと御者は馬車をだした。


関所の門番が寝起きの頭を掻きながらやってきた。

なんだお前ら、ふれをみてないのか?

関所は通れないぞ。

門番は訝しげにこっちを見ていた。


あ、もしかして

箱職人か?


モンキーポッドは胸のポケットから。

ツジドウは腹巻から。

フォーセは胸元から。

マヌーはパンツの中から。

それぞれ、箱職人の札を見せる。


予定より早く来たな。

まあどうでもいい。

門番の人形が言うことを聞かなくなって。大変なんだよ。

早いとこやってくれ。


何があったんだ?

モンキーポッドは門番に尋ねた。


どうした?

関所の反対側から声がかけられた。


ああっ、箱職人が来たぞ!

落雷の後だっけ人形の動きが可笑しくなったのは?


そうだ。

近くに落雷が落ちてからだ。


近くの大木に落雷でできたと思われる裂け目と焦げ目がついていた。


避雷林にしては近すぎる。

施工ミスじゃないか。


関所の前には人形が立っていた。

古いタイプだな。


落雷のショックでシステム時計が未設定状態になったと思われる。

初期状態だったら、生命に危険はない。


2択無限ループを仕掛けるぞ。

モンキーポッドはツジドウに声をかけた。


二人は左右等距離で近づいた。

人形は二人の間で動きを止めたというか。

細かく左右に震えていた。


フォーセは胸元から天眼鏡を取り出して調べ始めた。

遠隔確認。

型式名番と製品番号から該当品の箱だわ。


モンキーポッドと人形の追いかけっこが始まった。


汗だくになったモンキーポッドはツジドウに声をかけた。

バックアップとログはとれたか?

関所から離れ地面に倒れ込んだ。


おう、見てくれ

ツジドウはモンキーポッドにログを見せた。

額の汗を拭いながら、ログを追う。


落雷のあった日以降のログがない。

というか、間違った日時でログがとられている。

暴走の原因は落雷のショックでシステム時計の日時が狂ったということで

正解みたいだ。


ニキ物流とニキ保守員がやって来た。

おいおい、素人が手をだすな。


トラブル対応はツジドウ担当なのだが、ニキ物流のオークはガチムチで

腕周りは大人と子供程の差があった。

ツジドウはすごすごと引き下がった。


額の汗を拭き拭き。

同じ、ニキ宗派じゃないかと声をかけた。


ニキ物流とニキ保守員は顔を見合わせた。


モンキーポッドは胸のポケットから。

ツジドウは腹巻から。

フォーセは胸元から。

マヌーはパンツの中から。

それぞれ、箱職人の札を見せた後、対策免状をだした。


噂には聞いていますが、にわかには信じがたい。

電子鳩で上司に確認をとります。


超特急で頼む。

モンキーポッドは答えた。


返事の電子鳩が飛んできた。

上司の許可をもらいました。

自分はサポートに回ります。


保守員権限で日時設定した。


人形はその場に一旦止まった。

所定の待機位置まで移動して、待機姿勢に入った。


テストプログラムを走らせて。

正常終了を確認。

システム停止指示。


マヌーはコネクタの清掃済ませた。

対策済みの箱と交換して、システム起動。

テストプログラムを走らせて、正常終了を確認。


ニキ保守員に引き継ぎを済ませると、その場を去った。


悪いけど、近くの街まで乗せてくれない。

ニキ物流の男にモンキーポッドは声をかけた。


/*********************************************************/


モンキーポッド(CV:杉田智和)

ツジドウ(CV:中村悠一)

マヌー(CV:井口 裕香)

フォーセ(CV:早見沙織)


箱職人の旅は続きます。

次はどんな箱が作業対象になるか?

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