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緩む
部屋に戻ると、食い過ぎて身体が重かった。
ベッドに横わり目を閉じるが、じわり緊張しだして、すぐに目を開ける。
もぞもぞとベッドの上を所在無げに転げ回る。
「雨が降らなくて良かったね」
嫁ちゃんが言う。
「そうだね。どんよりしているけど良かった」
旦那ちゃんは頷く。
本当にそれが何よりだ。
せっかく遠く沖縄まで来ていただいた皆さんに、ずぶ濡れなんてかって欲しくない。
沖縄といえば、ピーカン気分でお祝いしてもらいたいのだ。
「ほら、スタッフの人が、沖縄の天候は変りやすいって言っていたから、意外と晴れてくるかもよ」
「そうだね。嫁ちゃん、自称、晴れオンナだもんね」
「うん。自称だけは余計だけどね」
嫁ちゃんは何故か自信満々だった。
確かに彼女は晴れオンナである。
デートの時も天気予報が悪くても、晴れてしまう・・・不思議ちゃんなのだ。
「そうだね」
旦那ちゃんも根拠がない、嫁ちゃんの自信に賛同することにし、ベッドから起き上がった。
(きっと・・・晴れるさ!)