結婚式④
続いて誓いのキスへ。
まあ、旦那ちゃんですから、こういう見せ場の大事な所で、もたつくわけです。
嫁ちゃんの純白のベールをあげるのに大苦戦、ようやくあげたと思ったら、無意識に超念入りにベールの皴のばしをしていたのだ。
そこから我にかえった旦那ちゃんは嫁ちゃんの顔をワンハンドキャッチ(わし掴み)し、ワイルドに熱いベーゼを交わす。
参列席からは、ほーう、やっと出来たね、良かったね、という生温かい拍手が送られた。
てへっと旦那ちゃんは首をすくめ前歯を出す。
神父さんは先程書いた結婚誓約書を見せ、見届け人のサインを促す。
まず新郎側から旦那ちゃんの母が、緊張した面持ちとぎくしゃくした足取りで壇上にあがり、サインをする。
その姿を見た旦那ちゃんは、ただただ感謝だった。
いつ見ても美しい二重顎のラインが、やや低めの机でかがむ格好となり、よりいっそう二重顎が強調される。
ファンタスティック!母は素敵で無敵だ。
続いて、新婦側の妹ちゃん。
うちの母と違い、堂々と記入される。
あまりの落ち着きぶりに、ちょっとしたハプニング起きないかしらと思ったものだ。
それが済むと、スタッフさんがテキパキと動く、嫁ちゃんにブーケを手渡し、さりげなくドレスの裾を持ちサポート。
まさに洗練されたビジネスライクスタイルだ。
タイムイズマネー。
旦那ちゃんと嫁ちゃんは、参列席のみんなへ振り返る。
「ゴー、キレツ、クダサイ」
神父さんの声に皆さんが立ち上がる。
旦那ちゃんは、ほっと安堵した。
とりあえず、無事に式が終わった。
遠い沖縄。
みんなに参加していただき、本当に幸せをかみしめる。
♪た、た、た、たーん♪と「結婚行進曲」が流れる。
旦那ちゃんは伴侶嫁ちゃんと腕を組み(ここは間違えてないよー)、固まる足で、結婚できた喜びを感じ、みなさんの祝福の拍手の中を歩く。
扉の前で振り返り、二人で一礼。
静かに扉が閉まり、舞台裏に戻ると緊張が解け、互いに顔を見合わせ微笑んだ。
ここからはリゾ婚ならでは、外の美ら海を背景にしたイベントがある。
みんなが一旦、外に出るまでの間、二人は談笑した。
同行するメイクさんは嫁ちゃんの前髪の手入れに余念がない。
神父さんからは「オメデトウゴザイマス!」と結婚誓約書を手渡され、熱い握手を交わした。




