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結婚式➂


 嫁ちゃんをぎこちなくエスコートし、神父さんの待つ壇上へあがる。

 しかし、三段ぐらいの階段の一歩目で、旦那ちゃんが(つまず)き、二人ともどもぐらつく。

 参列席から笑いが起こる。

 ふふふ、これもまた皆を和ます、作戦なのだから。

 皆、わざとやっているのが分からないかなぁ~(汗)。


 そんな軽いハプニングはさておき、ビジネス神父さん(あっ、言っちゃった)により、はじまりの挨拶があり、厳かに式は始まった。

 抑揚のあるカタコト言葉で、ことさら外人アピールをする神父さん。

 たぶん、日本語ペラペラと思う。


 まずは、誓いの言葉。

 ここにきて疲れのピークをむかえる旦那ちゃん、辺りの眩しさに目を細め眠気に耐える。

 一方の嫁ちゃんは激しく瞬きをしている。

 そんな中、神父さんの一通りの文言の後、復唱し互いに「誓います」の宣誓。

 神父さんの言葉を復唱する旦那ちゃんは、鼻をぴくつかせ、かつ出っ歯で食い気味に「誓います」と声を上ずりながら言った。

 一方、嫁ちゃんは尋常なく、瞬きしながらも淀みなく「誓います」と言った。


 曇天だった空も時折、光が差し込み、教会内を優しく包みはじめた。

 指輪の交換は、もたつきながらも、互いの薬指になんとかおさまる。

 無事済んで、参列席からは安堵の歓声があがる。

 

 続いて愛のファイヤー(自称)だ。

 正面の十字架の両脇に置かれた剣(サーベル風に見たてたチャッカマン、失礼)を中央のキャンドルに灯す。

 そうよくあるアレだ・・・でも、サービス(つけて回る)はしないよ。


 全面ガラス張りの窓からは、青い沖縄の海、万座毛も眼前に見える。

 ナウロマンティック。

 二人の震える腕が、今、キャンドルに愛の火を灯す。

 ああ、二人に幸あれ(自分で言うな)。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 雲の切れ間から光が差し込む。 それはきっと素敵な光景だったんでしょうね。 素敵なシーンが浮かびました。 [一言] では、僭越ながら私も申し上げます。 「お二人に幸あらんことを」
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