結婚式②
会場が和やかな雰囲気に包まれる中、式は続く。
目の前まで来た、花嫁ちゃんとお義父さん。
旦那ちゃんは、お義父さんに感謝の一礼をする。
お義父さんから嫁ちゃんをバトンタッチ。
返品不可、嫁ちゃんの顔にはそう書いてあるようだった。
旦那ちゃんのエスコートで嫁ちゃんと腕を組むことになっている。
リハーサルでは、何事もなく出来ていた。
しかし、今、目の前では旦那ちゃんと嫁ちゃんの腕の組み方が逆になっているのである。
・・・時が止まる・・・。
つまり旦那ちゃんが女性の側の腕の組み方をして、嫁ちゃんが男性の腕の組み方をしている。
まさに二人の未来を暗示させるような(嫁関白宣言)出来事。
由々しき事態。
という事は、はじめに腕を差しだすのは男性・・・つまり嫁ちゃんがフライングをして、旦那ちゃんが、その腕に巻きついたのだ・・・
だとすれば、旦那ちゃんの否は軽い。
そうだ!そうなのだ!
「・・・・・・」
「・・・・・・」
という訳で、腕の組み方を直さなければと思った二人は。
恐るべきスピードで互いの腕をぐるぐる回転させる。
うでがぐりぐりーってなってしまった。
うーん、まさに目にも見えない速さとはこのことだ。
ぐる、ぐる、ぐるっ、ぴたっ!
焦った割には、簡単に腕組みは戻った。
ふう。
旦那ちゃんと嫁ちゃんはお互いに苦笑い。
お義父さんは失笑する。
嫁ちゃんの妹さん、愛娘の結ちゃんは旦那さんに抱かれて、無邪気に笑っていた。
まぁ、場がこれでより和んだな。
これも作戦ということで、よろしく!




