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魔力が見えるのは珍しい

「それはそうと、クロウ君。さっきのはどういうこと?」

「さっきのって・・・どれですか?マグナガルダ=ベスフーリ氏についてですか?」

「誰よそれ!?ヒールリーフのアノ・・・魔力保有量がなんとかっていうのよ」

「なんだ、やっぱりマグナガルダ=ベスフーリ氏のことじゃないですか」

「誰なのです?マグナ・・・なんとかさんって」

 著書が爺ちゃんの本屋にしかないから知られてないのはしょうがない。しょうがないけど・・・こんなにも凄い人が知られていないというのは悔しいな。もっと知られているべき人なのに。


「素晴らしい人ですよ。マグナガルダさんが書いた『ヒールリーフ研究マニアックス』という本に、とても詳しく記載があるんです。爺ちゃんの本屋にあるのでぜひ読んでみてください。」

 冒険者ギルドにも有用だと思うんだよね。バドルさんにも目が覚めたら勧めてみよう。あ、でもうちの爺ちゃんとなんか仲悪そうだよなぁ。まぁまだダメージが抜けないみたいで動かないんだけど。


「リーフリーフ査定表があれば簡単な査定はできるんですけどね。冒険者の中には荒っぽい人も多いでしょう。そんな人が採ってくるヒールリーフって状態が悪かったりしませんか?」

 僕の問いかけに、ルムルがこくりと頷く。採取が雑だったのか、袋に硬いものと一緒に押し込んだのか。原因は分からないけど、葉に深く傷がついたりしたものがあるのだという。


「ヒールリーフが含む魔力ですが、時間の経過で抜けることは有名ですが、傷のついた箇所によっては、一気に魔力が抜けてしまうことが、マグナガルダ氏によって解明されています。」

「・・・それって本当なの?」

「僕は本当だと思っています。ルル・・・冒険者見習いの子たちに着いて行って、実際にヒールリーフを採りにいって何度か確認もしましたから。」

 確かめたからこそ自信をもって言える。まだ出回っていない選別方法だけど、間違いなく真実だと。だからと言って広まることはないだろうね。だってこれは・・・


「クロウ君、貴方・・・。魔力が見えるの?」

「はい。多分きっかけは筆記スキルだと思います」

 ミミリーさんからの問いに僕は首を縦に振った。そう、何時頃からかは忘れちゃったけど、物に込められた魔力とかがなんとなく分かるようになったんだよね。

 あれ?反応が返ってこない。ミミリーさんとルムルが口を開けて固まってしまった。うーん・・・母さんからも驚かれたけど、8歳(もうすぐ9歳だけど)でスキルを授かるというのは相当珍しいみたい。


「ク、クロウさんはもうスキル使えるのです?」

「うん。ルムルの持ってるそれ、僕のスキルで作ったものだからね。出来るようになるまで結構大変だったんだよ」

「ほへぇ・・・すごいです・・・」

「ホントにスキルってすごいよね」

 スキルはとても便利な力だ。爺ちゃんから借りた本を何冊も読んでみたけど、スキルは誰でも授かるわけではないみたい。まだ解明されていないけど、『神様からの授かりもの』っていう意見がほとんどみたい。僕もその説を推してる。それ以外の説に説得力がないから消去法だけど。ホントにスキルには助けられてる。主に金銭面で。


「凄い子なのは知ってたけど、まさかスキルまで・・・しかも魔力が見える?『魔力視』なんて・・・」

 ミミリーさんは難しそう顔で何かを呟いて、何かを決意したように「ウン」と一度頷てから、いまだ真っ白になっているバドルさんへと近づいて正面に立つ。え、何ですか、その右手にもった棍棒は。それを上段に構えて大きく振りかぶって!


パコォォォォォォンン!


上から頭に棍棒を叩きつけられて、顔から地面に突っ伏すバドルさん。ミミリーさん躊躇なく思いっきりいったなぁ・・・。


「ンガ・・・あぁ、なんだ寝てたのか」

 あれを寝てたで済ませるのか・・・。ミミリーさんも何もなかったみたいな顔してるけど、しっかり棍棒をこっそり隠してるし。意外とバイオレンスなところあるんだなぁ・・・怒らせないようにしなきゃ。

バドルさんが目を覚ます様に頭を2,3度ふってるけど、叩かれた場所をさする様子もない。頑丈すぎるにもほどがある。筋肉は伊達じゃないなぁ・・・あれ、頭って筋肉あったっけ?・・・まぁいいか。


「バドルさん、ちょっとお話があります」

「おぉ、ミミリーちゃん。どうした、難しい顔をして」

 はぁ、と溜息を吐いてミミリーさんは言う。


「クロウ君ですが、見習い扱いどころか、正規査定士よりも有用な可能性があります。即戦力で大丈夫なようです」

「ん?何も教えとらんぞ?」

「『魔力視』がすでに育っています。王都への派遣要請が必要なくなる可能性があります」

「・・・なんじゃと?」

 バドルさんが驚いた顔で僕を見る。強面の顔でそんなに凝視されると心臓が驚いちゃうのでやめてください。お願いします。そのうえノッシノッシと近づかれたら、うちの可愛い妹だったら泣いて逃げだいますからね?


「坊主、『魔力視』はどのくらいだ。」

 『ちっこいの』から『坊主』にランクアップ(?)してる。さっき僕の頭をミシミシと締めあげたことは覚えているのだろうか、忘れているのだろうか。


「分かりません。計る方法を知らないので」

「む・・・そうか。ワシも詳しくは知らんから何とも言えんな・・・」

 どの本にも、魔力を目で見る方法なんてものはなかったので、僕にしては珍しく、実体験が先で知識がまだない。なので『魔力視』なんていう単語も初めて聞いたくらいだ。


「ミミリーちゃん。物は試しだ。アレを持ってきてくれ」

「えぇ、分かっています。すぐに持ってきますね」

 そういってミミリーさんが退室する。何かを持ってくるそうだけど・・・不安だ。何を見せられるんだろうか。


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