見習いになれました
「ルルとラッセルの成果はこれがあったおかげです。」
僕がそうやってミミリーさんに説明をすると、直ぐに食いついてきた。「詳しい話はギルドマスターと相談してから」とのことだったので、「僕も爺ちゃんを通さないと怒られそうなので」という事情もあって、後日改めてという話になった。
翌日、爺ちゃんに話を持っていくと「その話、ワシが預かる。よいな?」と、今までにない圧をかけられつつ了承させられた。元より爺ちゃんにまかせようと思っていたので是非もなかったけど、まさかこんなに大事になるとは思わなかった。
『ヒールリーフ査定表』
僕が作った本以外の商品らしい商品の第一号は、結果から言うと、ギルドに売ることは出来た。だけど与える影響が大きすぎるということで、数をかなり制限させられた。査定内容は門外不出というわけではないが、技術や知識はしかるべき場所で管理されるべきということなのだと、後で爺ちゃんから聞かされた。「冒険者ギルドや薬屋の収入を奪う危険があるのでちゃんと考えるように」と、しっかり釘を刺された。僕の無知で誰かが不幸になるところだったと思うと、背筋がゾクッと震えた。
そんなわけで、冒険者ギルドからの召喚状が届いた。呼ばれなくてもほとんど毎日のように顔を出しているので、そんなことしなくても・・・とも思ったけど、ギルドマスター直々に会うという一文を見て、再び背筋が凍った。自分のしてしまったことの大きさに押しつぶされそうだ。
「がっはっは!そんなに顔を青くせんでもよいよい。お主は悪いことはしておらん。そうじゃろう?怒るために呼んだわけじゃないから安心せい。」
呼び出されたギルドマスターの執務室で、父さんに怒られている時のように膝を振るわせて俯いていたら、肩をバシバシと叩かれて胸を張れと言われた。
目の前には爺ちゃんと同じくらいの年齢と思われる男の人。でも爺ちゃんと比べて体は二回りくらい大きい。まだ現役と言われても納得するくらいにがっちりした体躯のお爺さんが、この町のギルドマスターのゴルドルさんだ。
「でも僕は・・・爺ちゃんに言われるまで分かっていませんでした。どんな影響があるかを考えずに・・・」
「だぁーー!ガキの癖に難しく考えてんじゃねぇ!ガキのうちから何でもできるわけねーだろ!ケヴィネンもまだ生きてんだ。今のうちに失敗しとけぃ。」
そういって背中までバシンバシンと叩いてくる所為で、息が詰まる。緊張で息が詰まりそうだとは思ってたけど、物理的に詰まらされるとは思わなかったよ。
「ケホッ、ケホッ・・・・痛いです、ギルドマスター・・・。」
「おっとそうか?すまんすまん。年を取ると加減が難しくてな。がっはっは。」
言いながらなおも背中を叩き続けないで欲しいんですけど・・・。痛い。
「おっと、本題を忘れるところだった。すまんすまん。クロウよ。お前さんが作ったものは確かに影響がでけぇ代物だ。お前さんのことはミミリーからも聞いてたが、正直驚いた。」
「それは・・・ありがとうございます?」
「おう、褒めてるぜ。・・・でだ。」
ギルドマスターは急に真剣な顔つきで僕を見た。思わず喉がなった。
「クロウ。うちのギルドに登録する気はないか?」
「えっ!」
まさかのギルドマスター直々にの勧誘だった。僕が冒険者に・・・?
「こっ、こちらからお願いしたいくらいです!!」
思わず上ずった声が出てしまった。ちょっと恥ずかしい。
「おっ!そうか!慣例に従って見習いからにはなるが、クロウなら直ぐに仕事も覚えて一人前になるだろ。がっはっは!」
そして再び叩かれる背中。い、痛い・・・でもこれで僕は念願の冒険者になれるんだ・・・!でも痛い!
「じゃぁ明日は朝に顔出してくれるか?」
「分かりました!」
緊張していたけれど、想像以上の結果に終わって、僕は満足して家路に付いた。
母さんからは「何かいいことあったの~?」と言われるくらいにはニヤニヤしていたみたい
いつものご飯がやたらと美味しかった気がする。
そして翌日、ギルドマスターとの約束で、早速朝から冒険者ギルドへ向かった。今日から、ルルの手伝いではなく、僕も冒険者として活動できるかと思うと、自然と駆け足になった。
そうなると思っていた。
「えっ?クロウ君、ギルド職員の見習いになるって聞いてるけど」
「えっ・・・・・・すいません、聞き間違えたみたいです、もう一度お願いします。」
受付のミミリーさんは困ったように、すこし悪戯っぽくもう一度言った。
「ギルドマスターにやられたのね、ふふっ。
クロウ君、貴方、今日からギルド職員の見習いよ。」
見習いってそっちぃぃぃーーーー!!!
これにて1章は終了です。駆け足で一気に投稿しました。キリのいいところまで読みたい派なので。
連投しましたけど、実際どういう風に投稿した方がいいんでしょうね?分かりません\(^o^)/
ちなみに、書いてあった分も終了です(´・ω・`)
次の投稿までどれくらいかかるかなー(遠い目)




