父さんとはちょっと苦手です
家に帰ると珍しく父さんがいた。父さんは必要最低限のことを事務的にしか話してくれないので、実はちょっと苦手だ。夜更かしして寝坊しては怒られるというのを繰り返したからというのもあるけど。
「町の外に出たのか?」
「う、うん。孤児の子に助けてくれって連れられて。」
「そうか。」
夕食の時に、なぜだか父さんは、僕が町の外に出たことを知っていた。なんでだろう?母さんは何も言わないけどなんで気づいたんだろう。
最近はどうしているだとかから始まって、ちゃんと寝ているのかと聞いては「そうか」といだけ。正直父さんが何を考えているのか分からない。
「あまり危ないことはするな。」
最後にそれだけ言って食事を終えた父さんは部屋に戻った。困惑している僕を余所に母さんはニコニコと笑っているだけだった。
食事もおわり、部屋に戻る前に身体を拭こうとして「あぁっ!」と思わず声を上げた。今の今まで気にしていなかったけど、森に連れていかれたときに結構枝葉に引っかかっていたせいで、服が少し汚れていたのと、袖の部分が若干破けていた。そりゃ気づかれるわけだよ。
特に怒られたり、町の外に出ることを禁止されたりはしなかったから良かったけど、隠しておこうと思ってたんだよね・・・危なかった。せっかく外に出る機会を無かったことになるところだった。
・・・禁止されてもこっそり行ったと思うけど、後で怒られるのはヤッパリ嫌だからね。
身体を塗れたタオルで拭いて、少しさっぱりしてから、自分の部屋に戻って、今日出会った冒険者見習いの孤児たちのことを考えていた。ヒールリーフはランクG依頼なので、それほど報酬は高くない。だからこそ見習いや低いランクの冒険者が受ける。だというのに、ルルたちはその効能がどこにあるかすら知らない状態だった。
冒険者見習いになるには、教える師匠が必要なはずなんだけど・・・孤児たちの師匠になっている現役冒険者は一体何を教えているのだろうか・・・。
そんなことを思いながら、今日あった出来事をまとめていく。今日はなんといっても町の外に出たこと。そしてルルたち孤児の冒険者見習いと知り合えたことが大きい。
ヒールリーフは色の判断 現物がないとなかなか分かりづらいかもしれない。
ルルが籠に入れていたヒールリーフは、最良から無価値までが入っていた。おそらく一株すべて採取したんだと思う。その大半が徒労に終わるというのはあんまりだ。だから見分け方を教えることにした。まぁ町の外に連れ出してほしいっていう交換条件も出させてもらったけどね。それくらい町の外は見る者すべてが面白かった。
ルルたちの採取したヒールリーフもよかった。実際に生えているところもみたかったけど、1株丸ごと採取したらあんなにも取れるのかとびっくりした。やっぱり本では得られないことが外にはたくさんあると実感できてすごく充実した一日だった。
明日からはしばらく本の複写もしなくても大丈夫なので、朝からルルたちに付いていくのもありだなと思いながら、ベッドで横になった。




