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8.俺の幼馴染は鈴谷の嘘を信じてしまったようです。

あとがきに色々書いてます。


この修羅場のような空気から逃げるように冬雪は『あ!そうだ!急用を思い出しちゃったぁ!おにぃちゃん一緒に登校するのは明日にしようね!それじゃあ、行ってきます!』と言ってすぐに学校に向かってしまった。さて、ここからどうするか…とにかく何か喋らないと…


「えっと…こちらが俺の幼馴染の…」


「お願いだから少しの間黙っててね灯夜くん」


一応同じクラスだけど説明しようと思っただけなのにまさかこんな食い気味に言われるとはどんだけ怒ってんだよ鈴谷。そしてドアを開けた張本人でかつこの会話を聞いて戸惑っているのが俺の幼馴染である雨宮琴音。琴音も鈴谷と同じく美少女との呼び声が高く告白する人は後を絶たない。


「ねぇ、灯夜くん、私…なんかやらかしたっけ?」


そりゃそんな反応するよな。だって朝いつも通り俺と一緒に通うために俺の家に来たらこんな怖い顔をした学園№1の美少女がいるんだもんな戸惑って当然だよな。


「いや、琴音は…何も…悪く…ないよ…」


俺が琴音と話すたびに鈴谷が俺の事を鋭い目つきで睨んでくる。それにビビり俺の声はだんだん小さくなっていく。


「あの、琴音さん、貴方と灯夜くんは…ただの…幼馴染なんだよね…!?」


鈴谷は真剣な顔で質問する。答え次第では何かあるのだろうか。しかし当然ながら俺と琴音はただの昔からの幼馴染なだけなんだけどね。


「えぇ!?と…灯夜くんとは幼稚園の時からの幼馴染なだけだよ!?それがどうかしたの?」


なんでそんな慌てながら言うんだよ琴音!。それだとまるで俺と琴音に昔何かあったみたいに思われるだろ!?そしてこんな琴音の反応を見た鈴谷はいろいろと考え込んでいるのだろうか、誰とも目を合わせずに下を向いていた。


「へぇ、なるほど、でもそれならよかった!実は私たち………」


俺と鈴谷が兄妹になることを言うのだろうか。その事については後で俺から伝えようと思っていたのだがまぁ、今でも別にいいか。


「付き合い始めたんだよね!灯夜くんと!」


「え…………今………なんて?」


「え…そうなの?灯夜くん……」


付き合ってる?俺と鈴谷が?今後兄妹になる人と?え、なんで鈴谷はそんな白々しく嘘なんてつけんだよ!そしてなんで琴音は泣きかけてんだよ!ともかく俺はまずこの嘘を訂正しないと。


「は!?俺と鈴谷が!?そんなの付き合ってるわけ…」


「私たちが付き合ってるのがばれたからってそんなに恥ずかしがらないでよ!灯夜くんから告白されたとき私…嬉しかったんだから!」


鈴谷はわざと顔を赤くして上目遣いで俺のことを見てくる。その顔は客観的に見たら嘘とはわかりにくい完璧な顔だった。よくまぁそんな嘘に嘘を重ねられるなぁ鈴谷!ってそんなことより早く訂正しないと琴音が誤解しちゃう…


「いや、だからそれは真っ赤な嘘…」


「そうだったんだね、灯夜くんよかったね。それでも私と一緒に登校しようとしてたのはダメだよ?だから今後は二人で…登校…してね…」


悲しそうな顔をしながら琴音は俺の顔を見る。嘘だと言おうとするタイミングで毎回どちらかが話し始めるためなかなか言い出せない。けど、これ以上は流石に嘘だと言い出しづらくなってしまうので俺はもう一度否定しようとする。


「何度も言うけど本当に俺は誰とも付き合ってなんて…」


「あ、そろそろ家でないと…じゃあね、灯夜くん、鈴谷さんと末永くお幸せにね!」


時計を確認するがそこまで急ぐほどの時刻ではまだなかった。


いつもはゆっくり行こうなんて言う琴音なのに今日はなんでそんなに早く行きたがるんだ?もしかして本当に鈴谷の嘘を信じ込んで空気を読んだっていうのか?ってこのままじゃ、琴音は鈴谷の嘘を信じたままになってしまう。


「ちょっと待ってくれ…」


「灯夜くん!なんで私から離れようとするの?今は私との時間を楽しんでよぉ~!」


そう言って俺の腕に抱き着いてくる鈴谷を離れさせようとするけど中々離れてくれない。


「いや、だからこれも全て鈴谷の嘘で…」


「そうだよ灯夜くん…今は鈴谷さんと二人の時間を大切にしないと…」


そう言って琴音はドアを開けて外に出る。この時の琴音は涙をこらえている様に見えた。このまま誤解されたままだと俺と琴音の関係に影響があると思い俺は急いで玄関のドアを開けるが外には誰もいなかった。そしてこの誤解を絶対に解こうと思い俺はカバンを背負って家を出ようとする。


「ねぇ、ちょっと灯夜くん…謝りたいことがあるんだけど…」


「ごめん、今は無理」


先程の明るい声でなく暗い声なところからしてきっと鈴谷は俺に謝ろうとしているのだろう。だけど、俺は今はそれより大事なことがあった。


「あ、うん…そうだよね…ごめんね灯夜くん…」


俺はこの言葉を聞いてドアを開けて琴音を探そうとした。そのときに道端に灯夜にとって見覚えのあるあるものが落ちていることに気づいた。


「これって幼稚園の時に琴音にあげたやつ……なんで…琴音まだ持ってんだよ…」


幼稚園の時にあげたものが道端に落ちていた。そしてそれは懐かしい俺の思い出でもあり俺はあの時のことを未だに鮮明に覚えていた。だけどまさか琴音が今でも持っていたとは思わなかった。俺はそれをポケットにしまい琴音を探し始める。


さて、ここから琴音を探さなくちゃいけないんだけど…

まだ、学校にはついていないだろうと思い俺は登校するときに通る道にある店や商店街によってみるが琴音はどこにもいなかった。


「もう、学校には間に合わないか…」


もしかしたら琴音は学校に普通に登校したのかもしれないということを考える余裕すら俺にはなかった。俺はただただ一生懸命無心になって琴音を探していた。そして琴音のいそうな場所はすべて探し残る候補は一つとなった。そこは昔琴音とよく遊んでいた公園…

俺は公園に行きあたりを見渡す。そこにはブランコに座っている一人の女の子がいて…


突然なのですが、今日から一か月間毎日投稿してみようと思います!まず明日には予約投稿しておいたので23:00に投稿されます。

毎日投稿しようと思った経緯について興味のある方はこの後活動報告にあげるのでそちらを確認してください。あと、次話はこのメインヒロイン三人のうちの誰かの視点です。

最後に作者のモチベーション維持にも関わりますので是非ブクマとしていない方はポイント評価をよろしくお願いします!

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