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29/30

29.起きたら、義妹と妹が隣で寝てました。


「むにゃむにゃむにゃ、えへへっ!おにぃちゃん!むにゃむにゃ」


「えっと………」


朝起きたら、眞尋と冬雪が俺のベッドで一緒に寝てるんだけど……


俺は、なぜこのような状況になっているのか全く見当もつかない。

あ、もしかしてこれは夢か!そうだよな、夢に決まってるよな!と、強引に結論付けて俺は、痛く感じない程度に自分の頬を叩く。


「あれ?変わらないんだけど……おかしいなぁ」


俺が頬を叩いていると隣から寝起きの声が聞こえた。


「あ、おにぃちゃん、おはよぉ~!」


目をこすりながら、起き上がろうとする冬雪。

えっと、何故冬雪はこんな自然な感じでいられるんだ?

兄のベッドで寝るのってもしかして一般家庭では当たり前なことなのか?って、そんな訳ないか。


「冬雪、俺は今、夢の世界にいるのか?」


僅かな可能性を信じて俺は、これは夢なのかと聞く。


「何言ってるの?現実世界のお話だよ」


うん、だよね、これって夢の中の出来事じゃないよね!?

それなのに、何で君はそんなに平常心保っていられるのかな?


「因みに、俺が寝たときこのベッドには俺しかいなかったはずなんだけど、何で冬雪と眞尋がいるのかな?」


怒っているわけじゃないけど、理由がない限り兄のベッドで一緒に寝ることなんてないと思うし、気になったので聞いてみた。


「えぇ?そんなことより、朝ごはん作るから、早く顔洗って着替えちゃって!」


なんか、話をはぐらかされた気がするが、朝ごはんはしっかり食べたいので、出かけていた言葉を飲み込む。


「眞尋も起こした方が良いのかな?」


「うん、起こしておいてくれると助かるなぁ!」


『お~い、眞尋朝だぞ~、起きろ~』

と声をかけたが、眞尋は起きそうにもなかったので肩を揺さぶる。


「むぅ~!とーやくん、くすぐったいよぉ~!」


甘い、可愛らしい声で寝言を呟く眞尋。

え、待って何この可愛らしい生き物。

俺は、無意識に髪の毛を触る。


「もう!くすぐったいってばぁ~!」


サラサラな髪の毛を触ると、眞尋はくすぐったいと寝言で言ってくる。

いつもの、【秒殺姫】とは全く異なる可愛い一面に、俺は驚いてしまう。


こんな、表情がいつでもできるようになれば、さらにモテるのに………


そんな事を考えながら、俺は眞尋を撫でる。


「むにゃ?って、とととと灯夜くん!?何して!?」


はぁ、何でそんなに可愛い一面があるのに、クラスにいるときはあんなに俺ん事を睨んでくるんだ?

ってか今、眞尋の声が聞こえたような。


俺は、頭を撫でる手を一旦止めて、恐る恐る眞尋の顔を見る。


「とととと灯夜くんが私にナデナデ………えへへっ!」


眞尋は、俺に聞こえない小声でそっと何かを呟いた。

頬がほんのり赤くなっており、俺は申し訳なくなりすぐさま手を離す。


「ご、ごめんな、眞尋」


そんな俺の対応に不満を抱いたのか、それとも、俺に頭を撫でられるのが嫌だったのか、眞尋が頬を膨らませて上目遣いで俺を見てきた。


「も、もう少し、続けてよ……灯夜くん……」


先程から、何故か小声でボソッと呟く眞尋。

なんて言っているのか聞きたいけど、先程まで寝ている女の子の髪の毛を触るというセクハ紛いなことをしてしまっていたので、あまり近づけない。


「え?すまん、聞こえなかったからもう一度言ってくれないか?」


「灯夜くん……ちょっと……」


そう言って手招きをしてくる眞尋。

何か、聞かれたくないことでもあるのだろうかと思い俺は、俺のベッドで横になっている眞尋に近づく。


「も、もう一回、頭を撫でてくれたら許してあげる」


えっと、何かの聞き間違いだよな……

まさか、眞尋が頭ナデナデを催促するわけないし……


「えっと、すまん、もう一回言ってくれないか?」


「だから、もう一回頭撫でてって……」


えっと、これはマジな要望なんだよな?

まぁ、それくらいで許してくれるならお安い御用なんだけど。


「こ、こうか?」


「うん、えへへっ!灯夜くんに……!」


俺の布団で顔を隠しているため、どんな反応しているのかは分からなかったが、嬉しそうなことだけは何となくだけど分かった。


「おにぃちゃ~ん!眞尋さん!ご飯ができたよ!」


「分かった、すぐ行くから~」


朝ごはんができたそうなので俺は、眞尋の頭を撫でるのをやめる。


「眞尋、朝ごはん食べに行こう」


名残惜しそうにしながらも、頷いて立ち上がったので、俺は自室を後にしようとすると、後ろから眞尋に袖を引っ張られた。


「眞尋、どうかしたのか?」


「あのね、時々でいいからさ、また、甘えてもいいかな?」


恥ずかしそうに俯きながら、勇気を振り絞ったような声で頼む眞尋に断ることはできないと思った。


「あぁ、いいよ」


時々、甘えたくなる時があるのだろう。それは、俺にも分かるので、断る理由がなかった。


俺が、了承すると思っていなかったのか、眞尋は何度も目をパチパチとさせていたが、やがて俺の言葉の意味が理解できたのか、急に笑顔になった。


「灯夜くん、ありがと!」


遅れて申し訳ないです。

今日も書くので。これは、昨日の分なので。

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― 新着の感想 ―
[一言] 毎日投稿きつくなって作品が終わってしまうより毎日じゃなくても続いてくれる方が嬉しいので無理しないでくださいね。お疲れさまです。
[良い点] いい夢見れたかな?灯夜 [気になる点] 朝おっきはなかったのか?w [一言] デレですね 完璧なデレですよねぇw
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