23.私のアプローチ大作戦決行です!【後編】
「お、これは期間限定ケーキ!?」
俺は結構な甘党なのでケーキなら五個は食べれる。まぁ、それは夕飯のことを一切考えない場合の話だけど。
「へぇ、めちゃくちゃ美味しそう…」
その中でも、俺に興味を持たせたのはこのミカンモンブランだった。イチゴモンブランなら聞いたことがあるしミカン味はどんな味がするんだろ…
俺は、ミカンモンブランを取り、るんるん気分で席に戻る。
すると、そこの机の上には二人前くらいの大きさのグラスに入った謎の赤い飲み物?が入っていた。
そして店員さん側のミスなのか何故か、ストローが二つ刺さっていた。
「あ、灯夜くん!」
俺のことをずっと待っていたのか、琴音が笑顔で俺の方を見てきた。
「どうしたんだ?そんな量一人で飲めるのか?」
「ううん、飲めない…」
「え?じゃあ何で頼んだの?」
俺が怪訝に思っていると琴音は恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「灯夜くんと二人で一緒に飲みたいから…」
「え………?」
聞き間違いじゃないよな?さっきもキスしてきたり…琴音が何を考えているのか俺には全く分からなかった。
俺が琴音の提案に戸惑っていると琴音は俯いて上目遣いでこちらを見てきた。
「今、私たちデート中なんだよ?」
えっと…どうしたらいいんだろう…
流石にそれは仮デートでやっちゃダメなことだと思うんだけど…
「いや…でもそれはちょっと…」
俺が渋ると琴音は『むぅ~!』と言って頬を膨らませてきた。
「もう!ここは大人しく一緒に飲めばいいの!」
そういうものなのか?仮の彼女という設定なのは理解してるけど、なんかめちゃくちゃ恥ずかしい!
「ほら、早く!」
琴音は二つ刺さってるうちの一つのストローを口に咥え、俺に催促してくる。
流石にここまでされて断る勇気が俺にはなかった。
「わ、分かったから!」
恥ずかしいので少しずつストローに近づいて咥える。至近距離にある琴音の顔を見て思わず顔が熟れた苺のように真っ赤になってしまった。
「なぁ、やっぱりやめにしないか?恥ずかしいんだけど…」
ストローを咥えるのをやめて、それは本当の彼氏とやってくれという意味を込めて俺は琴音に提案する。そんな俺の提案を快く思わなかったのだろう。琴音は頬を『ぷく~!』と膨らませてご機嫌斜めなことをアピールしてきた。
「むぅ!何でやってくれないの!?」
「それは琴音の好きな人とやってくれ、俺には無理だ」
「好きな人は…灯夜くん!…だもん…」
「え………?」
聞き間違いだと思い俺は逸らしていた目線を琴音に向ける。
俺と目が合うと琴音は自分が何と言ったのかようやく理解したのか顔が真っ赤になった。
「い、今のはなし!気のせいだから!勘違いしないでよね!?」
普通の男子なら、今の失言をスルーしないで問い詰めるだろう。
だけど、琴音が俺のことを好きになるなんてありえない事なので深く追及する必要はない。
「勘違いなんかしないから、安心して」
勘違いしてないことを伝えるとなぜか琴音の頬がまた膨らんだ。
「うぅ!そ、それなら別にいいんだけどさ…!」
何か言いたげだったけど、なんか解決したっぽいのでスルーしておく。
「そんなことより!早く!これしないと家に帰らせてあげないから!」
『ま…まじか…』
俺はうまい具合に話が脱線していたのでこのままやり過ごせるとばかり思っていたのだが、どうやらそう簡単に事は進まないようだった。
「いや、だから、それは…」
「もし、これをしないなら罰ゲームで私に好きですって告白して!」
「はぁ!?それは嫌なんだけど…」
別に好きな人以外に好きって言いたくないというプライドがあるわけじゃない。ただ恥ずかしいだけ…
その気持ちがあるから俺は声を大にして驚いてしまった。
「そ、そんなに嫌がらなくてもいいじゃん…」
ショボン…といった感じで琴音は項垂れる。
まずいことを言ったことに気付いた俺は慌てて訂正しようとする。
「ご、ごめん、琴音のことが決して嫌いなわけじゃないんだ…驚いちゃってつい…」
俺が謝ると琴音は急に顔を上げた。
「私は今、傷ついています。そんな私に灯夜くんは何かしないといけないと思うのです!」
あれ、この流れ…今日もこんな感じのやりとりしたような…
まさか、この流れの感じ…
「な、何かって?」
嫌な予感がしたが一応、その『何か』が気になったので聞くことにした。
「私はやりたくないし、誠に不本意だけど、私と一緒にこれを飲むということで許してあげましょう!」
『不本意』というところをやけに強調して言う琴音。
俺はこうなってしまっては断ることができないことを知っている。
「ほ、ほら、やるぞ!」
早く終わらせたいのと琴音にも俺の立場を味わってほしかったので、琴音が咥えるよりも先に俺がストローを咥える。
「う、うん!」
琴音は特に恥ずかしがりもせずにストローを咥える。
嬉しそうに満面の笑みで琴音が飲み始めるのを見て俺もゆっくりと飲み始める。
「はぁ、飲み終わったぁ…」
意外と量が多かったので結構飲むのに時間がかかった。
琴音は満足したのか小声で何か呟いていた。
「えへへっ!初めて、灯夜くんと…!」
「どうしたんだ?」
「ううん!何でもない!」
琴音が嬉しそうにしているのを見てから、ふと時計を見ると時刻は五時を過ぎていた。
そろそろ帰らないと…
「そろそろ、帰らない?」
「うん!いいよ!」
俺はてっきり駄々をこねるのかと思っていたけど、案外素直に了承してくれた。
「ねぇ、灯夜くん!あのジュース美味しかったね!」
思い出しただけで、顔が真っ赤になってしまうので俺は有耶無耶に返事をしておく。
「あぁ、そうだな」
俺が、会計しに向かうと琴音はふと立ち止まり、俺には聞こえない程度の小声で呟いた。
「もっと、灯夜くんを意識させて見せるんだから!」
俺ガイルの最終巻が明日発売ですね。
明日になってほしくないなぁ。本当に好きな作品…というか、一番好きな作品なので終わってほしくないんですよねぇ…一番好きな作品が最終巻を迎えている人には分かるはず!
最近、冴えカノも劇場版が上映されたりして、悲しい気持ちになってしまっている方も多いですよね!?自分はユーザーページにも書いてある通り本当に好きだし…悲しすぎて映画に六回くらい行ってメインヒロイン単体の色紙を集めました。
とまぁ、自己満足に近い自慢を挟みましたが自分にしては珍しくこんなに暗い気分なんですよ。
このままじゃいつも通りじゃないので話は脱線しますがこの後編はめちゃくちゃ甘くないですか!?
まぁ、いつも甘いと思うんですけど…
この話も楽しんでいただけると幸いです。
最後に、ブクマやポイント評価、感想を書いたりしてくださっている方本当にありがとうございます。感謝です。
そして、まだしてないという方!気になったりしていただければブクマやポイント評価よろしくお願いします。




