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第1話 -3-

その後なぜだろうハイキックを顔面に食らった達彦(謎だ)とともに、特別教室練の廊下を歩き、目的地である第三音楽室に到着する。

説明がまだだった。

我らが私立緑ケ原高等学校には、普通科、体育科、音楽科、デザイン科の4つの科に分かれており、それぞれの科に大量の生徒がいる。

学園長は、

『やりたいことをやればよかろう。なに、今は可能性に溢れている。ならばやりたいことをやるべきじゃ。おお、公共の福祉に反さない程度にじゃがな』

と言ってはいたが。

音楽科なんて生徒が教師を選べるので、有名プロでも、これまで習ってた先生にでも教えを請うことができる。

ギターやヴァイオリンといったメジャーな楽器から、マンドリンなどのマイナーな楽器、果ては篳篥ひちりきなどの日本の伝統楽器まで、なんでもありである。

ちなみに音楽科の入学条件は、楽器ができること、音楽の成績が5段階評価で4以上であること。さすがに面接試験等はあるが、基本的にはそれだけである。

ちなみに体育科は運動部で一定以上の成績、または何らかの大会で同じく良好な成績を収めていることが条件らしい。

この学校には大音楽室が5つあり、放課後はそれぞれ音楽系の部活動によって使用されている。その他にも小音楽室(というかレッスン室)があるのだがそれはともかく。

第三音楽室はジャズ研が使用しており、達彦と俺彼らに呼ばれてきたのである。ジャズ研にはちょくちょく手伝いで顔を出している。

「よっ、律、達彦。おーい迅、来たぞー」

「うるさい、そして呼んだの俺じゃない」

俺と達彦が戸を開けて、三音に入るとボーイッシュな(口調まで男子っぽい)女子と、心底だるそうに応じる男子生徒。

スポーツ科でジャズ研、ペット担当の桜井慧さくらいけいと、普通科、吹奏楽部、サックス担当の山形迅だ。

桜井は体操を専攻してはいるが、中学の吹奏楽部でトランペットをしており、違うジャンルも吹いてみたくなってジャズ研に入ったらしい。

迅は中学と同じ吹奏楽部に入ったが、桜井に頼み込まれてよくジャズ研にいる。

「そうだっけ~ま、なんでもいいんだけど」

「よくねえだろ...」

仲の良いこと良いこと。

生暖かい目で見る俺と達彦の前で言い合う二人。

「で?何の用だい?痴話げんかを見せつけるために呼んだの?」

少しばかり不服そうな達彦が本題に移ろうとする。

「どこが痴話げんかだ...いい加減にしてくれ...」

「あーそうそうそれなんだけど、ライブすることになったの」

つまり?

「軽音部も出てくれない?」

なるほどなるほど...

「「はあ!?」」

「...うるさい...」

驚き戦き叫ぶ俺達に愚痴をこぼす迅の声は誰にも拾われることなく虚空へと消え去った...。

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