第1話 ー2ー
顔と口調統一しろよ...シリアスやったら死ぬ病か?
...どうも蒼空が買って部室の冷蔵庫(パッと見アンプ)に入れといた期間限定シュークリームを舞が食べてしまったようだ。...そんなことで教室大破させんなよ...。
「だってだって二時間並んで買ったんだよ!」
「仕方ないじゃないですか!あのシュークリーム食べてほしそうにこっちを見てるんですもん!」
何してんだこいつら。ちなみに今は廊下で、教室は寧華が能力で修復中である。
「そんなことで教室壊すなよ...って聞いてないか...」
聞いてるわけがなかった。いまもキーキーキャーキャー言い合いをしている。どうしろっていうんだこれを。誰か教えてくれ...。
「ね、兄さんっ!どっちが悪いと思う!?はっきりさせて!」
「律さんならいいですね、公平で。どっちだと思います?」
「どっちもだ阿呆どもっっっ!!!!」
ゴンッッッ!!!
と鈍い音が響く。お、俺じゃないぞ!?女子を殴るなんてしないからね?
「毎回毎回手間かけさせやがって...」
そう呟くは緑がかった長い黒髪と深緑の瞳を持った少女。
五島珠璃。軽音楽部ギター担当。貴重な真人間。能力は「空間を操る」「テキスト具現化」。
「珠璃、ちょうどいい、こいつらお仕置きで」
ぐっと親指を立てて言うと、
「わかった」
怒気を含んだ声音で言って、まず蒼空と舞の上の空間に穴をあける。そして二人の下にも穴をあけ、この二つの穴を接続。すると、蒼空と舞は自由落下を始める。下の穴に入った部分から上の穴に出てくる。つまり無限ループ。ずっと落ち続ける。無限ループって...怖くね?
「ひゃああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁ!!!!!!!」
「きゃああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁ!!!!!!!」
こんな感じで声が大小する。これは地獄だ。
「っておい律!何見てんだ!パンツみえるだろうがっっ!!!」
ドゴッ!!
わけもわからぬまま、顔を真っ赤にした珠璃の回し蹴りをもろにくらい後ろへ吹っ飛び、床にたたきつけられる。ん?床?...なるほど空間転移されたか...。
「うおっ!?り、律ぅ!?」
情けない声をあげたのは、溝田達彦。軽音楽部ドラムス担当。赤髪をスポーツ刈りにした秀才イケメン。バンドマスターでもある。
「そうだ、って痛ッ!?」
起きようとした瞬間、腹と背に鈍い痛みが走る。そりゃそうだ。回し蹴りを腹にくらい、背中から落ちたのだから。
「なにしたんだよ律、珠璃にいたずらでもしたか?」
おどけていってくる達彦に
「うるさいなにもしてない」
と答えつつ達彦の目に400㍗くらいの光を叩き込む。
「ぎゃああああああ!!!!!目がっ、目が―っっ!!!」
某ム○カ大佐も真っ青なほどナチュラルに名言を発しつつごろごろ転がりまわる。
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロベシャッ。
テキストにして一行分ほど転がって、力尽きる。
「ぐおおおおおやりやがったなハイエロ○ントグリーンがみえたぞ」
はいはいジョ○ョネタ乙っと。
「で、真面目な話何したんだ?」
床に座りなおして聞いてくる。
「分かんないんだけど...?」
「そんなわけ...ま、いいや、珠璃さんに聞こう」
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