第三話 成長はまだ終わらない
とても遅れました。すみません。
今回も一切の自重無しで書いています。三点リーダを使いすぎかなと思ったのですが、まあ、いいですよね。
小鳥の鳴く声が聞こえる。部屋にある窓からは心地よい日光が差してきた。さわやかな朝だ。
ふと隣を見てみると、一人の天使、いや女神と見間違うような美少女が俺に祈りを捧げていた。
「えーと、アリスちゃん?何してるの?」
「祈りを捧げています」
「いや、それは見れば分かるけど、なんで俺に祈ってるの?」
俺がそう言うと彼女は不思議そうな顔をして
「何故って、神に祈りを捧げるのは普通のことでしょう?」
と言った。面白そうだから、少し悪ノリしてみよう。
「何故俺が神だと分かった!?」
「死者蘇生は神の奇跡です。あなたが私を蘇生してくれたのですよね?」
普通に返された。
「神の奇跡かよ。そんな大層な物じゃないよ。まあ、でも、お前を助けたのは俺だ」
そう言うと彼女は改めて跪き、こう言った。
「命を救ってくださり、ありがとうございます。この御恩は奴隷として少しずつ返させていただきます」
「え?何言ってるの?」
俺が怪訝そうにそう返すと、彼女は泣きそうな顔をしてこう言った。
「すみませんでした。私ごときが差し出がましいことを言って。そうですよね。神様がこんな薄汚い女を使うなんてありえませんよね。本当にすみませんでした」
言ってることが卑屈だあああ!
「そうじゃないって。俺が言ったのは、お前はもう奴隷じゃないってこと。まだステータスを見てないの?職業が変わってるはずだけど。それと、お前は薄汚くなんかない。凄く綺麗だよ」
「き、綺麗ですか?こんな私が?」
アリスは恥ずかしそうに、それでいて嬉しそうに顔を赤く染めている。これ、脈あるんじゃね?神ってことを傘に着せて襲ったら簡単にいけるんじゃね?
おっと、マズイ。自重しないと。
「えーと、ステータスは……あ、本当に変わっています。何故でしょうか?」
「生き返らせた時からそうなってたから、死んだ時に奴隷契約が切れたんじゃないのか?」
《その解釈で正解です》
叡智神が後押ししてくれた。
「そうなのですか。でも、関係ありません。私は一生あなた様に使える所存です」
「そうなの?ありがとう。でもさ、お前って魔王の娘だろ。父親のもとに戻らなきゃ不味いんじゃないのか?」
「いいえ、大丈夫です私はどうせ置物みたいなものでしたから。それに父はもう……」
『もう……』の後に続く言葉は何だろう?
叡智神、アリスのお父さんってまだ生きてるよな?
《はい。ご存命です。西の魔王城にて、現在かんき――――》
もうそれ以上はいいよ。普通に生きてるみたいだしな。
叡智神もいい加減個人のプライバシーを学べよ。
「迷惑でないのでしたら、これからあなた様の元にて働きたいのですが」
「まあ、そっちがいいなら俺は別に構わないけど」
こんな美少女が俺の傍にいてくれたら嬉しいしな。いやー、ホントに可愛いなあ。本気で求婚しちゃおうかな。
「ご厚意感謝します。差支えなければお聞きしたいことがあるのですが。よろしいでしょうか、神様?」
「勿論いいよ。それと、俺の名前はフェイト・ウェアーリークス。神様なんて柄じゃない。フェイトって呼んでくれ」
「それではフェイト様と呼ぶことにします。ああ、そういえば私の自己紹介をしていませんでした。すみません」
「いや、別にいいけど」
様付けは譲らないんだな。
「私の名前はアリス・エピロード。ご存知の通り西の魔王、レザンテ・エピロードの長女です。水魔術が得意で、氷魔法も精級程度なら使えます。フェイト様からすれば児戯にも等しいでしょうけれど。精一杯努めますので、これからどうぞよろしくお願いします」
「ああ、よろしくなアリス。それで、聞きたいことっていうのは?」
「はい、私のステータスなのですが、能力の欄に見たことがない物があります。フェイト様がなされたのでしょうか?」
そう。彼女には細工をさせてもらっていた。
今彼女のステータスはこうなっている。
アリス・エピロード 魔族 女 15歳 王女
称号:氷精の微笑み
LV.135
HP:9847
MP:37609
攻撃力:1864
防御力:1635
敏捷力:2142
魔錬力:5623
抵抗力:4098
魔術適正
火:0
水:4550391
風:0
電:0
土:0
光:0
闇:0
魔法適正
炎:0
氷:10472
嵐:0
雷:0
鉱:0
聖:0
邪:0
能力
ランク上級
『上級水魔』 下級、中級、上級の水魔術が威力200%、消費MP50%になる。
ランク中級
『魔眼』 対象のステータス閲覧。
ランク唯一
『最強からの贈り物』 発動すると、この能力に込められた力を獲得することができる。
唯一能力というのは、他の能力と違い、二つとない能力のことだ。その強さはピンキリで、どうでもいいものもあれば、神級能力に匹敵するものもあるようである。
「それは、使えば絶大な力を得ることが出来るが、そうすると嫌でも一生俺に忠誠を誓うことになる。それでもいいなら使ってくれ」
「分かりました。最強からの贈り物、発動します」
へ?何のためらいも無く使いやがった!嘘だろ!?一生忠誠って結構きついと思うんだけど。
《個体名『アリス・エピロード』の完全隷属化を確認しました》
隷属になっちゃったよ。いいんだよね?本当に大丈夫なんだね?
「こ、これは……力が溢れてきます。ここまでとは!今ならば奴も」
アリスが、禁断の力に溺れて暴走してしまう残念な仲間みたいになっている。それもまた可愛い。
《隷属の魔族、『アリス・エピロード』の帝級能力獲得を確認しました。帝級能力『魔族化』を神級能力『神魔化』に進化――――成功しました》
おお、新しい神級能力を手に入れちゃったよ。こんなことでも獲得出来るんだ。
どれどれ(._.)
神魔化 体を神魔に作り替えることが出来る。
なんか微妙っぽいな。能力神化の生贄にしようかな。
でも、一応どんな効果か聞いてみるか。
叡智神、これのメリットって何?
《体を魔族の最上位、神魔に変えることが出来ます。見た目の変化は、角が生えるだけです。能力値の増加もありますが、マスターには関係ありません。強いて言うならば、魔族に変わるので個体名『アリス・エピロード』と子供を作れます》
よし、決定!残そう。
「で、アリス、どんな感じ?」
「凄いです!帝級能力五個なんて。能力値も恐ろしく上昇しています。亜神とも言うべき力です」
今、彼女のステータスはこうなっている。
アリス・エピロード 魔族 女 15歳 王女
称号:神の信奉者
LV.135
HP:2849756487329576811239
MP:5939844052480257429872
攻撃力:278347430154087560865
防御力:258643975108740715410
敏捷力:321871087580316587016
魔錬力:674168741654757643087
抵抗力:584759837984493469546
魔術適正
火:0
水:6764386896408461084160846
風:0
電:0
土:0
光:0
闇:0
魔法適正
炎:0
氷:87156474651041604815085
嵐:0
雷:0
鉱:0
聖:0
邪:0
能力
ランク帝級
『氷魔帝』下級、中級、上級の水魔術、精級、王級、帝級の氷魔法が威力200%、消費MP50%になる。
『森羅万象』自分が現在関与している事柄を、帝級能力以上の能力に干渉されていない範囲で完全に認知することができる。
『虚偽申告』自分が現在関与している事柄を、帝級能力以上の能力に干渉されていない範囲で完全に偽装することができる。
『瞬間移動』自分が認知している範囲内で、タイムラグ無く空間移動をすることができる。
『魔力操作〝極〟』自らが使う魔力を精密操作することができる。
ランク唯一
『運命の寵愛』取得経験値増加〝神〟 必要経験値減少〝神〟 能力獲得率上昇〝神〟 レベルアップ時上昇能力値上昇〝神〟 HP自動回復速度上昇〝神〟 MP自動回復速度上昇〝神〟 運命変転
THE滅茶苦茶。魔王よりも圧倒的に強い。
昨日の内に俺が何をしたかというとだな。
◇◇◇
「じゃあ、これを使ってみるか」
そう言って俺が見つめているのはステータス欄にあるこの能力。
能力贈呈 対象に自身の能力値、能力を贈与する。贈与した分の自身の力は減少する。対象が力を受け取った場合、対象は隷属となる。
じゃあ、まず能力値からあげようかな。限界制約解除。叡智神、あげれるだけあげちゃって。
《了解しました。能力はどうしますか?》
うーん、どのくらいあげられる?
《帝級能力五つ分です》
だったら……決定。この五つで。
《了解しました。帝級能力『氷魔帝』『森羅万象』『虚偽申告』『瞬間移動』『魔力操作〝極〟』を贈呈します。『能力贈呈』使用――――終了しました。》
よし、出来たな。これで明日上手くいけばアリスたんが俺の物に……ゲフンゲフン、俺の役に立てるくらい強くなるな。
そうそう、氷魔帝や森羅万象、虚偽申告は進化によって無くなってしまったのではないか、と思う人がいるかもしれないが、全然大丈夫だ。帝級神がある限りいくら消滅しても再生するのである。チートだ。
◇◇◇
といった感じで、俺はアリスを魔改造した。反省も後悔もしていない。自重もする気はない。流石に、誰にでもここまでやるってことは無いけどな。多分。
って、ちょっと待って。さっきはスルーしたんだけどさ、俺、運命の寵愛っていう能力知らないんだけど。これどこから来たの?
《神級能力『叡智神』の権限では、その情報にアクセスすることが出来ません》
え、マジ?結構ヤバい感じ?う、うん。見なかったことにしよう。
考え事をしていると、アリスがお礼を言ってきた。
「ありがとうございます!本当にありがとうございます!!」
「気にするなって。これから俺のために頑張ってくれれば良いんだから」
「はい!」
うん。たまに卑屈になるけど、明るくて可愛いな。
あ、そういえば、杖を渡すの忘れてた。ポーションもあるにはあるけど……今のアリスにとっては雀の涙だな。金が無駄に。まあ、別に良いんだが。
「これ、使ってくれ。効果は森羅万象を使えば分かるだろ?」
「こ、これは。見ただけでも私如きが手にして良い物では無いのが分かります」
「いや、今のお前には丁度良いと思うけど」
アリスが杖を黙って見つめている。顔が驚きに歪む。
「……これは、私の魔術と魔法が威力400%、消費MP25%になったということでしょうか?」
「ああ。合ってるよ」
「つまり、この出鱈目なMPと魔錬力の上にこの強化がされると?」
「うん、そりゃあね」
「……………」
アリスの顔色が真っ青になり、そのまま床に倒れてしまった。貧血か?
《貧血ですね。精神的なショックが原因だと考えられます》
ああ、そう。……アリス、ごめん。
◇◇◇
「成程。つまりフェイト様は目立たないように冒険者をして、私はその横でガンガン目立てば良いということですね?」
「ああ、そういうことだ。自重は基本しなくて良いからな」
アリスが倒れた後、ベッドに寝かせてやったら三十分くらいで起きた。顔色真っ青なままで俺に全力で謝罪してきた。可哀想だったので、適当にからかって許してあげた。
その後、朝食を食べてから、さっき決めた方針を伝えて、今に至る。
「それで、この後すぐにギルドに登録に行くのですか?」
「いいや、その前に戦いの確認をしておきたいんだ」
「戦い、ですか」
「ああ、連携の練習をしたいってのもあるし、どのくらい本気でやってもいいのかを知っておきたいんだよ」
つーか、俺って戦ったことないからな。魔物相手でも、生物を殺せるか確認しておかないと。いくらチートスペックを持っているとはいえ、戦いに怯えるようじゃ意味無いしな。……まあ、叡智神が何とかしてくれそうだけど。
「成程、私もこの力をどのくらい抑えればいいか分かりませんからね。とはいえ、実験的なことも含めるのであれば、人がいない場所でないといけませんね」
「ああ。そうだな」
という訳で、叡智神先生。いい感じの場所教えてください。
《霊大陸にある『最果ての森』が推奨されます》
じゃあそこで。瞬間移動お願いします。
「アリス、転移するからつかまってくれ」
「はい」
そう言って天使は俺の手を握った。手、超柔らかい。
《『瞬間移動』を発動します》
◇◇◇
霊大陸とは、霊族、簡単に言えば精霊が住んでいるところである。ちなみに人族が住んでいるのは神大陸。魔族は魔大陸。竜族は龍大陸。獣族は獣大陸。天使と悪魔が生息地不明だ。
話がそれたが、その霊族が住む大陸の森の一つに俺達は来ていた。
「綺麗ですね」
最果ての森の木々は全て虹色に輝いていた。一本一本が神秘的な光を放っていて、辺り一面に広がっている。その光景からは手ごろな魔物がいるとは思えないが……。
《五十メートル前方に『クリスタルスライム』が出現しました》
何か、名前が凄いんですけど。まあ、一回倒すか。
「敵が現れたみたいだから、俺が倒すよ。一回手を出さないで見ててくれ」
「はい」
少し待つと、体が七色に発光しつつ透き通っている、奇妙な粘着性生命物体が木々の間から出てきた。気分的には『うわっ!草むらから、野生のスライムが現れた』って感じだ。草むらじゃないけど。
「それじゃあ、やるか。ファイアボール!」
俺の手から放たれた火球は、スライムを焼き尽くし、倒すと思われたが……。
そのファイアボールは、通常のバランスボールサイズではなく、一軒家くらいの大きさを持っていた。熱量も半端ではない。ゴウッ!!という音を立てて、前方の木を全て消し飛ばし、森の半分を荒野に変えていた。焼き尽くしたのではなく、消し飛ばしていた。
「……フェイト様、今の魔法は王級炎魔法の炎熱爆滅でしょうか?」
「……いえ、下級火魔術です」
いや、こう答えたけど、これ本当にファイアーボールだよね?実はもっと上位の魔法だったりしないよね。
《はい。使用したのは『ファイアーボール』です》
うん、じゃあ何でこんな滅茶苦茶な威力?
《マスターは『下級火魔』『中級火魔』『上級火魔』『炎魔精』『炎魔王』『炎魔帝』『魔法帝』『魔導神』を持っているため、下級火魔術は256倍の威力になっています。なお、他の下級魔術も同様です》
あ、はい。マジッスか。256倍か……。
《その他にも、『魔力操作』や、能力値ブースト系等の能力があるため、実際にはそれよりも遥かに強力となっています》
……俺が言うまで能力使用禁止で。
《了解しました》
横を見てみると、アリスが何か諦めたような表情をしている。
「えーと、逆方向探索しようか」
「はい、そうですね」
俺達は、まだ森が残っている東側の探索を始める。
しばらく歩くと、またクリスタルスライムが出現した。
そう言えば、こいつのステータス見てなかったな。叡智神、頼む。
―――― クリスタルスライム ♂ 1歳 ――――
称号:やせいのスライム
LV.82
HP:21239
MP:24172
攻撃力:2865
防御力:5410
敏捷力:1016
魔錬力:3087
抵抗力:2546
魔術適正
火:1000
水:1000
風:1000
電:1000
土:1000
光:1000
闇:1000
……コイツ、昔のアリスと互角じゃね?いや、アリスには水特攻があったから、実際に戦ったらどっちが勝ってたのかは分からないけど。少なくとも、これ適正レベルでは無いよね?ねえ、酷くない?叡智神さん。
《…………》
だんまりを決め込んだっ!?マジで?俺、能力に反抗されたの?
「うう。考えてても仕方ない。とりあえず戦おう」
今度は何を使おうかな?
「くらえ、アクエリアスカッター!」
上級水魔術だ。イメージとしては、ウォーターカッターだな。
その水流はスライムに直撃し、狙い通りに、今度は一撃で倒すことが出来た。
そうそう。この世界では魔物を倒すと、ドロップを残して消えていく。ゲームかよっ!と思ったが、結構便利だ。
さっきの大破壊ではドロップも壊れてしまっているので、回収できない。残念だ。俺のせいだけど。
「スライムからとれるドロップは……魔石か。虹色だな」
「綺麗ですね」
魔石は魔道具に使えるが、俺には必要ないな。後で売ろう。
あ、そうだ。俺のレベルってどうなっているんだろう。さっき森半分吹き飛ばしたし、大分上がってるんじゃないか?
フェイト・ウェアーリークス 人族 男 15歳 貴族
称号:一般人
LV.3048
HP:9999
MP:9999
攻撃力:999
防御力:999
敏捷力:999
魔錬力:999
抵抗力:999
魔術適正
火:99999
水:99999
風:99999
電:99999
土:99999
光:99999
闇:99999
四桁かよ。まあ、能力値が上がらないから、あんまり嬉しくないけど。
「では、次は私の番でしょうか?」
「そうだな、オーバーキルしないように気を付けろよ」
「……はい」
少し歩くと、またクリスタルスライムが出てきた。エンカウント率高いな。もしかして、この森コイツしかいないんじゃねえの?
「では、行きます!アクエリアスカッター!!」
アリスが選択したのは俺と同じ魔術。これなら大破壊にはならないか。でもちょっと怖いから、後ろ向いとこ。
――――ズガンッ!ドガッ!バシャアアッ!!
おい。今絶対に魔術如きでしていい音じゃない物が聞こえたんだが。
恐る恐る前を見てみると、反対側と同じような光景が広がっていた。違うのはせいぜい大地が水浸しになっていることぐらいか。
叡智神、何で同じ魔術なのにこんな差があるの?
《……基礎能力値に大きな、大きな、大きな差があるからです》
特に大事でもないのに三回言わないで。俺が気づかなかったのが馬鹿みたいじゃん。
……すみません。馬鹿です。
ふと隣を見てみると、アリスがマネキンのように動かなくなっていた。目の焦点は合っておらず、呆然としている。
「……アリス、帰ろっか」
「……」
「……アリス?」
「……ハッ!す、すみません。少し自分を見失っていました」
「……そうか、何か本当にごめんな」
「い、いえ。私が制御出来なかったのが悪いんです。あ、レベルが上がって……」
あっれれ~?おかしいな~。またアリスがマネキンになってるんだけど。マネキンでも可愛いな。って、そうじゃない。いったい何が?
アリス・エピロード 魔族 女 15歳 王女
称号:クリスタル・キリング
LV.3102
HP:743864763766179647917476478
MP:1273726478164716479816437136
攻撃力:713874616480176487164771
防御力:798274678246487262745267
敏捷力:918379837591754831754147
魔錬力:2813787487784651387658736
抵抗力:2384081340871473081367666
魔術適正
火:0
水:9764386898328461084160846777
風:0
電:0
土:0
光:0
闇:0
魔法適正
炎:0
氷:167667675439816048150850938
嵐:0
雷:0
鉱:0
聖:0
邪:0
魔導適正
神:7364765876376536581746
能力
ランク神級
『神之氷』下級、中級、上級の水魔術、精級、王級、帝級の氷魔法、神級の神魔導が威力200%、消費MP50%になる。
『魔力操作〝神〟』自らが使う魔力を完全操作することができる。
『神魔化』体を神魔に作り替えることが出来る。
ランク帝級
『森羅万象』自分が現在関与している事柄を、帝級能力以上の能力に干渉されていない範囲で完全に認知することができる。
『虚偽申告』自分が現在関与している事柄を、帝級能力以上の能力に干渉されていない範囲で完全に偽装することができる。
『瞬間移動』自分が認知している範囲内で、タイムラグ無く空間移動をすることができる。
ランク唯一
『運命の寵愛』取得経験値増加〝神〟 必要経験値減少〝神〟 能力獲得率上昇〝神〟 レベルアップ時上昇能力値上昇〝神〟 HP自動回復速度上昇〝神〟 MP自動回復速度上昇〝神〟 運命変転
あ、神になってる。すごい。……今まで驚きすぎて感覚が麻痺してるけど、これヤバいんじゃねえの?あんまりありがたみを感じねえけど。
「アリス、強く生きろよ」
「……はい」
返事には、悲壮な決意が込められていた。
「じゃあ、帰るか。瞬間移ど――――」
「グラアアアアアッッ!!」
「――――何だっ!?」
叫び声が聞こえた方向を見ると、七色に輝くドラゴンがいた。
「あ、あれはまさか、レインボードラゴン!?父でも瞬殺される……とい……う……」
語尾が小さくなっている。まあ、ぶっちゃけ俺らからしたら、雑魚だよな。
「私がやりましょうか?」
「いや、俺に任せてくれ。やってみたいことがあるんだ」
やってみたいこと。それは、能力自重なしでの最強の一撃。限界制限は付けたままだが。地形が変わってもいいから、ここまできたら一回やってみたい。
ということで、叡智神さん。限界までお願いします。
《了承しました。『王剣シェムハザ』に付与します》
俺の剣が白く、神々しく輝く。
「喰らうがいい、ぼくのかんがえたひっさつわざ。神罰!!」
その日、霊大陸の地図が大幅に変わった。
◇◇◇
「いやー、今日は楽しかったな。じゃあ、帰ろっか」
「はい!そうですね」
若干テンションがおかしくなっている気がするが、気のせいだろう。
「瞬・間・移・ど――――」
ガンッ!
今度こそ帰ろうとした瞬間、何かが俺の頭に降ってきた。
「卵……ですね」
「……ああ」
直径1メートル程ある、大きな白い卵だ。これは?
《レインボードラゴンからのドロップです。MPを注ぐとドラゴンが孵化します。生まれるドラゴンの強さは、注ぐMP量によって変化します。MPを注いだ物を親として認識し、眷属になります》
へえ、テンプレだな。今度孵化させてみるか。
さて、じゃあ今度こそ
「瞬間移動、発動!!」
◇◇◇
宿の部屋に帰ってきた。
「数時間しか経っていないのに、とても長い時間を過ごしたような気がします」
「そうだな。森を消したり、ドラゴンを瞬殺したり、大陸を切断したりしただけなのにな」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「昼飯食べて、ギルド行こう」
「はい」
ふう、疲れたなあ。ここまで俺の力がヤバいとは。全部解放したら一体どうなるんだ?
叡智神もお疲れ。これからも強くなれるよう、頑張ってな。
と、俺は念じておく。いや、これ以上強くなってどうするんだとは思――――
《了承しました。能力の再編成及び、進化を開始します。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。プログラム作成――――実行――――失敗。》
――――え?ま、待って。ちょっとナニコレ?
《帝級能力『並列思考』の使用を要請します。YES/NO》
へ?あ、ああ。別にいいけど。
《帝級能力『並列思考』使用。神級能力『叡智神』を母体に変革――――成功しました。《唯一能力『並列精神超疑似生命思考霊体』を獲得《プログラム作成――――実行――――成功しました《神級能力『叡智神』消去《神級能力『夢幻神』、『武具神』、『加護神』、『空間神』、『結界神』、『破壊神』を獲得しました》
え?ちょっと待って、は?ええええ?
メインヒロインのアリス登場回でした。……メインヒロインだよ?影薄くないよ?