世界を救ってもらいにいこう
「もうほんとになんなのよ。あいつは」
「お姉ちゃん、落ち着いて、もうちょっと優しくして」
さっきからお姉ちゃんの手が爪が強く握りこまれて痛い。
「ごめん!痛かったね」
手をほどこうとするがそれを私は許さない。
「痛かったけど仕方ないよお姉ちゃんが怒るのもわかるから」
たかがキスでも私たちは姉妹で女の子同士だ。私はキスをしたことない。お姉ちゃんはどうだか分からないけど、
「もうほんとあいつ」
お姉ちゃんの言葉が詰まる。なにかを考えてるようだ、キリッとしたお姉ちゃんはかっこいい。ほんとに私からなんでも奪って出来たんじゃないかって思うぐらい負けている。お姉ちゃんの残り物として生まれてきたの方がしっくりくるか。
「ねぇ、瑠璃。」
鋭い声音で切り込まれる。嘘は許さないとゆう目だ。
「な、なに?」
深呼吸をしてお姉ちゃんが言葉を届ける
「もし、もしよ。お姉ちゃんがキスしてって言ったらキス出来る?」
握った手からどちらか分からない汗が溢れてくる。私の手汗かそれともお姉ちゃん手汗か。
私は嘘をつかずに答える
「どうだろう。分からない。出来るかもしれないし出来ないかもしれない。」
私は曖昧な答えを告げる。
「そう。」
お姉ちゃんも曖昧な返事をする。
「お姉ちゃんは誰かとキスしたことあるの?」
「え?え!?」
テンパるお姉ちゃん。
「したことないよ、この歳になってもしたことないんだ」
そっか、私は安堵する。なんで安堵したんだろうか。
「ならもしすることになったらお互いに初めてだね」
ふっと唇が触れあったイメージが浮かんできたが急いでかきけしたがお姉ちゃんはちょっと赤くなって、呟いているがなにも聞こえない
「そっか瑠璃も初めてなんだ…」
「ところで瑠璃。百合神の最後に言った言葉覚えてる?」
「覚えてる、次は人が死ぬってことでしょ?」
そう。さらっといい放った言葉だ。
「どうだと思う?ほんとに人が亡くなると思う?」
私はちょっと考えて
「亡くなる可能性の方が高いと思う。多分あいつは狙って人がいないところを狙った気がする。他にも穴があけたのに人が巻き込まれてないってのはちょっと偶然とは考えづらい気がする。」
そう。
「じゃあもう私たちにはもうキスするしか手は残ってないのかな?」
「どうだろうね。人が死ぬってのは確定はまだしてないし、私たちが死ぬわけじゃないしまだ様子見ても大丈夫じゃないかな。」
「さらっと瑠璃は凄いことに言うね。でも悩んでいても仕方ないし帰ろうか」
二人で家へ向かう。手を握ったまま。震える手に気付かれないまま。
「ただいま」
重なった声が誰もいない家に響く。
「なんか色々あって疲れたなぁ」
「うんうん。疲れたわ」
リビングのソファーに座りTVをつける。
ゴールデンタイムだからテレビでは笑い声や歌声が聞こえる。チャンネルをコロコロ変えると特別番組(地球は終わるのか!今日起こった陥没事件!)とゆうがやっていた。今日の陥没した地域に行き記者が取材してその話を元にコメンテイターが激論をするとゆう番組だ。コメンテイターは(数でいえば十数個。なのに人が亡くなっていないとゆうのは何らかの作為しか感じません!)と言っていて。それを聞いて他のコメンテイターが(なわけないでしょう!これは地球からの警告です!これ以上地球を壊すとゆう!こんなこと誰が出来るってゆうんですか!)多少煽ってはいるが私は知らなかったら後者を信じそうだ。
「お姉ちゃん。お風呂入ってくるね」
と私はいってらっしゃいと言いお姉ちゃんはお風呂に入りにいった
ソファーに寝転がって考える。
明日にはどうだろうか、人が亡くなるのは確実だろうが。私はお姉ちゃん以外正直どうでもいい。極論だけど。お姉ちゃんと暮らせなくのはやだ。だからといってキスをしろか。私はしてもいいと思っている。お姉ちゃんなら。でもお姉ちゃんはどう思ってるんだろうか
湯船に浸かり考える。これからどうなるんだろうか。人が亡くなるのか。私たちのせいでいいやあいつのせいで。私たちにしか救えない。だったらキスをするしか無いのかもしれない。なら仕方ないのかな。でも瑠璃とキスか。嫌なわけがない。がなんか複雑だなぁ。瑠璃はどう思ってるんだろうか。
「瑠璃。」
「うぅーん。お姉ちゃん?」
お姉ちゃんが私の上に立っていた。私はいつのまにか寝ていたらしい。お姉ちゃんはお風呂を上がってまだ髪が濡れていて顔が火照っていてほっぺ赤く可愛い。
「そんなところで寝てたら風邪引くわよ」
「うん。今何時?」
「8時だよ」
30分ぐらい寝ていたらしい。
「おっと、お風呂入らなきゃ」
寝起きで立ったから立ちくらみがして足元がふらつき
「瑠璃、危ない」
と咄嗟にお姉ちゃんが抱きとめくれる。お姉ちゃんの香り、体に包まれる。
「ありがとうお姉ちゃん。」
背はお姉ちゃんの方が高く。見上げる形になる。
「もう心配かけないでよね。いや心配かけてもいいか」
とお姉ちゃんに頭を撫でられる。さすがにこれは照れる。
「ちょっと時間たってからお風呂入りなね。」
「うん。」
よっと
「ちょっと?!?どうしたの」
お姉ちゃんを抱きしめ、すーはーとお姉ちゃんの匂いを嗅ぐ。安心する。
「ちょっと不安になって」
お姉ちゃんがいなくなったらと漠然と思ったら生きれないと思っただけだ。お姉ちゃんと一緒に死ねるならいいかなと思ったけどやっぱりまだお姉ちゃんと過ごしたい。お姉ちゃんの匂いを嗅いでいたい。
「そうね。色々あったもんね。」
お姉ちゃんをそれを許してくれる。
「ありがとうお姉ちゃん。」
ご飯を作りながらお母さんたちの帰りを待って。帰ってきてご飯を食べて
一日を終える。明日には人が亡くなってるのだろうか。私はなにを思うのだろう。私には関係が無いことなのか。それとも私のせいで亡くなったと思うのか。死は経験したことないからどう思うのかは憶測出来てもどうなるかは分からない。
アラームには起こされず警告音に起こされる。スマホを立ち上げると黒い画面に赤い文字でこうかいてあった
(人が128人死にました。貴女たちが殺したと言っても過言ではないと僕は思います。でも僕は生き返らせます。あと1日でこの世界は滅びます。だから今日が期限です。)
と。私はまだお姉ちゃんと過ごしたいだからキスをする。私とお姉ちゃんの為にキスをする。と心に決めお姉ちゃんと話をするために向かった
珍しく朝起きて警告音を待つ。警告音待つとゆうのはおかしいが。警告音がなりスマホを見る。かいてある文を見てこう思った。亡くなったのが真実なら生き返させるのも出来るとかいてあるのだから出来るだろう。瑠璃との日々ももっと過ごしたいし一緒に会社も行きたい。だからキスをする。瑠璃との日々を守るためにキスをする。人々を生き返させる為にキスをする。そう心に決める。
「お姉ちゃん!」
「瑠璃。おはよう。」
「おはよう。お姉ちゃん私覚悟が決まったよ。」
お姉ちゃんも覚悟が決まった目をしている。
「そう。私も決まった。けどまずは人が亡くなったか確認しようか」
うんと返事をして、着替えて下へ向かう。
「おはよう。揃ってどうしたんだ?」
お母さんが起きてびっくりしている。
「おはよう。お母さん。ちょっとまた目が覚めてね、珍しいよね」
自分のことなのにさらっと他人行儀にゆう
「いやいや、あんたのことでしょ、まぁいいや。ご飯食べようぜ」
「あれ?お父さんは?」
「あー、なんかまだ仕事が残ってたらしくてな先に行っちまったよ、つれねえよな」
お母さんがほんとに寂しそうな顔をする。いい夫婦だ。
「じゃあ早くいってあげないとね」
「ああ」
三人でご飯を食べてお母さんを見送る。
「いい?つけるよ」
「うん。いいよ。」
TVをつけてニュース番組をつける。と
早速やっていた。陥没したとゆうのがやっていて人が亡くなった。と。こんだけ死亡のニュースとかやってるなかで自分に関係があるのは初めてだ。不思議な気分だ。押し付けられた関係だけど
「やっぱり亡くなったんだ。」
お姉ちゃんがぽつりと呟く。さっきより決意が強くなったんだろう。目が物語ってる。
「じゃあ行こうか。駅に」
「うん、行こう」
さて駅に行こう。キスをして世界を救う。百合神にこの世界を救ってもらおう私たちのキスで