姉妹の日々
この世界は救いようがない。何故なら、百合がない!僕は百合が見たいだけなのに。この世界には百合がない。百合が見れねえのに死ねるか!!
「お姉ちゃん起きて!」
2歳上のお姉ちゃんを起こす。お姉ちゃんは朝が弱く全然起きてくれない。
「もうちょっと寝かしてよぉ」
「もう時間ないよ、起きて!」
スヌーズ機能のように30分前から起こしているのだけど、時間にギリギリになる。しかも
「うるさいなぁ、このっ」
お姉ちゃんは目をつむったまま私の手をとってベットの中に引きづりこもうする。が私も抵抗する
「起きなさいぃーお姉ちゃん」
「いやだぁ、るりを抱きしめてぬくぬくする!」
ほんとにどっちが姉か分からなくなる。
ツルッと足が滑り、ベットに引きづり困れる。
「うふふ、ぬくぬく。」
まぁ可愛いのだけど。
「1分だけだよ。」
と告げてされるがまま抱きしめられる。
お姉ちゃんは可愛い、私と似てなくて。近いな。もう抱きしめられるのは恒例なのだけど、目が似てるとよく言われる。がお姉ちゃんの方が可愛くて綺麗だ。お姉ちゃんは憧れの存在なのだ。寝起きは妹みたいだけど
1分後
「お姉ちゃん起きて」
なん回目だろうか。
「はぅ。おはよう、るり」
お姉ちゃんが目覚める。相変わらず近い。
「おはようお姉ちゃん。」
頭を撫でられる。気持ちよい。
「早くしないと遅刻するよ」
「うん。ありがとう。」
私はお姉ちゃんの部屋を出て1階にあるリビングに向かう。お姉ちゃんの部屋は2階にある。私の部屋は隣でもうひとつ部屋があるが物置部屋だ。
リビングの扉をあける。
「お母さんはもう行っちゃったか。」
夫婦は共働きだ。二人とも私たちが起きてからいってきますといって仕事に行く。大変だなと思いながらさっき作ったご飯を食べる。一人で食べるのも味気ないなぁ。
リビングの扉が開いてお姉ちゃんが入ってくる。
「いいにおい」
椅子に座って
「いただきます。」
と言いご飯を食べる。今日は簡単にご飯と味噌汁と鮭の塩焼きだ。作ったと言ったけどただ鮭を焼いただけだ。味噌汁は作ったが作りおきだからよそうだけ
「やっぱりるりが作ったご飯は美味しいね。」
「お母さんに比べればまだまだだよ」
「いや負けず劣らずじゃない?これはいいお嫁さんになるね」
「気が早くない?結婚できる歳ではあるけど」
ちなみに私が16歳でお姉ちゃんが18歳。お姉ちゃんも結婚できる歳ではある。
「結婚か、るりを誰にも渡したくはないね」
「お父さんみたいなことを言わないでよ。」
「ごめんごめん」
黒くしなやかで艶やかな長い髪が揺れる。さっきまで寝てた人には思えない。私は髪が長くないから羨ましくもあるが長いと髪が乾くのが遅くてもどかしい。しかしあんなにストレートにならないよね
「ごちそうさまでした」
と二人の声が重なり、
「学校へ行こうか、そろそろ時間がなくなってきたし」
「うんそうだね。」
私は高校の制服を。お姉ちゃんは会社の制服を着て出ていく。
誰もいない家へいってきます!と告げて学校へ向かった。
途中までお姉ちゃんと一緒に行く。電車にのり他愛のない話をしながら目的地までのるが降りる場所は一緒ではない。お姉ちゃんは一駅先だ。
「じゃあね、お姉ちゃん。気を付けてね。」
「バイバイ、るりこそ気を付けるんだよ」
うんと告げて、手をふって電車をおりる。時間を確認するためにスマホ見て電源をつける。ロック画面にお姉ちゃんと撮った写真がうつる。時間を見ると遅刻をしそうな時間だ。
走って学校へ向かう。
はぁるりいっちゃった。仕方のないことなのだけどるりと一緒に通った学校面白かったなと回想してしまう。会社は良いところだしちゃんと定時にも帰らしてくれるし休みは週に2日あるし今の世の中なら良いところなんだけど何かが足りないの。るりがいれば楽しいのだけど。あと2年か…長いな。るりが恋しく?見たくなりスマホを取り出してロック画面を見るとるりと二人で撮った写真が写る。可愛いな、ほんと、自慢の妹だ。ほんとに誰かに渡したくない。恋人がいるなんて思ったことがないけど恋人いるのかな?姉としてはちゃんといい人と結ばれてほしいけど、渡したくない、矛盾が右往左往する。これが娘を渡したくない父親の気持ちか…と姉だけど
「○○。お出口は左側です」
私が降りる駅だ。さてと今日も仕事頑張ろうと思い電車を降りる。
学校が終わり家へかえる。電車でお姉ちゃんに会い、買い物をして家につく。まだ両親は帰ってないらしい。
「うー寒かったね、お風呂いれよう~。るり先入りなね。」
「お姉ちゃんが先に入りなって。お仕事で疲れてるだろうし、冷えてるし」
手を触って冷えてることを確かめる。
「るりこそ冷えてるじゃない。お姉ちゃんは大丈夫だから、入りなさい。」
「風邪引いたらお姉ちゃん休めないでしょ?私は休めるし」
「ダメだよっ!るりが風邪引いたらお姉ちゃん休むよ!」
嬉しいことなのだが…社会人としてどうなのかと問いたいが、いい考えが浮かんだ。
「じゃあ久しぶりに一緒に入ろうよ。」
「えっ?一緒に?」
なんか予想以上に驚いているけど嫌なのかな
「いやだった?」
「い、いやじゃないけど、お風呂狭いし大丈夫かな?」
「多分大丈夫じゃないかな。まぁ入ってみようよ」
「そうだね。よし入ろうか。」
結果。意外に恥ずかしい。そして狭い。浴槽を二人で膝を抱えて入っている。やっぱりお風呂は気持ちいいな。
「やっぱり狭かったね」
と二人で笑いあう。懐かしい気持ちになる
「昔は二人で入ってたね、最初はお姉ちゃんの方が背が低くてよく妹って言われてたよね」
「いつからかるりの身長をぬいて嬉しかったな、まだここは抜かせれてないけど!」
私の胸を揉んでくる、くすぐったいしじかで手が温かくて気持ちいい、変な声が漏れそうになる。
「や、やめってぇ、あっ。んっ、いや」
実際漏れている。
「ごめんね、ついお姉ちゃんやり過ぎちゃった」
のぼせたのかお姉ちゃんの顔が赤くなっている。すごく可愛い。いつもは綺麗なのにずるいな。ほんと。怒る気が失せてしまった
「いいよ、もう。仕方ないな」
お姉ちゃんの濡れた髪を触る。
「ほんといいよねお姉ちゃんの髪」
「髪だけは自慢だからね、あと妹」
ちょんと頭をチョップして
「どんだけシスコンなのよ」
立ち上がり
「あれ?怒った?」
「怒るわけないでしょ、髪を洗うのよ。」
シャンプーをワンプッシュ半してしゃかしゃかと泡立てる。シャンプーを洗い流してリンスをつける。頭皮につけないように髪につけて時間をまつ為にお姉ちゃんとかわる
「はい。お姉ちゃん」
私はまた湯船に浸かる。
お姉ちゃんはツープッシュしてしゃかしゃかと泡立てるお姉ちゃんの髪は腰ぐらいまであってシャンプーするのも一苦労だ。と思う。
ふと思う事があるがお姉ちゃんは彼氏とかいないのだろうか。こんな綺麗で可愛いお姉ちゃんを放っておくはずがない。変な男なら私がとめてあげなきゃと思う。でもお姉ちゃんがどこかに行っちゃうなんて考えたくもないのだけど。
リンス髪につけるお姉ちゃん。CMがくるんじゃないかと思うぐらい絵になる。ハープの精霊みたい。お姉ちゃんが精霊なら私はなんなのだろうか、
くるくるとお団子みたいにして頭の上にちょこんとおく。私がリンスを落として体を洗い。
「先にでるね」
私は先にでる
「さむっ」
体についた水滴が一気に冷えて寒すぎて声がでる。毎年恒例だ
「ちゃんと頭と体拭くんだよ、風邪引いちゃうから」
浴槽からお姉ちゃんの声が聞こえる。ほんとに心配性なんだから
「分かってる、ちゃんとお姉ちゃんも暖まってから出てこないとダメだよ!」
と告げる。体を拭きおわり。お姉ちゃんが出てくる、
「寒いね、早く拭かなきゃ」
と拭くお姉ちゃん。確かにお胸の方が私よりはないけどスタイルがいいから私はそっちの方が羨ましい限りである…
先に入ってほしかったのに何故か二人で入ることになったお風呂。もう何年振りだろうか。最初は驚いてしまったが決して嫌な訳がない。むしろ嬉しい。
昔は二人で入ってたね
とるりが覚えててくれて嬉しい限りだ。身長は私の方が小さくて、いつか抜かした時は姉としての自覚が生まれたような気がした。
でもるりの方が胸が大きい…よしいたずらをしてやろうと胸を触るといやと2回言ったから私は触るのをやめて謝る。体がのぼせてきたのか頬が赤くなって気がする。頭をチョップされて久しぶりに頭撫でてほしいなとか思うがお姉ちゃんだからなぁ…と諦める。
さむっって声がきこえてとっさに心配する言葉を紡ぐ。体を洗い終わり外にでるとすごく寒かった。
お風呂をでて私はすぐにドライヤーで乾かしおわる。お姉ちゃんは水気をとりまだ濡れているが気にせずリビングでお茶を飲んでいる。
「風邪引くよ、早く乾かさないと」
水も滴るいいお姉ちゃんなのだが風邪をひいてもらっては困る
「ちょっとのぼせちゃったから水分補給してる」
ガチャと玄関の扉が開き
「ただいま」
お母さんとお父さんが帰ってきた
「おかえり」
「はいただいま。お風呂入ったのか」
「うん。久しぶりにお姉ちゃんと一緒に入ったんだよ」
とお母さんに報告する、する必要がないがしない必要もない
「ほんと仲いいな、でも狭くないか?」
「狭かったよ」
「だよな、でも入れるのか、今度お母さんと入ろうか」
「うん」
お互いが風邪をひくかもしれない状況にあったことを忘れていた。思い出したが今言わなくてもいいか
四人でご飯を食べて部屋に戻ってベットに飛び込む。すぐに睡魔が襲ってきて眠りにつく。
百合百合してたが何かが足りない。やはりこの世界には百合はないのか。見れずには死ねない。見てから死んでやる!見るためにはどんなことでもしてやる!
誤字脱字があれば教えてください。