#107 総集編 4/4
いやぁ、随分とザックリした振り返りだったね。
「いやホントだよ。あれだけ苦労した鬼ごっことか全部カットじゃねぇか」
「俺も納得いかへん事がある。ジュウセイジャーはどこいったんや!結構好きなんやで!?」
えぇ……あの残念戦隊ケモレンジャーが?なんで?
「残念ちゃうやろ!めっちゃかっこええやん!」
「そうだぞクソ作者!オトコノコにとって戦隊と仮面が青春なんだよ!」
……なんて言ってますが?嫁としてどうなの?
「そろそろ卒業しましょう、ね?」
「じゃあ元の世界に帰ったら小子の秘蔵フィギュア売るわ」
「プリティキュアーは別ですよ!?強い、可愛い、カッコいいと三拍子揃った完璧美少女アニメなんです!複数人で一人をリンチする野蛮特撮とは違うんです!」
「言い方ァ!?」
類友でした、ありがとうございます。この調子だとレオナちゃんもケモキュアのファンなんだろうか。
……観客席でモグラが仲間に入りたそうにこちらを見ている。だが無視だ。
「異国文化とはよく分からんな」
「興味ねぇ」
「強い、可愛い、カッコいい、天才美少女のユカちゃんですよーっ!キャハ!」
「儂は浪漫の方が好きじゃのう…」
「童心に帰んのも悪ない…か」
はいはいはい!オタトークは総集編の外でやってくれ。ディレクターから巻きの指示が来てんの!三問目ドーン!
『主人公より主人公してたあのシーンで、使用された必殺技名を答えなさい』
「はぁ!?覚えてるわけねぇだろ!というか僕聞いてたか!?」
ええ、そりゃもうバッチリ。三種類全問正解のみ認めます。では、れっつしんきんぐたーいむっ!
「あー……あぁ?自分のはわかるんやけどなぁ…」
「漢字表記なのか、発音表記なのか……それが問題ですね…」
「ユカちゃん知らないよ……?マキちゃんは?」
「この辺から、私も出番無いからね。知るわけないじゃないか」
そうなんよね。って事で、マキさんユカちゃんリュウガさんタトさんには特別措置として、ヒントと三種類の内一つでも合えば正解とします。彼らの性格とヒントから連想しちゃってください。
……さて、そろそろよろしいですかね?ではフリップ、オープン!
彦星、小子、タイガの回答は『超新星咆哮』『過大重力の檻』『龍脈割』、マキさんは『超新星咆哮』『地脈割』『夢幻牢獄』、ユカちゃんが『波動砲』『大陸割』『夢幻既視感』、リュウガさんとタトさんは『魔力咆哮』『龍脈割』『地獄絵巻』ですね。
それでは回答発表です……どどん!『超新星咆哮』『過大重力の檻』『龍脈割』でした!そして正解者は全員……ってあれ?ユカちゃん?
「……悪くないもん」
嘘だろ……あのヒントと性格で一種類は当てると思ったのに…。
「ちなみに、どんなヒントだったんだ?」
え?『口から魔力砲』『最上級剣撃』『逃れられない檻』だぜ?ほとんど答えだろ?
「それは……うん、ユーカリさんが悪いかな」
「なして!?」
「トラだぞ?口から魔力砲って言えば、もう咆哮だろう?波動砲は無いだろ…」
「マキちゃん!?」
「最上級剣撃なんて、剣士からすれば常識だよなぁ?」
「うむ。ちなみに、儂は習得済みじゃ。ユカ子も昔見とるぞ?母の腕の中でじゃが」
「覚えてるわけないじゃ無いですか!絶対それ赤ん坊の頃ですよね!?」
「む……そういえば、乳を吸っておったような…?」
「もーろくじじーっ!」
お、おう……なんだかこれぞまさに地獄絵図…き、気を取り直して次の振り返りに行ってみよう!
「作者のあほおおおおおお!!!」
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ビースティアから戻った彦星は、獣王と国王の計らいで指名手配を取り下げてもらう。だが、その間に失った信用がおいそれと簡単に戻るわけもなく……仕方なく、面倒で押し付けていた塩湖村の業務にも手を出す事に。そんな信頼も少しづつ回復してきた頃、彦星の下に一通の手紙が届いた。中身は強制招集状で、差出人はシンバ国王その人であり小子と共に引き継ぎを済ませて都市ジュゴスに足を運ぶことになる。
ジュゴスに到着するや否や、二人はギルドマスター室に通された。そこには市長、ギルマス、シンバ国王がおり、その場で二人はギルドランクをAランクに昇格する。半ば強制的に昇格した二人は、王令で天島の魔法学校の教師に任命された。ギルドの一室から転移魔法で学校に行き、同日中に全校集会で新任の挨拶を済ませる。翌日から彦星の授業が始まった。初日の魔法理論では前半を自己紹介、後半を実力査定として十の取り決めの下、模擬戦を開始。その結果として各々の才能と教材が全く噛み合っていないという現実を知り、教本に書いてある内容よりもずっと前の段階……基礎から教えることにした。しかし、彦星の教育法は見て学ぶ物の為に、マトモな授業をしていないと酷評される。そこで教本の不合理性を突き、如何に基礎が大事かを事細かに説明すると、生徒は目からウロコが落ちたように納得。最後まで反抗していた生徒も、その実力を認めて大人しくなった。
その影響からか、彦星のもう一つの担当科目である体育では多少マシな授業態度を取ってくれている。この授業では、魔法理論のように基礎を教える必要が無かったので『流動術』と呼んでいる身体強化の応用を教え込んだ。これは体内の魔力を任意の位置から、任意の位置へ動かし、その際に生じる運動エネルギーを混ぜ込んで瞬間的に莫大な効果を得る技術であり、扱いを間違えればエネルギーは行き場を失って大怪我をする。その技術を、彦星は魔力纏と共に段階的に教える事になったのだ。
さて、教師生活もさる事ながら二週間を終える。
彦星の受け持ったクラスの生徒とは一悶着あったが、それなりに上手く中を取り持てたようだ。
時期としては夏休みを終え、中間テストも終わり、待ちに待った全学年合同授業が始まる。
必勝を掲げた彦星のクラスは、一時間が一日になる空間の中でみっちりと訓練を重ねて、上級生とも互角に渡り合える技術を身につけたのだった。
合同授業はチーム戦で、会場は仮想空間。班のリーダーが致命傷を負った時点でリタイアとなり、その班は失格となる。学年毎にポイントが割り振られ、リーダーを倒すとそのチームに割り振られたポイントが加算される。最後まで勝ち残り、集めたポイントが一番多い学年の勝利となるのだ。
そんな楽しい合同授業の最中、地上では教会が襲われるという事件が発生していた。王国の管理下に置かれている教会を襲うのは、立派な国家反逆罪である為に、すぐに犯人は包囲される事になった。だがその犯人は教会に設置された転移魔法陣に乗り、上空の魔法学校に侵入し、さらに悪い事に学校地下の仮想世界転移魔法陣の場所にまで来てしまったのだ。
その犯人を偶然発見した小子は、生徒を守る為に犯人と共に自分の転移魔法で学校の屋上へと移動した……つもりだった。しかし変な風に仮想世界転移魔法と混ざり、小子と犯人は肉体を持ったまま仮想世界へと転移。魔法を吸収する能力を持った犯人と接戦を繰り広げ、徐々に押されてきた小子は彦星に助けを願い、その願いが届いたのか、ほんの一瞬だけ小子は彦星の煌めきを使用する事が出来たのだった。
摂理に干渉する能力が起こった結果を無かった事にし、絶体絶命だった小子は無事に窮地を脱する事に成功する。
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いやぁ、長かったねぇ。これで概ね百話達成かな?
「そうだな。思えば結構色々とやってたな」
「当たり前ですけど、無茶苦茶やらかしますよね」
「ふむ、こうして見ると…二人はもう営んだと見ても良いのか?最初の頃と比べると、やはり絆は深まっているらしいな」
やーん、マキさんやーらしー!ほらもぉ、二人とも赤面しちゃって目も当てられないじゃないかっ!もっとやれ!
「やかましいっ!さっさと最終問題出せやオラッ!」
もう、野蛮なんだから。その前に、すばるくん人形の確認をしようか。
えっと……あ、ユカちゃん以外は三体分か。という事は、クリスタルスーパーすばるくん人形に昇格しているのはユカちゃん以外だね。
ではではここでチャンスタイム!この問題に正解すればクリスタルスーパーすばるくん人形が贈呈されます!更に、今クリスタルスーパーすばるくん人形を持っている回答者の方にはビッグチャンス!持っているすばるくん人形と引き換えに、最終問題に正解すると、豪華海外旅行権を差し上げます!頑張って正解してね?
最終問題!『学校編に出てきた生徒の人数は?』
「覚えてねええええええええええええ!!」
「私も流石に覚えてません……」
「知らねえ……分かんねえ……」
当てずっぽうで大丈夫です!では回答をどうぞ!
「三五!」
「四…十?」
「五十!」
「二三?」
「三三」
「六十」
「四二」
出揃いましたね?それでは正解は……四二人でした!正解者はユカちゃんッ!拍手!!!!
「えっホント?やったよ!ユカちゃん大勝利!!」
不正解の皆さんからはクリスタルスーパーすばるくん人形を没収です。
では、最後まで勝ち残ったユカちゃんには賞金を授与させていただきます!
それでは皆さま、また来週!さいなら!
ご愛読ありがとうございます。
来週から平常運転です。
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