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マイ・テラー 4-1
~もしもし?
ねぇ、亜早美、
気晴らしにカラオケでも行かない?~ー
数日前、失恋をして何もする気になれなかった私を動かしてくれたのは、
この、友人からの一本の電話だった。
こういうときに、改めてわかる。
自分を信じてくれる人、
自分を大切だと言ってくれる人の存在が、
どれだけ大きいのか…。
だから私は、迷いながらも頷いた。
翌日、カラオケに行ったら、びっくりした。
奈緒の他に、奈緒がいつも連んでいる人達が一緒だったから。
その中に、数人の男の子。
失礼かもしれないけど、今の私には嬉しくない状況に思えた。
でも、そう思っていたのは最初だけで、すぐに彼らともうちとけられた。
流石、奈緒がいつも一緒にいる友人。
彼らは本当に良い人達だった。
盛り上がろうぜっ。
とかいいながら、色々なジャンルの曲を次々に入れて、楽しく歌っていく。
そこに、恋愛や失恋唄をうまく避けてくれているのは、彼らなりの優しさだったのだろう。
そのお陰で、この数日間、忘れていたはずの笑顔が自然と出せるようになっていた。
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