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マイ・テラー   作者: 名口 慎
5/19

マイ・テラー 3-1

「…も、あたし、

人好きになること、出来ないよっ…。」



そう言って、

大切な人だった人に裏切られたあなたが、電話越しで泣いた日。


あなたの知らない場所で、

あなたの新しい恋のプロローグが始まっていたなんて…、


あなたは思っても見なかったのでしょう。


章太が帰り際、

こっそりと私にだけ話してくれた、一人の女の子の名前。


『林葉亜早美』


それは、私の大切な友人の名だった。

そして、私が今電話をしている人物でもある。



噂をすれば…、


とか、そんな悠長な笑い話じゃなかった。


久々にタイミングよく来た友人からの電話は、


フられた。


という突然過ぎる衝撃的内容だった。


人前では絶対に泣かない彼女が、こんなにも泣いているのだ。

事の重大さを、静かに物語っていた。



>>

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