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マイ・テラー 3-1
「…も、あたし、
人好きになること、出来ないよっ…。」
そう言って、
大切な人だった人に裏切られたあなたが、電話越しで泣いた日。
あなたの知らない場所で、
あなたの新しい恋のプロローグが始まっていたなんて…、
あなたは思っても見なかったのでしょう。
章太が帰り際、
こっそりと私にだけ話してくれた、一人の女の子の名前。
『林葉亜早美』
それは、私の大切な友人の名だった。
そして、私が今電話をしている人物でもある。
噂をすれば…、
とか、そんな悠長な笑い話じゃなかった。
久々にタイミングよく来た友人からの電話は、
フられた。
という突然過ぎる衝撃的内容だった。
人前では絶対に泣かない彼女が、こんなにも泣いているのだ。
事の重大さを、静かに物語っていた。
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