マイ・テラー 最終章ー2
君は、このストーリーに満足していないの?
俺はとっても素敵なストーリーだったと思うよ?
君はいつも、答えをきちんと1人でだしちゃうんだよね。
悩んでも、頼るのが苦手だから…。
きっと今も、散々悩んで答えを出したあとだったんじゃない?
つくづく君はスゴい人だよ。
本当に。
俺は心の中で小さく笑った。
しばらくの沈黙。
その頭の中では、また新しいストーリーが生まれているのかな?
また、見つけたの?
素敵な何かを。だから、俺は聞いてみた。
「…お前ってさ、なんか渡り鳥みたいだな。」
「…え?」
「…またどこかへ、飛び去ってしまうの?」
俺の方をびっくりした顔で見る。
どうして、って顔してるね。
わかるよ。だって、君の事だもん。
そうすると、彼女は優しく、全てを見たように、静かに空へと笑みを向けた。
「…うん。そうかもしれない。」
「…もう、俺達じゃ、描けないの?」
「違うよ。」
これは、ただの俺の我が儘。
そんなの知ってる。
そして、君がずっと同じ場所には留まらない、
常に新しい素敵な世界観を求めていることも知ってる。
そんな彼女だから…、
彼女のストーリーだから惹かれたのかもしれない。
「これ以上、素敵なストーリー、
描けないってくらいにみんなきれいなんだ。
それ以上、この美しさに書きなぐる必要がどこにある?」
みんなといるときの無邪気な彼女とはどこか違う…
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