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マイ・テラー 最終章-1
「…ねぇ、私、これで合ってたんかな?」
陽が沈みかけた冬の寒空に、彼女は白い息とともにそうつぶやいた。
どうして君はいつも自分を責めるのさ?
そう言おうとしたけど、やめた。
あまりにもその姿が雪のように、触れるだけで消え入りそうにみえたから。
だから、変わりに空の同じ場所を眺めた。
いつもと変わらない、暗くなり始めてしまった空がなんだか今日は重く感じて、少しだけイラついた。
なんだか、君もこの空に吸い込まれていってしまうのではないか…
なんて、思ってしまう自分がいた。
そんな俺を気にすることなく、彼女は話しを始めた。
「恋愛小説を描くとね、いつも考えるんだ…。
こうやって、本人達にもわからない未来のストーリーを、
私は綴っていいのかなって…。
…これはきちんと幸せに向かっていく道なのかなって…。」
「そんなの、わからない。
感動するストーリーがあったって、それが幸せなんたどうかなんてさ、
…わかんないんだよ。」
…そっか。と、彼女は呟いた。
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