マイ・テラー 6-1
「あ、あの人かっこいい~」
ほらまた、君はいつもそう。
俺の気持ちなんてお構いなし。
やっと話せるまで仲良くなれたばかりの君に、俺は毎日たじたじ。
ねぇ、知ってる?
男は単純なの。
それでほんとに君がその人を好きだったらどうしようって、本気で考えてんだよ?
君にとって、俺はただの友達?
食事に行っても、遊びに行っても、廊下でくだらない話を長々してても、
メールでの小さな会話でも…、君はいつもそうだから。
俺は不安で仕方ない。
別に君の彼氏でもないけどさ、
ずっと、君を大切に想う人間でありたいんだ。
それは、贅沢な考えなのかな?
今まで恋に怯えて、何もしなかった俺が、今更恋をするなんて思わなかった。
それも、君みたいに素敵すぎる人に。
『その笑顔を一番近くで、一番多く見れるのは俺だ。』
そんなかっこいいこと、今の俺はどんなに勇気を振り絞っても言えないけど…。
その笑顔を守るためなら、俺は強い男になってみせるよ?
そりゃ、柔道家とかレスラーには適いっこないけど、
君の悲しみの素くらいはやっつけられる男になりたいと思う。
君の理想には遠い男かな?
男らしくないかな?
君はまだ気づいてはくれないみたい。
でも、俺はこんなにも君の事、好きなんだ。
自分でも、呆れるくらいに…。
好きになっていた。
でも、恋が怖いと言った君を焦らせたくないんだ。
臆病な君と俺。
でも、涙より今は君の笑顔を見ていたいから…。
「ね、今日カラオケ行こうよ?」
君と一緒に笑う時間をください。
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